86 / 111
旅の目的とそのゴール (アカイ38)
しおりを挟む
この無法地帯っぽい街の名はタチカーワ。中央のお膝元といっても良いほどの距離にある地域なようだが、そこがまた恐ろしい場所なのである。
「これってもしかして……犯罪多発地区といったところじゃないの?」
宿屋にて少し早めの夕ご飯をシノブと一緒に食べている俺が恐る恐る尋ねるとシノブは平然としながら応える。
「そういう言い方ってよく分からないけど、治安が悪いので有名ね」
見りゃ分かるよと俺は窓から道行く男たちを見る。学校の廊下ですれ違ったら端に寄り、目を背けたくなる雰囲気な輩のものがよく目に入る。俺は中学時代を思い出した。やり過ごした後に背後から聞こえる奇声や威嚇の鳴き声とかを。不良の世界または獣の世界……中学校とはそういう負の世界なのである。
「そんなに怯えないで。明るいうちはそこそこ普通なのよ。問題はもう少し暗くなってから。よそ者はまず外出禁止ね」
「わかった夜は出歩かないようにするよ」
「逆よ逆、今宵こそが狙い目、私達が選ぶ選択肢よ。」
「狙わないでくれ。なんか分かる。ここはいままでの場所とは違うって」
「問題地だからね。治外の地とまではいかないけど官憲もあまり足を踏み入れたりはしない。だからこそいいのよ。良いアカイ? 私達はもう目的地の一歩手前まで来たの。これは喜ばしいことではあるけど同時に敵の懐に入ったも同然。やつらが何をしてくるか分からない。ここではない治安の良いところに入ったら、すぐさま官憲が現れ事情聴取からの任意同行そして逮捕よ。私達のことは兄さん経緯でこちらに広く知られていると考えた方が良い。旅人で怪しい風体の男女二人連れ……なかなかに目立つのよこれ」
自分達は世間からどう見られているのかなと、俺はシノブの真剣な声に対して妄想を膨らませた。訳あり事情な二人……駆け落ち上京……とにかく客観的に見れば、これは恋人同士以外のなにものでもないのでは?
考えてみればそんな風に人から見られることは今まで無かった。あるはずが、無かった。だって女とこんなに長時間歩いてどこかに行ったことなんてないのだから。このままずっと旅をし続けられたら、とも俺は妄想する。そうしたらもしかして自然と恋人のような関係となれて、自然と手を繋ぎ子作りできて幸せな家庭を築けるのではないだろうか?
試練というものはどこかに吹き飛び遠くで行われる他人事としてそこから背を向け二人で遠くに……問題はシノブの意思だが、彼女がこう言えばすぐに収まるのだ「アカイ、どこか遠くに行こう」って。もちろん俺はそれに対して驚いたふりをしつつも、苦渋の決断で以って受け入れるように微かに頷く。
お前が言うのなら仕方がないという体裁にしなければならない。えっ? 自分から言ったらどうだ? 馬鹿を言っちゃいけないよ少年。大の男が自分の方から逃げようなんて言えるはずがなかろうに。女子供の懇願によってはじめて逃げても良いかという考えが生まれるというのだ。それが、男、なのだ。こんなおっさんでも、モテなくても、弱くても、カッコ悪くても、俺は、男なのだ。
自分から逃げるとかなんて言えはしないし、ましてや女に、もっといえば一回り以上も下の若い子に、もっといえば愛している美少女に、言うぐらいなら死んだ方がマシな程の屈辱だ。でも正直言って貰いたいところだが、シノブは残念なことにこっちの気持ちなどまるで意に帰さずに物事を進めていくから困ったものだ……
「どうしたのアカイ? もしかして怖がっているとか?」
心を見抜かれたかのようなシノブの一言に俺は急いで首を振る。ビビッてなどいない! 妄想していただけだ! 君との未来をね! 分かりやすく大げさにアピールしなければ! 違うこれは逆だろまるで本当に怖がっているようじゃないか!
「まぁ怖がって当然よ。私達はこれから世界の滅びをもたらす陰謀を相手に戦うようなものだからさ」
いつにもまして真剣な表情のシノブにアカイは安堵した。俺は見くびられたわけではなかったのだと。あと真剣な表情の美少女はやはり最高だとも感じた。俺は恋人に後輩に妹あるいは娘そして妻を母を同時に持てるかもしれないという期待にも胸を膨らませる。そうだ怖がっている場合ではない。
俺にとっての真の恐怖とは、試練に敗れシノブが知らない男の妻とされ子作りセックスさせられることなのだ。後日ビデオレターを送られることはないにしろ、年賀状で知らない男とその子供との家族写真が添えられていたら死んでしまうかもしれない。写真に写るシノブの表情はもはや自分の運命を諦めているゆえのにこやかな笑顔であるだろう。想像するだに慄いてしまう!
それ以外のことなら、なにも、怖くない。怖いが怖くない。耐えられる。耐えられることは恐怖ではない。耐えられないことのみを回避すべしだ、俺! しかし俺は寝取られにあまりにも恐怖しているが、これって裏返すと大好きになるんじゃ? 例えば寝取られに何の興味もなく意義をも見いだせないのなら、これは伴侶が突発的な事故に会ったものだと処理して適切な対応をするだけで、その後も普通に生活が出来るのかもしれない。これを俺はできないと思う。つまり気にしている要するに寝取られをすごく重要視している。よって大好き、なわけあるかーい!
「それでどう進むの? そういえば俺はこの旅の目的というかゴールやらをまだ詳しくは知らないのだが」
俺は気を取り直してシノブに尋ねた。そうだ以前に聞いた話の先をそろそろ知らないと。
「やっと知る気になったの?」
シノブがやれやれという表情をしたので俺は動揺する。いや、それはそっちが話さないからであって俺はいつも……いや気にも留めなかったな。だって俺にとってはシノブを嫁にするという目的だけで旅していたし他は結構に本気でどうでもいいことであったし。それにほら俺って他人から言われるのを待つタイプだし、言われないなのなら言われないでそれでいいやとしてきて……それが駄目だってよく怒られたけど。だって話を聞いたら怒る人としか会ったことがないんだからしょうがないじゃん。悪いのは俺以外のお前らなんだよ。自覚して。
「そうだな、知る気になったから教えてくれ」
「うん、分かりやすく簡単に話すとこうなるわね。まずはこの世界はね、王子によって平和が保たれているの」
王子? とアカイは自身の眉間が反射的に皺が寄るのを感じた。なんだろうその響き。とてつもなく、不快なものを感じてならない。勘違いかもしれないが……勘違いであってほしいが、王子という単語を出した際のシノブは嬉し気で微笑んでいるようにも見えた。
俺の名を呼ぶ際には、絶対に、そんな表情を、しないというのに……
そういえばスレイヤーやカオルがそんなことを言っていたような……
「王子はすごい魔力を持っていてね、その力によって」
「へーあっそう」
「えっ?」
「これってもしかして……犯罪多発地区といったところじゃないの?」
宿屋にて少し早めの夕ご飯をシノブと一緒に食べている俺が恐る恐る尋ねるとシノブは平然としながら応える。
「そういう言い方ってよく分からないけど、治安が悪いので有名ね」
見りゃ分かるよと俺は窓から道行く男たちを見る。学校の廊下ですれ違ったら端に寄り、目を背けたくなる雰囲気な輩のものがよく目に入る。俺は中学時代を思い出した。やり過ごした後に背後から聞こえる奇声や威嚇の鳴き声とかを。不良の世界または獣の世界……中学校とはそういう負の世界なのである。
「そんなに怯えないで。明るいうちはそこそこ普通なのよ。問題はもう少し暗くなってから。よそ者はまず外出禁止ね」
「わかった夜は出歩かないようにするよ」
「逆よ逆、今宵こそが狙い目、私達が選ぶ選択肢よ。」
「狙わないでくれ。なんか分かる。ここはいままでの場所とは違うって」
「問題地だからね。治外の地とまではいかないけど官憲もあまり足を踏み入れたりはしない。だからこそいいのよ。良いアカイ? 私達はもう目的地の一歩手前まで来たの。これは喜ばしいことではあるけど同時に敵の懐に入ったも同然。やつらが何をしてくるか分からない。ここではない治安の良いところに入ったら、すぐさま官憲が現れ事情聴取からの任意同行そして逮捕よ。私達のことは兄さん経緯でこちらに広く知られていると考えた方が良い。旅人で怪しい風体の男女二人連れ……なかなかに目立つのよこれ」
自分達は世間からどう見られているのかなと、俺はシノブの真剣な声に対して妄想を膨らませた。訳あり事情な二人……駆け落ち上京……とにかく客観的に見れば、これは恋人同士以外のなにものでもないのでは?
考えてみればそんな風に人から見られることは今まで無かった。あるはずが、無かった。だって女とこんなに長時間歩いてどこかに行ったことなんてないのだから。このままずっと旅をし続けられたら、とも俺は妄想する。そうしたらもしかして自然と恋人のような関係となれて、自然と手を繋ぎ子作りできて幸せな家庭を築けるのではないだろうか?
試練というものはどこかに吹き飛び遠くで行われる他人事としてそこから背を向け二人で遠くに……問題はシノブの意思だが、彼女がこう言えばすぐに収まるのだ「アカイ、どこか遠くに行こう」って。もちろん俺はそれに対して驚いたふりをしつつも、苦渋の決断で以って受け入れるように微かに頷く。
お前が言うのなら仕方がないという体裁にしなければならない。えっ? 自分から言ったらどうだ? 馬鹿を言っちゃいけないよ少年。大の男が自分の方から逃げようなんて言えるはずがなかろうに。女子供の懇願によってはじめて逃げても良いかという考えが生まれるというのだ。それが、男、なのだ。こんなおっさんでも、モテなくても、弱くても、カッコ悪くても、俺は、男なのだ。
自分から逃げるとかなんて言えはしないし、ましてや女に、もっといえば一回り以上も下の若い子に、もっといえば愛している美少女に、言うぐらいなら死んだ方がマシな程の屈辱だ。でも正直言って貰いたいところだが、シノブは残念なことにこっちの気持ちなどまるで意に帰さずに物事を進めていくから困ったものだ……
「どうしたのアカイ? もしかして怖がっているとか?」
心を見抜かれたかのようなシノブの一言に俺は急いで首を振る。ビビッてなどいない! 妄想していただけだ! 君との未来をね! 分かりやすく大げさにアピールしなければ! 違うこれは逆だろまるで本当に怖がっているようじゃないか!
「まぁ怖がって当然よ。私達はこれから世界の滅びをもたらす陰謀を相手に戦うようなものだからさ」
いつにもまして真剣な表情のシノブにアカイは安堵した。俺は見くびられたわけではなかったのだと。あと真剣な表情の美少女はやはり最高だとも感じた。俺は恋人に後輩に妹あるいは娘そして妻を母を同時に持てるかもしれないという期待にも胸を膨らませる。そうだ怖がっている場合ではない。
俺にとっての真の恐怖とは、試練に敗れシノブが知らない男の妻とされ子作りセックスさせられることなのだ。後日ビデオレターを送られることはないにしろ、年賀状で知らない男とその子供との家族写真が添えられていたら死んでしまうかもしれない。写真に写るシノブの表情はもはや自分の運命を諦めているゆえのにこやかな笑顔であるだろう。想像するだに慄いてしまう!
それ以外のことなら、なにも、怖くない。怖いが怖くない。耐えられる。耐えられることは恐怖ではない。耐えられないことのみを回避すべしだ、俺! しかし俺は寝取られにあまりにも恐怖しているが、これって裏返すと大好きになるんじゃ? 例えば寝取られに何の興味もなく意義をも見いだせないのなら、これは伴侶が突発的な事故に会ったものだと処理して適切な対応をするだけで、その後も普通に生活が出来るのかもしれない。これを俺はできないと思う。つまり気にしている要するに寝取られをすごく重要視している。よって大好き、なわけあるかーい!
「それでどう進むの? そういえば俺はこの旅の目的というかゴールやらをまだ詳しくは知らないのだが」
俺は気を取り直してシノブに尋ねた。そうだ以前に聞いた話の先をそろそろ知らないと。
「やっと知る気になったの?」
シノブがやれやれという表情をしたので俺は動揺する。いや、それはそっちが話さないからであって俺はいつも……いや気にも留めなかったな。だって俺にとってはシノブを嫁にするという目的だけで旅していたし他は結構に本気でどうでもいいことであったし。それにほら俺って他人から言われるのを待つタイプだし、言われないなのなら言われないでそれでいいやとしてきて……それが駄目だってよく怒られたけど。だって話を聞いたら怒る人としか会ったことがないんだからしょうがないじゃん。悪いのは俺以外のお前らなんだよ。自覚して。
「そうだな、知る気になったから教えてくれ」
「うん、分かりやすく簡単に話すとこうなるわね。まずはこの世界はね、王子によって平和が保たれているの」
王子? とアカイは自身の眉間が反射的に皺が寄るのを感じた。なんだろうその響き。とてつもなく、不快なものを感じてならない。勘違いかもしれないが……勘違いであってほしいが、王子という単語を出した際のシノブは嬉し気で微笑んでいるようにも見えた。
俺の名を呼ぶ際には、絶対に、そんな表情を、しないというのに……
そういえばスレイヤーやカオルがそんなことを言っていたような……
「王子はすごい魔力を持っていてね、その力によって」
「へーあっそう」
「えっ?」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
とある険悪な王と王妃の話
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
コーラル王国の国王アレクと、彼に嫁いだプラテアド帝国第六皇女ミリィナは、客人の前でも平気で怒鳴り合う険悪な仲。
……なのだけど?
政略から始まった二人の結婚生活の行方。
今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!
ユウ
恋愛
三年前、夫の願いにより義両親との同居を求められた私はは悩みながらも同意した。
苦労すると周りから止められながらも受け入れたけれど、待っていたのは我慢を強いられる日々だった。
それでもなんとななれ始めたのだが、
目下の悩みは子供がなかなか授からない事だった。
そんなある日、義姉が里帰りをするようになり、生活は一変した。
義姉は子供を私に預け、育児を丸投げをするようになった。
仕事と家事と育児すべてをこなすのが困難になった夫に助けを求めるも。
「子供一人ぐらい楽勝だろ」
夫はリサに残酷な事を言葉を投げ。
「家族なんだから助けてあげないと」
「家族なんだから助けあうべきだ」
夫のみならず、義両親までもリサの味方をすることなく行動はエスカレートする。
「仕事を少し休んでくれる?娘が旅行にいきたいそうだから」
「あの子は大変なんだ」
「母親ならできて当然よ」
シンパシー家は私が黙っていることをいいことに育児をすべて丸投げさせ、義姉を大事にするあまり家族の団欒から外され、我慢できなくなり夫と口論となる。
その末に。
「母性がなさすぎるよ!家族なんだから協力すべきだろ」
この言葉でもう無理だと思った私は決断をした。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
侯爵令嬢として婚約破棄を言い渡されたけど、実は私、他国の第2皇女ですよ!
みこと
恋愛
「オリヴィア!貴様はエマ・オルソン子爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺様の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄をここに宣言する!!」
王立貴族学園の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、エリアス・セデール。ここ、セデール王国の王太子殿下。
王太子の婚約者である私はカールソン侯爵家の長女である。今のところ
はあ、これからどうなることやら。
ゆるゆる設定ですどうかご容赦くださいm(_ _)m
貴方の杖、直します。ただし、有料です。
椎茸
恋愛
魔法学園を出て、何とか杖修復士の仕事に就けたユミル・アッシャー。
しかし、国最強の魔法使い、レイン・オズモンドの活躍のせいで職場をクビになってしまう。
首都で新たな仕事を見つけられるのか、生まれ故郷である田舎に帰るしかないのか。悩んでいた矢先に、ユミルのもとにレインの杖の修復依頼が舞い込んで来て、ユミルの人生は転機を迎える。
オッドアイの伯爵令嬢、姉の代わりに嫁ぐことになる~私の結婚相手は、青血閣下と言われている恐ろしい公爵様。でも実は、とっても優しいお方でした~
夏芽空
恋愛
両親から虐げられている伯爵令嬢のアリシア。
ある日、父から契約結婚をしろと言い渡される。
嫁ぎ先は、病死してしまった姉が嫁ぐ予定の公爵家だった。
早い話が、姉の代わりに嫁いでこい、とそういうことだ。
結婚相手のルシルは、人格に難があるともっぱらの噂。
他人に対してどこまでも厳しく、これまでに心を壊された人間が大勢いるとか。
赤い血が通っているとは思えない冷酷非道なその所業から、青血閣下、という悪名がついている。
そんな恐ろしい相手と契約結婚することになってしまったアリシア。
でも実際の彼は、聞いていた噂とは全然違う優しい人物だった。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる