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前途多難……。7
しおりを挟む放課後、授業が終わる頃に教室へと向かう。ちょうど鐘が鳴り、人が教室から出て、チームで練習をしに行く人や急いで寮に戻る人で廊下は賑わっていた。
私たちが教室に入ると、クラスの人達は、各々お喋りをしていたり帰り支度をしているのに、そんな中、ズーンと沈んだ空気の机がひとつ。非常に空気が重かった。
「皆、サボっちゃってごめんね、チェルシーと……そのお話してて」
扉から近い場所に座っているサディアスの方から声をかけると、彼はふと顔を上げて、私とチェルシーを見て視線を鋭くする。
「遊んでたなら、遊んでたと言え、クレア……はぁ……俺はもう知らん」
「……ごめん」
確かに一目で分かるだろう。二人とも午前と髪型が違っているのだから。サディアスは、額を押さえて項垂れた。
ほか二人は……そう思って視線を送ると、何やら険悪な雰囲気のようで、視線を落として動かない。
「……何かあったの?」
私がサディアスに、小声で訪ねると、ふと、ヴィンスがこちらに気がついて、冷たい雰囲気がふっと柔らかくなりニコッと私に笑いかけた。
「おかえりなさいませ、クレア」
席を立って反対側の通路へと抜けて私の方へと歩いてくる。その頬は何故か赤い手形の様な跡が付いていて、目を見張る。
「喧嘩でもした?」
「いいえ、特には」
私たちのやり取りにシンシアがだんっと机を叩くようにして立ち上がる。
そして何か言いたげにこちらを睨んだ。
「問題ありません、今日は寮へ戻りますか?それとも街へと行きますか?」
それをヴィンスは、頑なな態度で無視した。
サディアスがまた「はぁぁ」と大きなため息をつく。
「え、と……」
どうしたもんかとサディアスとチェルシーに助けを求めるが、サディアスは頭を抱えるばかりでチェルシーは、私と一緒にサボっていた手前何も言えないらしく、気まずそうに変な方向を見ている。
「シンシア、何かあったの?」
「………………ありません、私が馬鹿でした。……失礼します」
そのままシンシアは荷物をまとめて立ち去ろうとする。まったく状況の理解できない私は、それを見ていることしかできない。
するとサディアスが、顔をあげる。彼は少し怒っているようだった。
「少しは俺の苦労も考えてくれ……場所を変える、全員、俺の部屋に来い、話はそれからだ」
パシッとシンシアの腕を掴む。それをシンシアはパンと払い除けた。
「サディアス!私はもう何も話をする事などありません!!」
大きな声を出したので、クラスの人が注目するが、もはや私たちのチームが問題多数な事は、誰も目から見ても明白で、結成当初から揉めに揉めているので、またかとばかりに大多数は教室をでて行ったり、変わらずにお喋りを続けた。
「命令だ。いいから来てくれ」
シンシアと同じ視点ではなく、貴族然としてサディアスは心底冷たい目でそう言った。
その感情の読み取れない瞳に、シンシアは納得がいってないながらも押し黙り、口答えはしなくなる。
「行くぞ」
サディアスが席を立ち、私たちはそれに続く。
また彼は大きなため息をついてから歩き始めた。
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