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霧中
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休み明けの日。
久しぶりに出勤すると、妙な空気が事務所に漂っている。ミーティングに集まった皆が固まり、何か話している。
「おはようございます。何かあったんですか?」
私が顔を出すと、輪の中心にいる吉野さんが眉間にしわを寄せた。
「小橋さんが、やめちゃったのよ」
「え……」
事情を呑み込めない私に、男性社員が解説する。
「一身上の都合により、退職しますってさ。一応届けは出したらしいけど、まさか引継ぎもせず急にやめるとは。まったく、あのヒトらしいって言うか」
彼は小橋さんがサポートする営業担当者で、日頃から彼女の仕事振りについて愚痴っていた。
「引継ぎしてきれいにやめてくれるなら、こっちは願ったりなんだ」
突き放した言い方だが、そこのところは私も気になる。
「それでその、小橋さんのあとは誰が……」
吉野さんが立ち上がり、いきなり私の肩を掴んだ。
「私とあなたよ。当分、二人でカバーするしかないわ」
すぐに求人したって間に合わない。聞くまでもないことだった。
「小橋さんのことは、お盆休み前に相談されてたの。所長と一緒に説得したけど、結局駄目だった。私の力不足で……」
責任感の強い吉野さんらしい言葉である。
「私は10月に退職するから、それまでに新しい人を雇って、仕事を覚えてもらって、軌道に乗せるしかないわ」
肝心なことを忘れていた。
吉野さんはこの秋結婚し、退職することが決まっている。ということは、つまり――
「私がいなくなったあと、営業所の事務リーダーはあなたよ、星野さん」
さあ~っと血の気が引き、手足が冷たくなるのを感じる。
私がリーダー。こんな頼りないリーダーって、あるだろうか。
「まあとにかく、皆でフォローしようや。それしかないだろ」
最年長の男性社員が手を打つと、それぞれミーティングの席に着いた。私もいつもの席におさまるが、責任の重さに押しつぶされそうだった。
私はこれまで先輩社員を頼り切っていた。どれほど甘い考えだったのか思い知らされる。
(秀一さん……どうしよう)
なぜか彼の名前を胸で呼び、慌てて頭を振る。
仕事、仕事。
やるしかない。
先のことなど考えず、今できることから始めるのだ。小橋さんの残したデータを、自分のパソコンに移動する作業から取り掛かった。
休み明けに、もう一つ変化があった。
営業所に出入りする運送会社の担当者が交代した。松山さんに代わり、秋田君がこの地区の配達をすることになったという。
「この地区って大変なんですよね。範囲はともかく、荷物が多くて」
倉庫の鍵を開けるため付き添った私に、秋田君がぼやく。
「あ、今のは内緒にしておいてください。ウチの所長、ただでさえ一人抜ける穴埋めに頭抱えて、イラついてますから。文句言ったなんてバレたらお目玉食らっちゃいます」
私は複雑な気持ちだった。
松山さんが運送会社をやめる。秋田君にルートを引き継いだので、今は別の地区を手伝っているらしい。
あの夜、川べりで話したとおり、彼は釧路に住む郷田先生のところへ引っ越すと決めたのだ。
「えらく遠くに行くんですねって言ったら、遠いほうがいいんだなんて……意味わかんないッす」
秋田君が立ち去ったあと、私はい足取りで事務所への階段を上った。
本当に、行ってしまうのだ。
あれから電話もメールも無いし、私からも連絡はしない。
これはけじめだから。約束したわけではないが、松山さんも私もルールを守る。もう会わないし、声を聞くこともないと。
――遠いほうがいいんだ。
階段の途中で、思わず振り返った。
秋田君のトラックが、ちょうど交差点を曲がるところだった。すうっと消えるように、見えなくなった。
手の甲で瞼を拭い、前を向いた。
私にはたくさんの仕事と責任が待っている。もう、甘えていられないのだ。
午後9時。
データの移動作業が完了し、本日分の仕事も片付け、私はようやく退社した。
駅までの道をとぼとぼ歩いていると、後ろから声を掛けられた。
私は耳を疑った。
この声は、今日一日自分を悩ませ、疲れさせた、その当人のものである。
「星野さん!」
もう一度呼ばれてから、ゆっくりと後ろに目を向けた。彼女は頭にスカーフを巻き、大きなサングラスで顔を隠している。
「……小橋さん」
彼女はビルの陰に身を潜めていたが、私にささっと近寄ると、腕を引っ張った。
「あっ、小橋さん?」
「シイッ」
いつも派手な彼女なのに、頭のてっぺんから爪先まで灰色のコーディネートだ。背中を丸めた姿は、外国の童話に出てくる悪い魔女を思わせる。
得体の知れない不安に捉われるが、強い力に抵抗できず、私は連れ去られた。
辿り着いた場所は暗黒の森ではなく、駅裏にある一軒の喫茶店だった。
しかも、以前訪れたことのある店。私はここで、吉野さんと向き合ったことがある。そう、あの時彼女に訊かれたのだ。星野さんは松山さんを本当に好きなのかと。
そしてまた、小橋さんが松山さんを好きなことを初めて知った。
小橋さんはきょろきょろと辺りを見回してから、スカーフとサングラスを外した。
「皆、怒ってたでしょ」
普段の小橋さんからは考えられない気弱な声だった。こちらの反応を恐れる態度も、らしくない。
注文したあと、彼女はテーブルにもたれるようにした。
「何だかもう、疲れちゃって」
ため息をついて、私を窺う。
「私がやめることで一番迷惑を被るのは、営業担当者を除けば多分、あなただわ。吉野さんは秋に退職するし、まだ気が楽だろうけど」
確かにその通り。私はいきなり事務職のリーダーになってしまうのだ。
だけど、迷惑という言葉はストレートすぎて口に出しかねる。
「だから、星野さんにだけは本当のことを話しておきたいの。あなたは怒るかもしれないけど、このままじゃモヤモヤしちゃって、落ち着かないから」
本当のことと言うのは、会社をやめた『本当の理由』だろう。怒るかもしれないという前置きは気になるが、とにかく聞いてみたいと思った。
「私ね、吉野さんが結婚して会社をやめるって聞いた時、すっごくショックだったの」
「ショック?」
「だって、今度は私が最年長のリーダーになるわけでしょ。今まで漠然と吉野さんの次は私だよねって考えてたけど、いざ現実にそういう状況になってみたら、ぞっとした。絶対に嫌だって、拒絶反応が起きたのよ」
「ああ……」
そのショックはよく分かる。私自身、今朝体感したばかりだ。
だけど、今の言い分はかなり身勝手な気がする。
ホットミルクが運ばれてきた。
「今日は何だか甘いものが欲しい気分」
小橋さんは独り言のように呟くと、グラニュー糖をひとさじ入れて、スプーンでぐるぐる掻き混ぜながら話を続けた。
「だから、自分も会社をやめたい。それも、結婚してやめたいって、焦躁感に駆られたの」
私は黙って、温かいコーヒーを含む。
解らないこともない。私だって、そんな時があった。焦燥感に駆られて、何か新しいことを始めたくて、絵画教室に通い始めたのだ。
「でも、焦るとろくなことないわね。早速付き合ってる男に結婚を迫ったら、あっという間に逃げられてさ。まずそこで大きくつまずいたわけ。それからはもうヤケクソで、誰でもいいから結婚! みたいな感じになっちゃって、なりふり構わず婚活スタートよ」
「そうだったんですか……」
小橋さんがそんな心情だったとは、全く気付かずにいた。彼女はいつも強気で、積極的で、自信に溢れている。わが道を行く女性に見えたから。
「そんな時、星野さんがあの人と親密そうにしているところを見たの」
小橋さんがテーブル越しに顔を近付ける。あの人という言葉に、私はドキッとする。
それは、もちろん松山さんのことだ。トラックの脇で私と彼が話すのを、小橋さんは見ていた。そして『親密』だと誤解したのだ。
「私は焦ったわ。星野さんが先に松山さんと結婚して、会社をやめてしまうんじゃないかって」
「そんな……」
いくらなんでも飛躍しすぎだ。私の表情を見て、彼女は苦笑する。
「あの時は本当にどうかしてた。松山さんの婚約者のことなんか度外視して、とにかく彼とあなたを引き離そうとしたの。だからあんな嘘をついた」
小橋さんはそこで唇を噛む。あんな嘘、それは松山さんは女癖が悪いという、嘘の噂話だ。
「本当に、どうかしていたわ」
彼女は俯き、頭を抱えた。深く後悔する姿に、私はもう何も言えなかった。
久しぶりに出勤すると、妙な空気が事務所に漂っている。ミーティングに集まった皆が固まり、何か話している。
「おはようございます。何かあったんですか?」
私が顔を出すと、輪の中心にいる吉野さんが眉間にしわを寄せた。
「小橋さんが、やめちゃったのよ」
「え……」
事情を呑み込めない私に、男性社員が解説する。
「一身上の都合により、退職しますってさ。一応届けは出したらしいけど、まさか引継ぎもせず急にやめるとは。まったく、あのヒトらしいって言うか」
彼は小橋さんがサポートする営業担当者で、日頃から彼女の仕事振りについて愚痴っていた。
「引継ぎしてきれいにやめてくれるなら、こっちは願ったりなんだ」
突き放した言い方だが、そこのところは私も気になる。
「それでその、小橋さんのあとは誰が……」
吉野さんが立ち上がり、いきなり私の肩を掴んだ。
「私とあなたよ。当分、二人でカバーするしかないわ」
すぐに求人したって間に合わない。聞くまでもないことだった。
「小橋さんのことは、お盆休み前に相談されてたの。所長と一緒に説得したけど、結局駄目だった。私の力不足で……」
責任感の強い吉野さんらしい言葉である。
「私は10月に退職するから、それまでに新しい人を雇って、仕事を覚えてもらって、軌道に乗せるしかないわ」
肝心なことを忘れていた。
吉野さんはこの秋結婚し、退職することが決まっている。ということは、つまり――
「私がいなくなったあと、営業所の事務リーダーはあなたよ、星野さん」
さあ~っと血の気が引き、手足が冷たくなるのを感じる。
私がリーダー。こんな頼りないリーダーって、あるだろうか。
「まあとにかく、皆でフォローしようや。それしかないだろ」
最年長の男性社員が手を打つと、それぞれミーティングの席に着いた。私もいつもの席におさまるが、責任の重さに押しつぶされそうだった。
私はこれまで先輩社員を頼り切っていた。どれほど甘い考えだったのか思い知らされる。
(秀一さん……どうしよう)
なぜか彼の名前を胸で呼び、慌てて頭を振る。
仕事、仕事。
やるしかない。
先のことなど考えず、今できることから始めるのだ。小橋さんの残したデータを、自分のパソコンに移動する作業から取り掛かった。
休み明けに、もう一つ変化があった。
営業所に出入りする運送会社の担当者が交代した。松山さんに代わり、秋田君がこの地区の配達をすることになったという。
「この地区って大変なんですよね。範囲はともかく、荷物が多くて」
倉庫の鍵を開けるため付き添った私に、秋田君がぼやく。
「あ、今のは内緒にしておいてください。ウチの所長、ただでさえ一人抜ける穴埋めに頭抱えて、イラついてますから。文句言ったなんてバレたらお目玉食らっちゃいます」
私は複雑な気持ちだった。
松山さんが運送会社をやめる。秋田君にルートを引き継いだので、今は別の地区を手伝っているらしい。
あの夜、川べりで話したとおり、彼は釧路に住む郷田先生のところへ引っ越すと決めたのだ。
「えらく遠くに行くんですねって言ったら、遠いほうがいいんだなんて……意味わかんないッす」
秋田君が立ち去ったあと、私はい足取りで事務所への階段を上った。
本当に、行ってしまうのだ。
あれから電話もメールも無いし、私からも連絡はしない。
これはけじめだから。約束したわけではないが、松山さんも私もルールを守る。もう会わないし、声を聞くこともないと。
――遠いほうがいいんだ。
階段の途中で、思わず振り返った。
秋田君のトラックが、ちょうど交差点を曲がるところだった。すうっと消えるように、見えなくなった。
手の甲で瞼を拭い、前を向いた。
私にはたくさんの仕事と責任が待っている。もう、甘えていられないのだ。
午後9時。
データの移動作業が完了し、本日分の仕事も片付け、私はようやく退社した。
駅までの道をとぼとぼ歩いていると、後ろから声を掛けられた。
私は耳を疑った。
この声は、今日一日自分を悩ませ、疲れさせた、その当人のものである。
「星野さん!」
もう一度呼ばれてから、ゆっくりと後ろに目を向けた。彼女は頭にスカーフを巻き、大きなサングラスで顔を隠している。
「……小橋さん」
彼女はビルの陰に身を潜めていたが、私にささっと近寄ると、腕を引っ張った。
「あっ、小橋さん?」
「シイッ」
いつも派手な彼女なのに、頭のてっぺんから爪先まで灰色のコーディネートだ。背中を丸めた姿は、外国の童話に出てくる悪い魔女を思わせる。
得体の知れない不安に捉われるが、強い力に抵抗できず、私は連れ去られた。
辿り着いた場所は暗黒の森ではなく、駅裏にある一軒の喫茶店だった。
しかも、以前訪れたことのある店。私はここで、吉野さんと向き合ったことがある。そう、あの時彼女に訊かれたのだ。星野さんは松山さんを本当に好きなのかと。
そしてまた、小橋さんが松山さんを好きなことを初めて知った。
小橋さんはきょろきょろと辺りを見回してから、スカーフとサングラスを外した。
「皆、怒ってたでしょ」
普段の小橋さんからは考えられない気弱な声だった。こちらの反応を恐れる態度も、らしくない。
注文したあと、彼女はテーブルにもたれるようにした。
「何だかもう、疲れちゃって」
ため息をついて、私を窺う。
「私がやめることで一番迷惑を被るのは、営業担当者を除けば多分、あなただわ。吉野さんは秋に退職するし、まだ気が楽だろうけど」
確かにその通り。私はいきなり事務職のリーダーになってしまうのだ。
だけど、迷惑という言葉はストレートすぎて口に出しかねる。
「だから、星野さんにだけは本当のことを話しておきたいの。あなたは怒るかもしれないけど、このままじゃモヤモヤしちゃって、落ち着かないから」
本当のことと言うのは、会社をやめた『本当の理由』だろう。怒るかもしれないという前置きは気になるが、とにかく聞いてみたいと思った。
「私ね、吉野さんが結婚して会社をやめるって聞いた時、すっごくショックだったの」
「ショック?」
「だって、今度は私が最年長のリーダーになるわけでしょ。今まで漠然と吉野さんの次は私だよねって考えてたけど、いざ現実にそういう状況になってみたら、ぞっとした。絶対に嫌だって、拒絶反応が起きたのよ」
「ああ……」
そのショックはよく分かる。私自身、今朝体感したばかりだ。
だけど、今の言い分はかなり身勝手な気がする。
ホットミルクが運ばれてきた。
「今日は何だか甘いものが欲しい気分」
小橋さんは独り言のように呟くと、グラニュー糖をひとさじ入れて、スプーンでぐるぐる掻き混ぜながら話を続けた。
「だから、自分も会社をやめたい。それも、結婚してやめたいって、焦躁感に駆られたの」
私は黙って、温かいコーヒーを含む。
解らないこともない。私だって、そんな時があった。焦燥感に駆られて、何か新しいことを始めたくて、絵画教室に通い始めたのだ。
「でも、焦るとろくなことないわね。早速付き合ってる男に結婚を迫ったら、あっという間に逃げられてさ。まずそこで大きくつまずいたわけ。それからはもうヤケクソで、誰でもいいから結婚! みたいな感じになっちゃって、なりふり構わず婚活スタートよ」
「そうだったんですか……」
小橋さんがそんな心情だったとは、全く気付かずにいた。彼女はいつも強気で、積極的で、自信に溢れている。わが道を行く女性に見えたから。
「そんな時、星野さんがあの人と親密そうにしているところを見たの」
小橋さんがテーブル越しに顔を近付ける。あの人という言葉に、私はドキッとする。
それは、もちろん松山さんのことだ。トラックの脇で私と彼が話すのを、小橋さんは見ていた。そして『親密』だと誤解したのだ。
「私は焦ったわ。星野さんが先に松山さんと結婚して、会社をやめてしまうんじゃないかって」
「そんな……」
いくらなんでも飛躍しすぎだ。私の表情を見て、彼女は苦笑する。
「あの時は本当にどうかしてた。松山さんの婚約者のことなんか度外視して、とにかく彼とあなたを引き離そうとしたの。だからあんな嘘をついた」
小橋さんはそこで唇を噛む。あんな嘘、それは松山さんは女癖が悪いという、嘘の噂話だ。
「本当に、どうかしていたわ」
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