異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
193 / 277
林王の領域

185話 ルージュの母

しおりを挟む


「さて、話し合いに戻ろうか」

セイは【魔威】で動けなくなっている5人を見ながら、話しかけた

「「「「「っ!ふざけるな!」」ないで!」」」

動けない5人は、顔だけを起こして、怒りの籠もった目で、セイを睨め付けた


「はぁ~…なぁ?どうして、そんなに怒ってるんだ?」

セイは、5人を見ながら、面倒くさそうに質問した

「貴様が林王様を呼び捨てにしたからだ!」

「そうよ!冥王様の配下のクセに、林王様を呼び捨てにするなど、無礼にも程があるわ!」

最初に木の裏から出て来た男が叫ぶと、直ぐに【土槍】を使った女性も叫んだ


「いや、俺は別に、冥王様の配下じゃないから」

「「「「「…えっ?」」」」」

セイが5人を見ながら言うと、5人は呆気に取られた顔で、首を傾げた

「俺の名は…「ハント!」…ん?」

セイが、名を名乗ろうとすると、槍を持った女性のエルフが、木の上から飛び降り、最初に木の裏から出て来た男を、セイから守る様に槍を構えた


「あれ?お前、ルージュか?」

セイは、降りてきたの顔を見て、ハンター都市メイトのギルドマスターのルージュだと思い、声を掛けた


「っ!誰だ貴様!何故私の娘を知っている!?」

降りてきたエルフは、セイの口から、ルージュの名前が出ると、驚き、セイを警戒しながら【魔装】を使った


「嘘だろ、ルージュの母親なのか?…そっくり過ぎない?」

セイは、ルージュに瓜二つの女性から出た、娘という言葉に、驚きを隠せずにいた


「答えろ!貴様はいったい、ルージュとはどういう関係だ!」

ルージュに瓜二つの女性は、驚いているセイの顔の前に、槍を突き付けながら質問した

「…俺の名はセイ フォン ハーデス、冥王様の子孫だ!よろしく!」

槍を突き付けられたセイは、早口で自己紹介をした

「「「「「「っ!」」」」」」

セイの名前を聞いた6人は、驚いた表情でセイを見た



「…では、貴方様がルージュの手紙にあった、ハーデス王家の生き残りですか?」

ルージュの母は、セイの突き付けている槍を下げながら質問した


「そうだ」

セイは、5人を押さえつけている【魔威】を解いた


「「「「「し、失礼しました!」」」」」

【魔威】が解かれ、動ける様になった5人は、直ぐ様、セイ前で頭を下げた


「気にするな、どうせ、燃え尽きた森と凍りついた森を調べに来たんだろ?」

「「「「「はい!」」」」」

セイの言葉に、5人は頭を上げ返事をした


「そんな時、森の中を人が歩いていたら、怪しむのは当然だ」

「ん?もしや、セイ様が森を燃やし尽くし、凍りつかせた、張本人ですか?」

セイの話の内容を聞いていたルージュの母は、疑問を感じ、セイを冷ややかな目で見ながら質問した

「あっ!」

ルージュだ母の質問に、セイは、しまったという顔を浮かべた

「セイ様…」

「あっはっはっはっはっはっはっ!」

ルージュの母のジト目に、セイは冷や汗をかきならが、誤魔化す為に笑い出した

「はぁ~もういいです」

ルージュの母は、ため息を吐き、手で頭を押さえた



「…では、セイ様は、冥王様から林王様への、言付けを預かっていると?」

その後、ルージュの母は、5人から話を聞き出し、セイの方を向き確認した

「ああ、冥王様は、ある大事な事に、林王や他の魔獣の王達の協力が、必要不可欠だと考えている」

セイは、真剣な表情で話し始めた

「その、ある大事な事とは?」

セイの真剣な表情に、ルージュの母も真剣な表情で聞き返した

「今は言えない、俺が林王本人に、直接言わなくちゃいけない事だ」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

セイとルージュの母は、2人も無言で相手を見続けた

「…はぁ~分かりました、では里に案内させていただきます」

根負けしたルージュの母は、ため息を付いた後、セイを里に案内し始めた

ルージュの母の後を、5人のエルフとセイは付いて行った






しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。 よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!! ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。 目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。 なぜか、その子が気になり世話をすることに。 神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。 邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。 PS 2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。 とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。 伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。 2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。        以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、 1章最後は戦闘を長めに書いてみました。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

処理中です...