悪魔に魅入られて。

壱馨裏 “M”

参

少し前の事だ。
俺は最低な悪夢に起こされた。
内容をまとめるとこうだ
あいつに、後輩が出会いを勧め
アプリを入れさせるという夢だ
そこで知り合ったらしき男と
二人きりで食事に行き
酒の勢いにのった男に身体を触られていた。
こんな夢を見せられ当然寝起きは最悪だ。
煙草に火をつけ頭を冷やす。
が、段々と腹が立ってきた
あいつは俺のモノだという自覚が無さすぎる。

その日は一日中機嫌が悪かった。
仕事を終えたらすぐに呼び出してやる。
だが、思うように捗らず遅くなってしまった。
仕事を終えた俺はすぐに車を走らせた

到着と同時に電話をかけた。
数分待つとエントランスにあいつの姿が見えた
そのまま躊躇いなく助手席に座る
俺は何も言わずに車を出した
いや、何も言えなかったんだ。
夢の状況が実際どこまで進んでいるのか
それは本人に聞くしか確認の術がない。

どう切り出したものかと考えていると
スマホを取り出す姿が視界に入った
嬉しそうに微笑む顔を見て理性が切れた。
俺と居るのに他の男と連絡を取るのか..
苛立ちをぶつける為、行先を決めた

目的地に到着
何も言わず中へと急いだ