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トーカス王国
178話 動き出す者達
しおりを挟む「これって…」
「「「「嘘…」」」」
通路を抜けたセイ達は、隠し部屋に入るなり絶句していた
隠し部屋の中には、金銀財宝や古い書物、数々の物が収められていた
「どうやって、これだけの財宝を…」
「トーカスの税だけでは、これほど集めるのは無理だな」
ヒナイトとディランは、部屋に有る金銀財宝を中央に集めながら、財宝の出所を考え始めた
ヒナイトとディランが財宝を集めいる間、ライアとサクアは、国王と5人組が関与したであろう資料を見つけ読んでいた
「はぁ、かなりの量ですね」
「仕方ありません、最低でも数百年分は有りますから」
資料を読んでいたライアが、縦積みになっている資料を見て、ため息吐いていると、隣で資料を読んでいたサクアが、資料から目を離し、ライアと同じ様に縦積みに成っている資料を見た
「「はぁ~」」
縦積みの資料を見ていた2人は、同時にため息を吐き、黙って資料を読み始めた
4人が黙々と作業をしている間、セイは離れた所で、初代トーカス国王の日記を読んでいた
「ちっ、やっぱりトーカス王家はハーデス王国と全く関係ないじゃん」
セイが読んでいる日記には、初代トーカス国王は、ある魔獣に手を借り、ヒナイト達の先祖に、自分が同じハーデス王国の貴族だったと、催眠を掛けたと書いてあった
「…それにしても、魔獣の中に催眠の魔法を使える奴が居るのか…(まさか、魔獣教の中に今も居るのか?)…不味いな、冥王様に知らせて、絶対に見つけ出してもらわないと…」
日記を読んでいたセイは、催眠の魔法を使える魔獣の存在を知り、魔獣教をかなり警戒し始めた
「ん?ちっ!厄介な!」
その後、初代トーカス国王の日記を読み進めていたセイは、日記の最後に書かれていたある文章を読み、日記を床に叩き付けた
「セイ様、どうかしたのですか?」
日記を叩き付ける音を聞いたヒナイトとサクアの2人は、音の原因が気になり、セイの下へ来た
「これは…まさか!」
サクアは、床に叩き付けられた日記を拾い、セイが読んだ最後の文書に驚きの表情を浮かべた
「この文書に、2人が驚く問題でもあるのですか?」
ヒナイトは、驚いているサクアから日記を受け取り、最後の文書を読んだが、2人が何に驚いたか分からず、考え込んでいるセイに質問した
「…それは、滅んだとされている民族に伝わっていた言葉なんだ」
ヒナイトの質問に、セイは苛立ちを抑えるよう、こめかみを手で押さえながら答えた
「では、その民族に、まだ生き残りがいると?」
「ああ!確実にな!」
セイは勢いよく立ち上がり、部屋から出て行った
苛立ち、部屋を出て行ったセイに、ヒナイトは困惑し、手に持っている日記の最後の文書を読み始めた
「…我ら終焉と共に生きる一族…全ての種族を終焉に導き見守り続ける…我ら一族の使命忘れず後世に伝えよ」
「…ヤバいですね、あの一族が未だに生きているなら、早めに手を打たねば!」
ヒナイトが、最後の文書を読み終えると、直ぐにサクアがヒナイトから日記を奪い部屋から出て行った
「終焉?共に生きる?あっ!宰相!その文の意味!教えていって下さいよ!」
文書の意味を考えていたヒナイトは、サアが出て行ったことに、サクアが出た後に気づき、慌ててサクアの跡を追った
「【聖剣聖断】!【風剣雲牙】!」
隠し部屋から出たセイは、庭まで行き、魔剣を抜き、苛立ちを消す為に、思いっきり魔法を使った
【聖剣聖断】は、何も斬ることなく、ただ斬撃が通った場所の汚れを浄化した
【風剣雲牙】は、空に放たれ、数百キロ先までの雲を、全て吹き飛ばした
「「「「「「「「「「「「っ!これは…」」」」」」」」」」」」
その日、12人の王達は、一斉に自身を殺す可能性を持つ存在に気づいた。
強者の出現にある者は笑い、ある者は嘆き、ある者は喜び、ある者は恐怖した。
この日、数千年と動く事はなかった12人の王達が、活発に動き始めた
「仕方ない、トーカスは諦めるか…だが我らの邪魔をした者は消す必要があるな」
「全ては、終焉を告げる、我らが神の為に!」
動き始めた12人の王の裏で、歴史の裏で動いていた者も動き始めた
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