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素描
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竹宮さんは絵筆に会計済みのシールを貼ってくた。そして、そわそわと落ち着きをなくしている。私の動揺に気付き、困っているのだ。
隣にいる女性に肘で突かれている。どうやらこの女性は、竹宮さんの奥様のようである。
「余計なこと、言ったんでしょ」
小言が聞こえ、私はもじもじとして俯いた。竹宮さんは何も知らずに楽しく話をしてくれただけなのだ。私はすまなく思い、二人に少しだけ理由を話した。
「あの、違うんです。ただ、私はそんな……熱心な生徒じゃないので、恐縮しちゃって」
竹宮夫妻はそれを聞くと顔を見合わせ、安心した様子になった。私も、ほっとした。
「また来てくださいね~」
竹宮さんが遠慮がちに手を振り、見送ってくれた。奥さんは店の外まで付いてきてくれた。
「本当にごめんなさいね。あの人、少しお喋りなのよ。調子が良くてねえ」
「とんでもないです。とても明るい方で、島先生のことも教えてくださって、ありがたいです」
本当にそう思っていた。私はまた、誤解をするところだった。
「でも、ねえ、星野さん……でしたわよね」
奥さんは、俯き加減の私を下から覗き込むようにした。
「はい」
「島君のことは、私も知ってるの。学生時代に時々、主人と三人で会ってたから」
「はあ」
奥さんはなぜか人目をはばかるようにきょろきょろして、私を引き寄せた。そして、内緒話するみたいに、ひそひそ声になる。
「島君ってね、本当に、絵に取り憑かれてるみたいな人だったの。絵を描く以外には全然無頓着で、着る者や食べるものも、どうやってたのか分からない。お風呂だって何日も入らないのか、常に異臭を放っていて、まるでボロ雑巾が歩いてるみたいな、とんでもなく不潔な変人だったのよ」
「……」
想像するのに、少し時間を要した。
あの島先生が、不潔な変人――
返事もできない私に、奥さんは構わず続けた。
「もちろん、女の子なんて寄り付かないし、本人もねえ……卒業してから社会に出て、スクールを始めてからは人間らしくなったけど、相変わらずの野暮天で……あら失礼、これは主人が言ったことだけど。うふふっ」
私は話の内容に耳を傾けつつも、奥さんとご主人の話し方が似ているのに心を和ませた。
「それが、初めて若い女性の話をしたじゃない。あなたの話を、しかも嬉しそうに。私も主人も驚いてね、特に主人は盛り上がってしまって。今あなたが店先に現れた時、島の話すとおりの女性だから、あの子に違いないって。だから余計なお喋りを聞かせてしまったみたいで、本当にごめんなさい」
深々と頭を下げる奥さんに、私はまたしても恐縮した。
全く気にしていないことを、しどろもどろで伝えるのが精一杯。逃げるようにその場を離れた。
息が乱れ、動悸が激しくなっている。
先生が私を熱心な生徒だと言い、喜んでいた。それは確かのようで、私は不純な気持ちを心から反省した。でも、先生が女性の話を初めてしたというのは、どういうことなんだろう。確か、ご主人もそう言っていた。しかも嬉しそうにっていうのは、つまり、やっぱりそれは……
私はますます混乱した。
雨音が賑やかなアーケード街を歩きながら、同じように賑やかになっている頭の中を整理した。
とにかく、今自分にできること、やるべきことは一つだ。教室に戻り、純粋な心で一から出直し、そこから再出発すること。
先生をガッカリさせたのは事実なんだから、とにかくそれを教室に通い続けることで詫びよう。
まだドキドキする胸を押さえながら、私はあの夜以来、久しぶりにビルの下に立った。絵画教室の窓を仰ぎ見ると、明るい光が漏れていた。
「大丈夫」
自分に言い聞かせ、勇気をもって、階段を上がった。
SHIMAアートスクールのドアの前で、私はどうにかなりそうに緊張している。このドアを開けて一歩踏み出せば、そこに先生がいる。
告白前よりも上がっていると思い、私はつくづく嫌になった。自分の何もかもに。
ここまで来て、往生際悪くもたついている意気地の無さ。自分で自分をやめたくなってしまう。手を掛けている取っ手を引くだけではないか。階段を上がるだけで、勇気を使い切ってしまったのか。
「何やってんの」
背中をぽんと叩かれた。私は心臓が止まりそうになり、声にならない悲鳴をあげた。振り返ると、達川さんと市田さんが後ろに並び、ドアの前でブツブツ言う私を不思議そうに見上げていた。
「あ……こ、こんばんは」
やっと挨拶できた私に市田さんは頷くと、手にしている傘の雫を払った。
そして、興味津々の視線を寄越してくる。
「久しぶりだネエ~。珍しいじゃないの、三回もお休みするなんて。忙しかったの?」
「ええ。ちょっと、その、仕事が……」
舌がうまく回らず、声も上ずってしまう。
「どうしたのよ。何かあったの?」
追及してくる市田さんを、達川さんがなだめた。
「まあ、いいじゃないの。よかったよ。やめたかと思っちゃった。若い人はあんまり続かないからねえ」
それを聞くと、市田さんも「まあ、そりゃあそうだけど」と、とりあえず質問をおさめてくれた。
冷や汗が滲んだけれど、久しぶりに教室の先輩達に会い、声を掛けてもらい、私は何となく安心した。 二人の鷹揚な態度が、ありがたいと思った。
「とにかく入りましょうよ、星野さん」
「え、はい」
達川さんは言いながら、突っ立ったままでいる私の横から手を伸ばし、ドアの取っ手を引いた。その迷いのない動きに、私は息が止まりそうになる。
「先生も心配してたよ。星野さん、どうしたのかなあって」
小さな声で言うと、皆が入りやすいように、ドアを大きく開けてくれた。
(先生が、心配を?)
今の言葉に戸惑っている私を置いて、二人は教室に入って行った。
「こんばんは、先生」
「先生、よろしくお願いしま~す」
二人の挨拶に続いて、声が聞こえた。
「こんばんは。雨の中大変でしたね。今日も頑張りましょうね」
懐かしく、温かな、低い声。
先生がいる……すぐそこに!
私は開いたドアを支えたまま、ピクリとも動けない。早く、普通に入り、挨拶すれば良い。頭では分かっているのに。
「今夜は久しぶりの人が来たよ」
達川さんが立ち竦む私を振り返ると「ふふっ」と笑い、先生に教えた。
「えっ?」
先生の少し大きな声での反応があり、それからすぐ、入り口の前に立ち塞がるようにして現れた。
「あ……」
目を見開き、驚いた表情になった。
私は言葉が出ず、その表情が曇ることを怖れ、瞬きもせず、身じろぎもできない。
だが先生は、そのままいつもどおりの笑顔になると私に近付き、私を教室に入れてから、取っ手を掴んでドアを閉めた。
先生が側にいる。いつもの笑顔で、いつもの作業着で。油絵の具の匂いがする。先生の匂いだ。
「雨が冷たかったでしょう。よく、来てくれました」
私は泣きそうな気持ちを堪え、頭を下げた。
「すみません。休んでしまって……私」
生徒の皆が、絵を描く準備を始めている。ひと月前と変わらない、いつもと同じ教室の匂い。いつもと同じ教室の風景。
「私、これからも頑張ります」
顔を上げ、目を逸らさずに言えた。
「うん、頑張ろう。頑張ろうな」
まっすぐに見返した先生の瞳に、私が映っている。私は戻って来た。戻って来れたのだ。
教室に入り、窓際の席につくと、画材をバッグから取り出して準備を始めた。
ふと、バッグのポケットに入れておいた、竹宮堂のシールが貼られた面相筆に目を留める。竹宮夫妻の声が聞こえてきた。
島先生が、私のことを嬉しそうに話したと……
私はぶんぶんと頭を振ると、ポケットから筆を取り出してテープをはがす。水彩用の道具箱に、きちんとおさめた。
「無心で、頑張ろう」
いつもと同じ教室。でも、新しい私になって、スケッチブックを広げた。
隣にいる女性に肘で突かれている。どうやらこの女性は、竹宮さんの奥様のようである。
「余計なこと、言ったんでしょ」
小言が聞こえ、私はもじもじとして俯いた。竹宮さんは何も知らずに楽しく話をしてくれただけなのだ。私はすまなく思い、二人に少しだけ理由を話した。
「あの、違うんです。ただ、私はそんな……熱心な生徒じゃないので、恐縮しちゃって」
竹宮夫妻はそれを聞くと顔を見合わせ、安心した様子になった。私も、ほっとした。
「また来てくださいね~」
竹宮さんが遠慮がちに手を振り、見送ってくれた。奥さんは店の外まで付いてきてくれた。
「本当にごめんなさいね。あの人、少しお喋りなのよ。調子が良くてねえ」
「とんでもないです。とても明るい方で、島先生のことも教えてくださって、ありがたいです」
本当にそう思っていた。私はまた、誤解をするところだった。
「でも、ねえ、星野さん……でしたわよね」
奥さんは、俯き加減の私を下から覗き込むようにした。
「はい」
「島君のことは、私も知ってるの。学生時代に時々、主人と三人で会ってたから」
「はあ」
奥さんはなぜか人目をはばかるようにきょろきょろして、私を引き寄せた。そして、内緒話するみたいに、ひそひそ声になる。
「島君ってね、本当に、絵に取り憑かれてるみたいな人だったの。絵を描く以外には全然無頓着で、着る者や食べるものも、どうやってたのか分からない。お風呂だって何日も入らないのか、常に異臭を放っていて、まるでボロ雑巾が歩いてるみたいな、とんでもなく不潔な変人だったのよ」
「……」
想像するのに、少し時間を要した。
あの島先生が、不潔な変人――
返事もできない私に、奥さんは構わず続けた。
「もちろん、女の子なんて寄り付かないし、本人もねえ……卒業してから社会に出て、スクールを始めてからは人間らしくなったけど、相変わらずの野暮天で……あら失礼、これは主人が言ったことだけど。うふふっ」
私は話の内容に耳を傾けつつも、奥さんとご主人の話し方が似ているのに心を和ませた。
「それが、初めて若い女性の話をしたじゃない。あなたの話を、しかも嬉しそうに。私も主人も驚いてね、特に主人は盛り上がってしまって。今あなたが店先に現れた時、島の話すとおりの女性だから、あの子に違いないって。だから余計なお喋りを聞かせてしまったみたいで、本当にごめんなさい」
深々と頭を下げる奥さんに、私はまたしても恐縮した。
全く気にしていないことを、しどろもどろで伝えるのが精一杯。逃げるようにその場を離れた。
息が乱れ、動悸が激しくなっている。
先生が私を熱心な生徒だと言い、喜んでいた。それは確かのようで、私は不純な気持ちを心から反省した。でも、先生が女性の話を初めてしたというのは、どういうことなんだろう。確か、ご主人もそう言っていた。しかも嬉しそうにっていうのは、つまり、やっぱりそれは……
私はますます混乱した。
雨音が賑やかなアーケード街を歩きながら、同じように賑やかになっている頭の中を整理した。
とにかく、今自分にできること、やるべきことは一つだ。教室に戻り、純粋な心で一から出直し、そこから再出発すること。
先生をガッカリさせたのは事実なんだから、とにかくそれを教室に通い続けることで詫びよう。
まだドキドキする胸を押さえながら、私はあの夜以来、久しぶりにビルの下に立った。絵画教室の窓を仰ぎ見ると、明るい光が漏れていた。
「大丈夫」
自分に言い聞かせ、勇気をもって、階段を上がった。
SHIMAアートスクールのドアの前で、私はどうにかなりそうに緊張している。このドアを開けて一歩踏み出せば、そこに先生がいる。
告白前よりも上がっていると思い、私はつくづく嫌になった。自分の何もかもに。
ここまで来て、往生際悪くもたついている意気地の無さ。自分で自分をやめたくなってしまう。手を掛けている取っ手を引くだけではないか。階段を上がるだけで、勇気を使い切ってしまったのか。
「何やってんの」
背中をぽんと叩かれた。私は心臓が止まりそうになり、声にならない悲鳴をあげた。振り返ると、達川さんと市田さんが後ろに並び、ドアの前でブツブツ言う私を不思議そうに見上げていた。
「あ……こ、こんばんは」
やっと挨拶できた私に市田さんは頷くと、手にしている傘の雫を払った。
そして、興味津々の視線を寄越してくる。
「久しぶりだネエ~。珍しいじゃないの、三回もお休みするなんて。忙しかったの?」
「ええ。ちょっと、その、仕事が……」
舌がうまく回らず、声も上ずってしまう。
「どうしたのよ。何かあったの?」
追及してくる市田さんを、達川さんがなだめた。
「まあ、いいじゃないの。よかったよ。やめたかと思っちゃった。若い人はあんまり続かないからねえ」
それを聞くと、市田さんも「まあ、そりゃあそうだけど」と、とりあえず質問をおさめてくれた。
冷や汗が滲んだけれど、久しぶりに教室の先輩達に会い、声を掛けてもらい、私は何となく安心した。 二人の鷹揚な態度が、ありがたいと思った。
「とにかく入りましょうよ、星野さん」
「え、はい」
達川さんは言いながら、突っ立ったままでいる私の横から手を伸ばし、ドアの取っ手を引いた。その迷いのない動きに、私は息が止まりそうになる。
「先生も心配してたよ。星野さん、どうしたのかなあって」
小さな声で言うと、皆が入りやすいように、ドアを大きく開けてくれた。
(先生が、心配を?)
今の言葉に戸惑っている私を置いて、二人は教室に入って行った。
「こんばんは、先生」
「先生、よろしくお願いしま~す」
二人の挨拶に続いて、声が聞こえた。
「こんばんは。雨の中大変でしたね。今日も頑張りましょうね」
懐かしく、温かな、低い声。
先生がいる……すぐそこに!
私は開いたドアを支えたまま、ピクリとも動けない。早く、普通に入り、挨拶すれば良い。頭では分かっているのに。
「今夜は久しぶりの人が来たよ」
達川さんが立ち竦む私を振り返ると「ふふっ」と笑い、先生に教えた。
「えっ?」
先生の少し大きな声での反応があり、それからすぐ、入り口の前に立ち塞がるようにして現れた。
「あ……」
目を見開き、驚いた表情になった。
私は言葉が出ず、その表情が曇ることを怖れ、瞬きもせず、身じろぎもできない。
だが先生は、そのままいつもどおりの笑顔になると私に近付き、私を教室に入れてから、取っ手を掴んでドアを閉めた。
先生が側にいる。いつもの笑顔で、いつもの作業着で。油絵の具の匂いがする。先生の匂いだ。
「雨が冷たかったでしょう。よく、来てくれました」
私は泣きそうな気持ちを堪え、頭を下げた。
「すみません。休んでしまって……私」
生徒の皆が、絵を描く準備を始めている。ひと月前と変わらない、いつもと同じ教室の匂い。いつもと同じ教室の風景。
「私、これからも頑張ります」
顔を上げ、目を逸らさずに言えた。
「うん、頑張ろう。頑張ろうな」
まっすぐに見返した先生の瞳に、私が映っている。私は戻って来た。戻って来れたのだ。
教室に入り、窓際の席につくと、画材をバッグから取り出して準備を始めた。
ふと、バッグのポケットに入れておいた、竹宮堂のシールが貼られた面相筆に目を留める。竹宮夫妻の声が聞こえてきた。
島先生が、私のことを嬉しそうに話したと……
私はぶんぶんと頭を振ると、ポケットから筆を取り出してテープをはがす。水彩用の道具箱に、きちんとおさめた。
「無心で、頑張ろう」
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