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林王の領域
260話 過去編 報告書の続き
しおりを挟む「それでセバス、お前の事だ、報告書に書いてない事があるんだろ?」
冥王は、安心した様子で天井を見上げているセバスを見ながら、報告書を読んで気になっていた事を質問した
「流石はゾル様です…私の事をよく知っておられる…確かに報告書に書いてない事があります」
セバスは冥王の質問を聞き、感心した様子で冥王を見た後、上半身を起こしてから、冥王を見ながら、報告書に書いてない事がある事を認めた
「それは何だ?」
冥王は、セバスの顔を見ながら、単刀直入に質問した
「…はぁ…ゴル様を殺した怪物が持つ特殊な能力ですよ…あれを正直に書いたとしても、誰も信じないと思いましたので、書くのを止めときました」
セバスは、信じてもらえないだろうと内心諦めながら、ゴルを殺した怪物が、特殊能力を持つ事を伝えた
「特殊な能力?…どんな能力だ?」
冥王は、セバスの話を聞き、不思議そうに質問した
「(う~ん…口で言っても信じられないでしょうし、実際に見てもらった方が良いでしょう)…説明をするには、私が持って帰ってきたゴル様の腕が必要です、馬車に積んであるので、取りに行ってきます」
セバスは、冥王に詳しく説明する為に、城の外にある馬車に向かう為に、ベットから降りた
「っ!祖父の腕があるのか!?」
「っ!ゾル様の腕があるのか!?」
冥王とグリモアは、ゾルの身体は怪物によって消滅したと聞いており、腕が残っていると聞き、驚きの表情を浮かべた
「はい…腕だけですが、残っております」
セバスは、ゴルの変形した腕を思い出し、少し言いずらそうに答えた
「では、儂が取りに行こう…セバスはまだベットで安静にしておれ」
グリモアは、セバスの話を聞き、自分が行くと伝えた後、城の外にある馬車に向かい始めた
「ああ、頼んだぞグリモア」
「グリモア殿、お願いします」
冥王とセバスは、グリモアに頼み、医務室で待つことにした
医務室を出たグリモアは、急いで城の外に行き、セバスが言っていた馬車の前に着いた
「うむ、この馬車じゃな……さて、何処に仕舞ってあるんじゃ?」
グリモアは、困った様子で馬車に積み上げられた荷物を見た
「…あの、どうか致しましたか?」
グリモアが困った様子で荷物を見ていると、グリモアの様子を見ていたルーティアが、恐る恐る声を掛けた
「ん?っ!…エルフじゃと…何故ここに?」
グリモアは、声を掛けてきたルーティアの方に振り向き、ルーティアの長い耳を見て、エルフが居ることに驚きの表情を浮かべ、何故居るのかを質問した
「えっと…私はセバス様に頼んで連れてきてもらったルーティア フォン ユグドラシルと申します」
ルーティアは、グリモアの質問に答えながら、怪しい者と思われない為に、自身の自己紹介をした
「そうか…っ!ユグドラシルじゃと!?…これは、失礼しました…エルフの王族の方とは知らず、失礼な態度を取ってしまいました…私は、ハーデス王家直属医師筆頭グリモアと申します」
グリモアは、ルーティアの話を聞き、普通に話し掛けようとしたが、ルーティアがエルフの王族だと気付き、慌てて礼儀正しく自己紹介をした
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