異世界転生漫遊記

しょう

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林王の領域

243話 過去編 エルフの王家

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ゴルが亡くなって3日後、混乱が収まったエルフの里の城にて、ハルスと1人の女性エルフが言い合いをしていた

「…いい加減にして下さい!何時までこのままにしておくのですか!?」

「お前は何もわかっておらん!セバス殿の気持ちを考えよ!」

「セバス様の気持ちなど!知りたくもありません!」

「なんだと!?」

「自身が仕える王家の先王が殺されたのです!ならば復讐をするのが筋でしょう!なのにあの方は部屋に閉じ籠もり!自身の力の無さを嘆くだけ!そんな方の気持ちなど!知りたくもありません!」

「このっ!大馬鹿者が!!」

「お止め下さい!!」

女性のエルフが言い放った言葉に、ハルスが怒り、女性のエルフの頬を叩こうと手を上げた時、1人のエルフが部屋に入って来て、ハルスを止めた

「っ!ルーティアお姉様!」

女性のエルフは、ハルスを止めたエルフは見て、笑顔でハルスを止めたルーティアに抱きついた

「ふふふ、ルビィ、相変わらず甘えん坊ね」

ルーティアは、優しい表情で、抱きついてきたルビィの頭を優しく撫でた

「…ルーティア、何故止めた?」

ルーティアとルビィのやり取りを見ていたハルスは、ルーティアの顔を見ながら、ルビィを叩くのを止めた理由を聞いた

「…お父様、確かにルビィの言葉は礼儀に欠け、人の心を蔑ろにする物でした、ですが、ルビィの言葉も、正しいと私は思います」

ルーティアは、ルビィを撫でるのを止め、ハルスの顔を見ながら、真剣な表情で自身の考えを話した

「っ…なら聞くが、もしルビィがお前の眼の前で殺されたとしても、お前は自分を責めず、仇討ちに行けるというのか?」

ルーティアの考えを聞いたハルスは、一瞬ルーティアの気迫に押されそうになったが、直ぐに気持ちを持ち直し、ルーティアの顔を見ながら、真剣な表情で質問した

「それは…」

「どうした何を戸惑う事がある?」

ルーティアは、ハルスの質問に言葉を詰まらせてしまい、それを見ていたハルスは、ルーティアに近付きながら質問した

「っ」

「ルビィの言葉が正しいのだろう?ならお前は、自分を責めずルビィの仇討ちに行けるのだろう?」

ルーティアは、近づいてい来るハルスから逃げる様に後ろに下がり、ハルスはそんなルーティアを見ながら、責めるように質問した

「私は…」

「はぁ~、お前には失望した、もういい下がれ」

ルーティアは、ハルスの質問に答えることが出来ず、それを見たハルスは、ルーティアに近づくのを止め、失望した様子でルーティアを見下ろしながら、部屋から出ていく様に伝えた

「はい…」

ハルスに下がる様言われたルーティアは、返事をした後、悔しそうに部屋を出て行った

「ルーティアお姉様…」

ルビィは、悔しそうに部屋を出て行くルーティアを、ただ心配そうに見ている事しか出来ずにいた


「…ルビィ、お前はどうだ?もしルーティアが眼の前で殺されたら、お前は自分を責めず、仇討ちに行けるか?」

ルーティアが部屋を出て行った後、ハルスはルビィの方に身体を向け、ルビィの顔を見ながら、ルーティアに質問した同じ質問をルビィにした

「…無理です」

ルビィは、ルーティアとハルスのやり取りを思い出しなながら、悔しそうに答えた

「ならもし、先程のお前の言葉を、ルーティアの仇討ちに行けないお前が言われたら、どう思う?」

ルビィの答えを聞いたハルスは、真剣な表情で質問した

「っ…何も知らない者が、いったい何様のつもりで言っている、と考えると思います」

ルビィは、ハルスの言葉の内容を想像し、悔しさと恥ずかしさが混じった表情でハルスを見ながら答えた

「そうか…なら、私が怒った理由も分かるな?」

ルビィの答えを聞いたハルスは、真剣な表情から優しい表情に変わり、ルビィの頭を撫でながら質問した

「はい…」

ルビィは、反省した様子で答えた



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