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林王の領域
187話 エルフの里
しおりを挟む「おぉ~!ここがエルフの里かぁ」
ハントを慰めたセイは、ハント達に付いていき、エルフの里に着いた
「ん?あの家って…すげぇな」
エルフの里を見ていたセイは、エルフ達が住んでいる家を見て、感動していた
エルフ達の家は、生えている一本の木を、一切傷つけずに、一軒の家に加工していた
「ザッ、ファンタジーじゃん!」
セイは目を輝かせ、エルフの家を見ていた
「どうやってあんな風に作っているんだ?」
家を見ていたセイは、隣りに居るハントの方を向き質問した
「あれは、苗木を植える前から、先に伸びる方向を決めておき、時間を掛け、狙った方向に、ゆっくり曲げていくことで、五十年程掛けて作る家ですよ」
セイに質問されたハントは、まだ苗木の段階の木と、曲げている最中の木を指差して、セイに説明した
「すげぇなぁ、五十年か…長寿のエルフだから出来る方法だな」
ハントの説明を聞いたセイは、長寿特有のやり方に、感動していた
「…セイ様、私は林王様に説明をしていますので、愚息と共に少しお待ち下さい」
セイがエルフの家に感動していると、ルージュの母が、セイに話しかけた
「よろしく頼むよ、えっと」
「っ私は森の守護団副団長のルーファ ユルトです」
セイがルーファを見ながら困っていると、ルーファが理由に気づき、自己紹介をした
「そうか、ならルーファ、よろしく頼むよ」
「はっ!」
返事をしたルーファは、直ぐに林王の下へ向かった
「ハント様」
ルーファが、林王の下へ向かって直ぐ後に、1人のエルフがハントに近づき、話し掛けた
「カイロンか、何の用だ」
ハントが用件を聞くと、カイロンは、ハントに近づき耳打ちをした
「…長老達がセイ様を連れて来いと言っております」
「何!?うっぐ」
耳打ちされた内容に、ハントは声を出して驚いてしまい、直ぐに口を手で押さえた
「「「ん?」」」
周りに居たセイ達は、ハントの反応を見て、首をかしげた
「あっはっははは、何でもありません」
ハントは笑顔を浮かべ、セイ達に何事も無いように振る舞った
「来い!」
「ちょっ!」
セイ達の視線が外れると、ハントは直ぐにカイロンの腕を掴み、セイ達から離れた
「カイロン!一体どういう事だ!何故長老達がセイ様の事を知っている!」
セイから離れ、民家の裏に移動したハントは、カイロンの胸ぐらを掴み、問い詰めた
「ぐっ、ハント様、お離しください」
「ちっ!」
ハントは、カイロンの苦しそうな表情を見て、手を離した
「ゴッホ!ゴッホ!すぅ~はぁ~」
カイロンは、咳をした後、深呼吸をして呼吸を落ち着かせた
「…それで、長老達はどうやってセイ様の事を知った」
ハントは、カイロンの呼吸が落ち着くのを待ってから、もう一度話を聞いた
「…長老達は、ハント様達が里を出た後、自身の部下に、ハント様達の跡を尾行させていたみたいで…」
「成る程な、セイ様の名前を聞いた長老達の部下は、私達が里に戻るより先に、長老達に知らせに行ったのか…不味いな、なんとかしなくては」
カイロンの話しを聞いたハントは、腕を組みながら、これからの事を考え始めた
「(関わった感じからすると、セイ様は話の分かるお方だが、森を燃やし尽くし、凍りつかせた事を考えれば、気の長い方では無い)」
「(もし、長老がセイ様がを怒らせる事をした時は、この里が壊滅する程のダメージを負うことになる)」
ハントは、自身が、考えている通りになった時の事を想像し、顔色を悪くさせた
「(それだけは、なんとしても阻止しなくては!…だが、セイ様の力を考えると、私では、止めることが出来ない…)」
顔色が悪かったハントは、覚悟を決めた顔をした後、直ぐに不安な顔になった
「(…よし!いざとなったら、長老達の命で勘弁してもらえる様に、頼み込むしかないな!)…カイロン、セイ様の下へ戻るぞ!」
開き直ったハントは、カイロンに声を掛け、セイの下へ戻り始めた
「っ!はい!」
ハントが考えている間、邪魔をしない為に、静かに待っていたカイロンは、慌ててハントの跡を追った
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