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林王の領域
237話 過去編 セバスVS茶色い熊
しおりを挟む「セバス!ハルス!馬に謝るは後じゃ!今はこの熊に集中しろ!!ハーデン!お主は離れておれ!」
ゴルは、亡くなった馬に謝っているセバスとハルスを怒鳴り付けた後、自身の愛馬のハーデンから飛び降り、茶色い熊に向かって走り出した
「「っ!はい!」」
ゴルに怒られたセバスとハルスは、直ぐに悲しむのを止め、急いでゴルの後を追った
「っ!ガァアアアアアア!!」
茶色い熊は、自身が放った魔法を、一番素早く避けたゴルを、一番危険だと判断し、自身に向かって来るゴルに対応する為に、岩を両腕に纏わせた
「むっ!此奴も岩を纏うのか!!」
茶色い熊が両腕に岩を纏ったのを見て、ゴルは、倒した巨大なヘビを思い出し、嫌そうな表情を浮かべた
「ガァアアアアアア!!」
茶色い熊は、岩を纏った右腕を振り上げ、向かって来るゴル目掛けて、力強く振り下ろした
「早い!っ!…喰らえ!【魔拳】!」
ゴルは、茶色い熊が振り下ろした右腕のスピードに驚きながらも、慌てて横に避けた後、茶色い熊に近付きのお腹目掛けて、【魔拳】を打った
「ガァア!!」
茶色い熊は、岩を纏った左腕で、ゴルの【魔拳】をガードした
「ちっ!」
【魔拳】をガードされたゴルは、悔しそうにしながら、素早く後ろに下がった
「ガァアアア!!」
茶色い熊は、素早く岩を纏った右腕を動かし、薙ぎ払うかの様に後ろに下がったゴル目掛けて、攻撃した
「っ!【魔足】!」
ゴルは、直ぐに【魔足】を使い、空に向かって飛び、茶色い熊の攻撃を躱した
「ゴル様!この熊は!私にお任せ下さい!!」
ゴルが熊の攻撃を躱した後、ゴルに追い付いて来たセバスが、大声でゴルに頼んだ
「しかし…お主は…」
ゴルは、茶色い熊を警戒しながら、言いづらそうに横目でセバスを見た
「っ!お願いします!私に汚名を返上する機会を下さい!」
セバスは、ゴルが自身が敗北すると考えている事に気付き、ゴルを見ながら、真剣な表情で頼み込んだ
「はぁ~、仕方ないのぅ!セバス!今度は油断するでないぞ!!」
セバスの表情を見たゴルは、呆れた様子でセバスの後ろに移動し、セバスに激励を送った
「はい!もう油断しません!…さぁ、私が相手です!!」
ゴルに激励を送られたセバスは、ゴルに返事をした後、茶色い熊に向かって走り出した
「ガァァ?ガァアアアア!!」
茶色い熊は、いきなり相手が変わった事に困惑しながらも、向かって来るセバスに向かって、岩を纏った右腕叩き付けた
「それはもう見ました!…喰らいなさい!【魔脚】!」
セバスは、素早く茶色い熊の攻撃を躱し、茶色い熊に近付き、茶色い熊の足に向かって【魔脚】を放った
「っ!グッゥ!」
茶色い熊は、セバスの【魔脚】を避ける為に、慌てて後ろに飛んだ
「逃がしません!【魔脚】!…死になさい!【魔手】!」
セバスは、【魔脚】を地面に放ち、猛スピードで茶色い熊に近付き、茶色い熊の心臓付近目掛けて、右腕で【魔手】を放った
「っ!ガゥ!」
茶色い熊は、セバスの速度に驚きながらも、素早く岩を纏った左腕で心臓付近を守り、セバスの【魔手】をガードした
「っ!無意味です!【魔弾】!」
【魔手】を防がられたセバスは、少し驚きながらも、直ぐに左腕を茶色い熊に向かって伸ばし、茶色い熊の右目に向かって【魔弾】を撃った
「ッ!ガァアアアアアア!!」
右目に【魔弾】が直撃した茶色い熊は、右目を潰され、右腕で目を押さえながら叫び声を上げた
「ここです!【螺旋魔拳】!」
茶色い熊が叫び声を上げた瞬間、セバスは、チャンスだと感じ、素早く茶色い熊の心臓付近目掛けて【螺旋魔拳】を打ち込んだ
【螺旋魔拳】は、拳に纏わせた魔力を、回転させながら相手を殴る技
ボクシングのコークスクリューに似た技
「ガァァ…」
【螺旋魔拳】を喰らった茶色い熊は、苦しそうに左腕で心臓付近を押さえた
「終わりです!【魔脚】!」
苦しそうにしている茶色い熊を見たセバスは、茶色い熊の首目掛けて【魔脚】を放ち、茶色い熊の首をへし折った
「ガァ……」
首を折られた茶色い熊は、直ぐに絶命し、そのまま地面に倒れた
「ふぅー、良し!」
茶色い熊が絶命したのを確認したセバスは、深く息を吐いた後、右腕を顔の前まで運び、力強く拳を握りしめ、ガッツポーズを取った
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