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林王の領域
250話 過去偏 ルーティアとルビィの勘違い
しおりを挟む「っ!もう帰られるのですか!?」
セバスの言葉を聞いたハルスは、セバスが近い内に帰国する気でいる事に気付き、驚きの表情を浮かべた
「ええ、私には、ゴル様の最後を、一刻も早くゾル様に伝える役目がありますから」
セバスは、ゴルの最後を思い出し、悔しそうにしながら、自信の役目を話した
「そうですか、分かりました…では、私からゾル様に手紙を送りたいので、少し時間を頂きたい」
ハルスは、出切れば少しの間エルフの里に残り、ゴルの死によって負ったであろう心の傷を、癒してほしいと思っていたが、セバスの悔しいそうな表情を見て、セバスのハーデス王国の家臣としての役目を果たそうとする覚悟を感じ取り、急いでゾルに宛てた手紙を書き始めた
「分かりました…私は主発の準備をしてきます」
セバスは、ハルスがゾルに宛てて手紙を書いてくれる事に感謝しながら、手紙を書いているハルスの邪魔をしないよう、帰国の準備をする為に、静かに部屋を出ていった
「セバス様!」
「セバス殿!」
静かに部屋を出たセバスが、帰国の準備をする為に廊下を歩いていると、前からルーティアとルビィが急いだ様子でセバスに声を掛けた
「おや、ルーティア様とルビィ様、私になにかご用ですか?」
セバスは、二人が何故急いでいるのか分からず、不思議そうにしながら、声をかけてきた用件を聞いた
「…あの…その…」
「ちょっと!ルーティアお姉様!…すみませんセバス殿、私達はゴル様の腕について何か分かったか聞きたかったのです」
用件を聞かれたルーティアが、何を聞けば言いか分からず、言葉を詰まらせていると、ルーティアの反応を見たルビィが、慌ててルーティアの前に移動し、セバスを見ながら、申し訳なさそうに声を掛けた理由を話した
「そうですか…(う~ん、迷いますね…ゴル様の腕については、出切れば秘密にしておきたいのですが…お二人は王族ですから、言っても良いとは思うのですが…私からではなく、ハルス様の方から言っていただいた方が良い気もしますし…どうしましょう…)」
声を掛けた理由を聞いたセバスは、ゴルを殺した怪物について分かった事を、ルーティアとルビィの二人に教えて良いのか分からず、困った様子で悩み始めた
「っ、ごめんなさい!私達が聞いちゃ駄目な事でしたね!」
ルーティアは、困った様子のセバスを見て、ゴルの腕から分かった事は、国家機密クラスの秘密で、自分達には教えられない秘密だと思い込み、セバスに無理な質問をしてしまったと思い、慌てて頭を下げながらセバスに謝罪した
「っ、そういうことね…セバス殿、ごめんなさい」
ルビィは、ルーティアが謝るのを見て、ルーティアと同じ結論にたどり着き、申し訳なさそうにセバスに謝罪した
「(あれ?何か勘違いされてますね…しかし、これはこれで困りますね…今から正直に話すと、お二人の勘違いを指摘する事になりますし…流石にエルフの王族に不敬な事は出来ません…ここは)…いえ、お気になさらないで下さい…申し訳ありませんが知りたいのであれば、お二人からハルス様にお聞きください…では、私は用がありますので、失礼させていただきます」
ルーティアとルビィに謝られたセバスは、二人が勘違いをしている事に気付き、どうすれば良いが迷ったが、指摘するのも二人に恥を掻かせる事になると思い、二人の勘違いを直す事をハルスに押し付け、素早くその場から離れていった
「…ルビィ、お父様の所に行きますよ」
「はい!」
セバスがその場から離れていった後、ルーティアとルビィは、ゴルの腕から分かった事を、ハルスに聞く為に、ハルスの下へ向かい始めた
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