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番外編
東野君のほしいもの<後>
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「ねえ、東野君」
「ん?」
パスタの皿を店員が下げ、フルーツピザなるものを運んできた頃、混み合っていた店内が段々と落ち着き静かになった。
佐奈が周囲を見回しながら言った。
「なんだか、カップルだけになってきたね」
コーヒーの香りをききながら、俺もさり気なく見回す。
なるほど、ちらほらと存在したはずの家族連れなどの組み合わせは皆無になり、すべての席が、男女の二人連れで埋まっている。
「えらくカップルに人気なんだな」
日も暮れてきて、気が付けばライトも抑えられている。この演出は、恋人向きかもしれない。
「そろそろ出るか」
「う、うん」
大人っぽすぎるムードに、佐奈は居心地悪くしていたようだ。
いつもと違う静かな場所の店を選んだのは他でもない佐奈だが、いざとなって恥ずかしくなったのかもしれない。
(かわいいやつ)
背伸びしようとするところが、かえって幼い。
アパートまでの道を、手を繋いで歩くことにした。守ってやりたいと強く思うのは、こんな時だ。俺は、佐奈のこういうところに弱いらしい。
(緑が幸平に甘いのも、理解できるな)
どちらかが、相手をかわいいとか、放っておけないとか、愛おしく感じる。
精神的な強弱関係というやつだろうか。俺は弱いほうだが、気分は全然悪くない。むしろ、大満足って感じだな。
大通りから住宅街に入ると、佐奈はほんの少しもたれるようにしてきた。2月の夜気からかばうように、俺も寄り添った。人も車もほとんど通らない静かな道だ。
「あのね、今日、遼子さんとデパートに行ったの」
甘えた声で、話し始めた。無意識だろうが、俺の男を呼び覚ます、効果的な響きを持っている。
だが、それは表に出さず、冷静に対応する。
「ああ、自主練の帰りか。二人で買い物したとか言ってたな」
「そう。それでね、実はその時、東野君にプレゼントをって思ったんだけど」
「俺に?」
「うん、バレンタインの」
それは意外だった。
チョコレートのほかに、なにかつけるものなのか。
「はは……気を遣わなくてもいいよ」
「ううん、私が贈りたいって思ったから。でも、遼子さんが」
ふと言葉を途切れさせ、すがるように見上げてくる。
「なに?」
「うん。そう言ったら、何も買わなくていいって」
「……緑が?」
幸平とけんかしていたからだろうか。
いや、緑は短気で気の強い女だが、そんな八つ当たりをするようなやつじゃない。
「どういうことかな」
「……」
佐奈は何か言いたそうだが、口ごもっている。
「佐奈?」
「ううん、なにも」
睫を伏せると、ぎゅっと俺の腕につかまった。どうも、様子が変だった。
アパートに着くと、佐奈を部屋に入れた。
久しぶりの、二人きりの時間である。
俺は、佐奈をなるべく部屋に連れて来ないようにしている。
彼女を抱きたい気持ちは常にあるけれど、男の生理で好きなようにしたくない。彼女に対する、ひとつのけじめだった。
やせ我慢とも言うが……
「あれっ」
玄関を開けると、スポーツバッグが放り込んであった。
「親父かお袋かな」
内心ギクッとするものがあったが、それは収めて、とにかく寒いから上がってくれと佐奈を奥まで急かす。
スポーツバッグは部屋の隅に置いやった。
「きれいに片付いてるね」
「う、うん」
ヒーターのスイッチを入れながら、鋭いことを言う佐奈にどきっとする。今朝、念入りに掃除をしたのだ。それはもちろん、この子のために。
下心を見透かされたようでばつが悪いが、彼女はあくまでも無意識だ。
「体が冷えちゃったな。あったかい飲み物でも淹れるから」
佐奈に座るように言い、キッチンに立った。
(バレンタインの夜か)
お湯を沸かしながら、どうしても昂ってくる身体を抑え込む。男は獣なんだなと、こんな自分にいつも感じるが、どうしようもない。
だから、彼女を部屋に入れるのは慎重にしている。
はちみつと生姜のホットティーを運ぶと、ソファに並んで座った。部屋も暖まってきたし、お互い顔を見合わせ、なんとなく照れて笑った。
しばらくはクラブの話なんかをしていたが、佐奈がふと思い出したようにそれを口にした。
「東野君も、チョコレートをもらったんだよね」
「え……」
不覚にも動揺してしまい、もろに態度に表れたと思う。突然の、まさに不意打ちだった。
「そういえば、そうだな。そういうことがあったっけ」
例の二人組みのことだろうが、我ながら不器用な惚け方だった。
だが、気を取り直し、なんでもないそぶりで隅に置いたスポーツバッグを引き寄せると、例のものを取り出してみせる。
事実、なんでもないことだ。
幸平が渡されたものと同じラッピングを、やや乱暴な手つきで剥ぐと、同じチョコレートが現れ、カードも同じように入っている。
佐奈がどんな表情でいるのか分からないが、このことを言い出したということは、やっぱり気にしていたのだなと思う。穏やかな彼女だから、怒ってはいないだろう。
が――
「運動クラブの、応援サークルの、no.10のまなみさん、と、no.21の、 ほなみさん」
カードに書かれた会員番号と彼女らの名前を、おずおずと持ち出した。
これには真面目に驚いた。
カードに書かれているそのままを、正確に口にしたのだ。
嘘みたいな記憶力。
「佐奈」
「だって」
――どうして、黙ってたの?
意外にも拗ねた横顔を見ながら、確かになんでもないことだけど、きちんと言ってやらなきゃなと、反省する。いや、伝えるべきことだと。
「佐奈が、やきもち焼くからだよ」
グッと、含みかけのホットティーを詰まらせたらしい。胸を叩いて、苦しそうにむせている。
「おいおい、大丈夫か」
「ウッウッ」
背中を擦ってやると、何度も大丈夫と頷いた。一生懸命で、まるわかりで、可笑しくなって、つい吹き出してしまった。
「笑わないで」
「うっふふ……ごめん」
唇を尖らせる仕草が、可愛くて可笑しい。
でも、やっぱり佐奈も女で、しっかり俺の恋人だった。
俺のほうが何倍も好きで夢中になってると思っていたのに、こんな反応をもらえるとは、まったく今日は最高の日だ。
「あのな、佐奈」
「ごめんなさい。いいの、もう」
居心地が悪そうに目を逸らすが、逃さない。今、伝えなければいけない。
「俺が好きなのは、君だけだよ」
「……」
こんな台詞、普段は言えない。肝心な場面でしか言いたくない。君は、大切な人だから。
「東野君」
君の仕草、眼差し、何を見ても感じてしまう。
この不思議の正体は、今夜だからこそ俺にもわかる。
唇を寄せようとすると、「あっ」と、大きな声を出して、手にしていたカードを抜き取った。
「な、なに?」
あまりに素早い動きに戸惑うが、佐奈はチョコレートに添えられたカードを凝視している。
「どうしたんだ」
「別のことが書いてあるよ」
「ええ?」
よく見ると、なるほど幸平のものと同じ文面の下に別のことが書き添えられている。
「よく気が付くなあ」
真面目に感心するが、佐奈は気まずそうにしている。
「なになに……東野センパイは来年度のキャプテンですよね。クラブに協力したいので、なにかあれば、いつでも言って下さいね。応援のほかにも、差し入れとか、ほしいものとかあれば、喜んでご用意いたします……か」
随分張り切ったサークルだなと、ありがたいような、困るような、妙なものだった。
「東野君」
「ん?」
佐奈はカードを俺から取り上げると、テーブルの上に置き、その手をそのまま俺の膝に重ねた。
「えっ」
珍しく積極的な触れ合いに驚きつつ、至近距離で見つめ合う。
彼女の瞳は不安げに揺れて、潤んでいる。
「東野君のほしいもの」
「……佐奈?」
彼女は睫を伏せるが、膝に乗せた手の平は熱くなっている。
「バレンタインのプレゼントに、東野君のほしいものをって考えたの。そうしたら、遼子さんが」
住宅街の道で話したことだ。緑が、何も買わなくていいと言ったとか。
「東野君のほしいものなんて、決まってるって」
「……」
耳までまっ赤に染めている。
そうか――
俺はすべて分かった。
彼女の様子が変だったのも、忘れたと思ったチョコレートの話を持ち出したのも、彼女らの名前をきっちり覚えていたことも、全部、どうしてなのか。
俺は、そんな彼女を見守りながら、ある答えを得ていた。
俺と佐奈は、一年の間にこれほどまでに密に重なり合い、互いを知った。だけど、それは馴れ合いじゃない。馴れ合ったなら、こんなぎこちなさなんて感じない。
佐奈は俺を好きで、信じてくれている。
でも、好きだからこそ何もかもが気になって仕方がない。
穏やかで優しい彼女だけれど、こんなにも手の平は熱く、俺を求めている。
馴れ合いじゃない、緊張感があるからこそ求める気持ちが強くなる。
「不思議の正体は、恋心だ」
「えっ」
肩を抱き寄せると、そっと見上げる恋人に微笑み、キスをした。
「東野君」
「俺の欲しいもの、わかるよな」
「あ、あの……」
恋をしたから、こんなにも重なり合い、分かり合える。
でも、この胸の昂りは、好きでしょうがなくて、求める想いがあるからこそ止まらない。
腰に腕をまわし、もう遠慮しないで俺のものにする。
君の恋を、身体と心で実感する、特別な夜なんだ。
「わからなければ、教えてあげるよ」
灯りを消して、柔らかな胸に顔を埋めた。
<終>
「ん?」
パスタの皿を店員が下げ、フルーツピザなるものを運んできた頃、混み合っていた店内が段々と落ち着き静かになった。
佐奈が周囲を見回しながら言った。
「なんだか、カップルだけになってきたね」
コーヒーの香りをききながら、俺もさり気なく見回す。
なるほど、ちらほらと存在したはずの家族連れなどの組み合わせは皆無になり、すべての席が、男女の二人連れで埋まっている。
「えらくカップルに人気なんだな」
日も暮れてきて、気が付けばライトも抑えられている。この演出は、恋人向きかもしれない。
「そろそろ出るか」
「う、うん」
大人っぽすぎるムードに、佐奈は居心地悪くしていたようだ。
いつもと違う静かな場所の店を選んだのは他でもない佐奈だが、いざとなって恥ずかしくなったのかもしれない。
(かわいいやつ)
背伸びしようとするところが、かえって幼い。
アパートまでの道を、手を繋いで歩くことにした。守ってやりたいと強く思うのは、こんな時だ。俺は、佐奈のこういうところに弱いらしい。
(緑が幸平に甘いのも、理解できるな)
どちらかが、相手をかわいいとか、放っておけないとか、愛おしく感じる。
精神的な強弱関係というやつだろうか。俺は弱いほうだが、気分は全然悪くない。むしろ、大満足って感じだな。
大通りから住宅街に入ると、佐奈はほんの少しもたれるようにしてきた。2月の夜気からかばうように、俺も寄り添った。人も車もほとんど通らない静かな道だ。
「あのね、今日、遼子さんとデパートに行ったの」
甘えた声で、話し始めた。無意識だろうが、俺の男を呼び覚ます、効果的な響きを持っている。
だが、それは表に出さず、冷静に対応する。
「ああ、自主練の帰りか。二人で買い物したとか言ってたな」
「そう。それでね、実はその時、東野君にプレゼントをって思ったんだけど」
「俺に?」
「うん、バレンタインの」
それは意外だった。
チョコレートのほかに、なにかつけるものなのか。
「はは……気を遣わなくてもいいよ」
「ううん、私が贈りたいって思ったから。でも、遼子さんが」
ふと言葉を途切れさせ、すがるように見上げてくる。
「なに?」
「うん。そう言ったら、何も買わなくていいって」
「……緑が?」
幸平とけんかしていたからだろうか。
いや、緑は短気で気の強い女だが、そんな八つ当たりをするようなやつじゃない。
「どういうことかな」
「……」
佐奈は何か言いたそうだが、口ごもっている。
「佐奈?」
「ううん、なにも」
睫を伏せると、ぎゅっと俺の腕につかまった。どうも、様子が変だった。
アパートに着くと、佐奈を部屋に入れた。
久しぶりの、二人きりの時間である。
俺は、佐奈をなるべく部屋に連れて来ないようにしている。
彼女を抱きたい気持ちは常にあるけれど、男の生理で好きなようにしたくない。彼女に対する、ひとつのけじめだった。
やせ我慢とも言うが……
「あれっ」
玄関を開けると、スポーツバッグが放り込んであった。
「親父かお袋かな」
内心ギクッとするものがあったが、それは収めて、とにかく寒いから上がってくれと佐奈を奥まで急かす。
スポーツバッグは部屋の隅に置いやった。
「きれいに片付いてるね」
「う、うん」
ヒーターのスイッチを入れながら、鋭いことを言う佐奈にどきっとする。今朝、念入りに掃除をしたのだ。それはもちろん、この子のために。
下心を見透かされたようでばつが悪いが、彼女はあくまでも無意識だ。
「体が冷えちゃったな。あったかい飲み物でも淹れるから」
佐奈に座るように言い、キッチンに立った。
(バレンタインの夜か)
お湯を沸かしながら、どうしても昂ってくる身体を抑え込む。男は獣なんだなと、こんな自分にいつも感じるが、どうしようもない。
だから、彼女を部屋に入れるのは慎重にしている。
はちみつと生姜のホットティーを運ぶと、ソファに並んで座った。部屋も暖まってきたし、お互い顔を見合わせ、なんとなく照れて笑った。
しばらくはクラブの話なんかをしていたが、佐奈がふと思い出したようにそれを口にした。
「東野君も、チョコレートをもらったんだよね」
「え……」
不覚にも動揺してしまい、もろに態度に表れたと思う。突然の、まさに不意打ちだった。
「そういえば、そうだな。そういうことがあったっけ」
例の二人組みのことだろうが、我ながら不器用な惚け方だった。
だが、気を取り直し、なんでもないそぶりで隅に置いたスポーツバッグを引き寄せると、例のものを取り出してみせる。
事実、なんでもないことだ。
幸平が渡されたものと同じラッピングを、やや乱暴な手つきで剥ぐと、同じチョコレートが現れ、カードも同じように入っている。
佐奈がどんな表情でいるのか分からないが、このことを言い出したということは、やっぱり気にしていたのだなと思う。穏やかな彼女だから、怒ってはいないだろう。
が――
「運動クラブの、応援サークルの、no.10のまなみさん、と、no.21の、 ほなみさん」
カードに書かれた会員番号と彼女らの名前を、おずおずと持ち出した。
これには真面目に驚いた。
カードに書かれているそのままを、正確に口にしたのだ。
嘘みたいな記憶力。
「佐奈」
「だって」
――どうして、黙ってたの?
意外にも拗ねた横顔を見ながら、確かになんでもないことだけど、きちんと言ってやらなきゃなと、反省する。いや、伝えるべきことだと。
「佐奈が、やきもち焼くからだよ」
グッと、含みかけのホットティーを詰まらせたらしい。胸を叩いて、苦しそうにむせている。
「おいおい、大丈夫か」
「ウッウッ」
背中を擦ってやると、何度も大丈夫と頷いた。一生懸命で、まるわかりで、可笑しくなって、つい吹き出してしまった。
「笑わないで」
「うっふふ……ごめん」
唇を尖らせる仕草が、可愛くて可笑しい。
でも、やっぱり佐奈も女で、しっかり俺の恋人だった。
俺のほうが何倍も好きで夢中になってると思っていたのに、こんな反応をもらえるとは、まったく今日は最高の日だ。
「あのな、佐奈」
「ごめんなさい。いいの、もう」
居心地が悪そうに目を逸らすが、逃さない。今、伝えなければいけない。
「俺が好きなのは、君だけだよ」
「……」
こんな台詞、普段は言えない。肝心な場面でしか言いたくない。君は、大切な人だから。
「東野君」
君の仕草、眼差し、何を見ても感じてしまう。
この不思議の正体は、今夜だからこそ俺にもわかる。
唇を寄せようとすると、「あっ」と、大きな声を出して、手にしていたカードを抜き取った。
「な、なに?」
あまりに素早い動きに戸惑うが、佐奈はチョコレートに添えられたカードを凝視している。
「どうしたんだ」
「別のことが書いてあるよ」
「ええ?」
よく見ると、なるほど幸平のものと同じ文面の下に別のことが書き添えられている。
「よく気が付くなあ」
真面目に感心するが、佐奈は気まずそうにしている。
「なになに……東野センパイは来年度のキャプテンですよね。クラブに協力したいので、なにかあれば、いつでも言って下さいね。応援のほかにも、差し入れとか、ほしいものとかあれば、喜んでご用意いたします……か」
随分張り切ったサークルだなと、ありがたいような、困るような、妙なものだった。
「東野君」
「ん?」
佐奈はカードを俺から取り上げると、テーブルの上に置き、その手をそのまま俺の膝に重ねた。
「えっ」
珍しく積極的な触れ合いに驚きつつ、至近距離で見つめ合う。
彼女の瞳は不安げに揺れて、潤んでいる。
「東野君のほしいもの」
「……佐奈?」
彼女は睫を伏せるが、膝に乗せた手の平は熱くなっている。
「バレンタインのプレゼントに、東野君のほしいものをって考えたの。そうしたら、遼子さんが」
住宅街の道で話したことだ。緑が、何も買わなくていいと言ったとか。
「東野君のほしいものなんて、決まってるって」
「……」
耳までまっ赤に染めている。
そうか――
俺はすべて分かった。
彼女の様子が変だったのも、忘れたと思ったチョコレートの話を持ち出したのも、彼女らの名前をきっちり覚えていたことも、全部、どうしてなのか。
俺は、そんな彼女を見守りながら、ある答えを得ていた。
俺と佐奈は、一年の間にこれほどまでに密に重なり合い、互いを知った。だけど、それは馴れ合いじゃない。馴れ合ったなら、こんなぎこちなさなんて感じない。
佐奈は俺を好きで、信じてくれている。
でも、好きだからこそ何もかもが気になって仕方がない。
穏やかで優しい彼女だけれど、こんなにも手の平は熱く、俺を求めている。
馴れ合いじゃない、緊張感があるからこそ求める気持ちが強くなる。
「不思議の正体は、恋心だ」
「えっ」
肩を抱き寄せると、そっと見上げる恋人に微笑み、キスをした。
「東野君」
「俺の欲しいもの、わかるよな」
「あ、あの……」
恋をしたから、こんなにも重なり合い、分かり合える。
でも、この胸の昂りは、好きでしょうがなくて、求める想いがあるからこそ止まらない。
腰に腕をまわし、もう遠慮しないで俺のものにする。
君の恋を、身体と心で実感する、特別な夜なんだ。
「わからなければ、教えてあげるよ」
灯りを消して、柔らかな胸に顔を埋めた。
<終>
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