177 / 275
トーカス王国
170話 戦いの裏で
しおりを挟むセイが国王の首を斬り飛ばした後、広間に居る貴族達が混乱している間に、アナベル、アティア、サーチェ、ヒサカ、デニス、ガイラ、アルフェス、アルカの8人は、混乱に生じて広間から脱出していた
「アルフェス!貴方は今すぐ、この城から誰も出れないよう、城門を閉めに行きなさい!」
広間から出て少し離れた場所に着くと、アナベルがアルフェスに指示を出した
「分かりました!ヒサカ!王妃の権限を使う!一緒に来てくれ!」
「ちょっと、お兄様!」
指示を聞いたアルフェスは、直ぐにヒサカの腕を掴み、【魔装】を使い城門に向かって走り出した
「キャ!」
「っと、すまん!おぶって行く!」
【魔装】を使えないヒサカは、アルフェスに引っ張られ、転びそうになったが、アルフェスが受け止め、おぶって城門に連れて行った
「デニス、ガイラ、アルカの3人は、広間から出て来る、人類至上主義を嫌う貴族の保護に回りなさい」
アルフェスとヒサカが、城門に向かったのを見ていたアナベルは、デニス、ガイラ、アルカの方に振り向き、広間から逃げ始めている者達の中から、真っ当な貴族の保護を命じた
「「「分かりました!」」」
デニス、ガイラ、アルカの3人は、【魔装】を使い、貴様を保護する為に、広間の方向に走り出した
「それでアナベル、私達はどうする?」
「そうね…本来なら国王の拉致が私達3人の仕事だったけど…」
「まさか、あんな簡単に国王が死ぬとは思ってもみなかったわ」
サーチェ、アナベル、アティアの3人は、国王が死んだせいで、自分達がする事が無くなり、これからどうするか考え始めた
「…仕方ないわ、人類至上主義の貴族を捕まえましょう」
「そうね、あんな連中が変に生き残ると後々面倒だもの」
「なら急ぎましょう」
少し考えた後、アナベル、アティア、サーチェの3人は、人類至上主義の貴族を捕まえる為に動き始めた
暫くして、やるべき事を終わらせたアルフェス、ヒサカ、アナベル、アティア、サーチェ、デニス、ガイラ、アルカの8人は、人類至上主義を嫌う貴族達を保護しながら、城の庭に集まっていた
「そういえば、母様達のドレスに血がついてますけど、何をしていたんですか?」
「ふふ、人類至上主義の貴族達を、地下牢に叩き込んできたの♪」
「「凄く楽しかったわ♪」」
アナベル、アティア、サーチェのドレスに、血が付いている事に気づいたアルフェスが理由を聞くと、アナベル達3人は、満面の笑みで答えた
「「「「「(怖!)」」」」」
アナベル達の満面の笑みを見たアルフェス達は、ドレスに血を付けながら笑う3人に恐怖を感じた
「…おや、ここに居たのですか」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
アナベル達が話していると、1人の男が、アナベル達のすぐ横に現れた
アナベル達は、いきなり現れた男に驚き、一斉に警戒体勢を取った
「っ!宰相!何故貴方が此処に居るの!」
「セイ様に貴方方の手伝いを命じられたからですよ」
「「「「「「「っ!」」」」」」」
警戒体勢を取ったまま、アナベルが聞くと、サクアは、警戒を解く為に、両手を軽く上げながら答えた
アナベル達は、サクアからセイの名前が出て事に驚きの表情を浮かべた
「…どういう事、何故貴方がセイ様を知っているの?」
「それは簡単な事ですよ、私が…エルフだからです」
「「「「「「「っ!嘘!宰相って、エルフだったの!」」」か!」」」」
アナベルの質問に、サクアは変装を解き、エルフ特有の耳を見せた
サクアの耳を見たアナベル達は、驚きながらサクアの耳を凝視した
「さて、これで納得しても…「「お前達無事か!」」…おや?」
アナベル達の、警戒心が解けたと感じたサクアが、話し始めると、広間から出て来たヒナイトとディランが【魔装】を使い、凄い勢いで走って来た
「貴方!」「お「父様!」」「父上!」「「ヒナイト叔父様!ディラン叔父様!」」「「ヒナイト!ディラン!」」
所々傷を負っている2人を見たアナベル達は、直ぐ様ヒナイトとディランに駆け寄った
「早く逃げるぞ!」
「急げ!ここも危ない!」
ヒナイトとディランは、駆け寄ってきたアナベル達に、慌てた様子で伝えた
「「「「「「「何を言っ……嘘でしょ…」」」」」だろ…」」
2人の慌て様に、疑問を感じたアナベル達だったが、言葉を言い切る前に、王宮が横に真っ二つに斬られたのを見て、絶句してしまった
288
お気に入りに追加
1,262
あなたにおすすめの小説
現実だと思っていたら、異世界だった件
ながれ
ファンタジー
スメラギ ヤスト 17歳 ♂
はどこにでもいる普通の高校生だった。
いつものように学校に通い、学食を食べた後に居眠りしていると、
不意に全然知らない場所で目覚めることになった。
そこで知ったのは、自分が今まで生活していた現実が、
実は現実じゃなかったという新事実!
しかし目覚めた現実世界では人間が今にも滅びそうな状況だった。
スキル「魔物作成」を使いこなし、宿敵クレインに立ち向かう。
細々としかし力強く生きている人々と、ちょっと変わった倫理観。
思春期の少年は戸惑いながらも成長していく。
チート狩り
京谷 榊
ファンタジー
世界、宇宙そのほとんどが解明されていないこの世の中で。魔術、魔法、特殊能力、人外種族、異世界その全てが詰まった広大な宇宙に、ある信念を持った謎だらけの主人公が仲間を連れて行き着く先とは…。
それは、この宇宙にある全ての謎が解き明かされるアドベンチャー物語。
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
異世界ライフの楽しみ方
呑兵衛和尚
ファンタジー
それはよくあるファンタジー小説みたいな出来事だった。
ラノベ好きの調理師である俺【水無瀬真央《ミナセ・マオ》】と、同じく友人の接骨医にしてボディビルダーの【三三矢善《サミヤ・ゼン》】は、この信じられない現実に戸惑っていた。
俺たち二人は、創造神とかいう神様に選ばれて異世界に転生することになってしまったのだが、神様が言うには、本当なら選ばれて転生するのは俺か善のどちらか一人だけだったらしい。
ちょっとした神様の手違いで、俺たち二人が同時に異世界に転生してしまった。
しかもだ、一人で転生するところが二人になったので、加護は半分ずつってどういうことだよ!!
神様との交渉の結果、それほど強くないチートスキルを俺たちは授かった。
ネットゲームで使っていた自分のキャラクターのデータを神様が読み取り、それを異世界でも使えるようにしてくれたらしい。
『オンラインゲームのアバターに変化する能力』
『どんな敵でも、そこそこなんとか勝てる能力』
アバター変更後のスキルとかも使えるので、それなりには異世界でも通用しそうではある。
ということで、俺達は神様から与えられた【魂の修練】というものを終わらせなくてはならない。
終わったら元の世界、元の時間に帰れるということだが。
それだけを告げて神様はスッと消えてしまった。
「神様、【魂の修練】って一体何?」
そう聞きたかったが、俺達の転生は開始された。
しかも一緒に落ちた相棒は、まったく別の場所に落ちてしまったらしい。
おいおい、これからどうなるんだ俺達。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
死んでないのに異世界に転生させられた
三日月コウヤ
ファンタジー
今村大河(いまむらたいが)は中学3年生になった日に神から丁寧な説明とチート能力を貰う…事はなく勝手な神の個人的な事情に巻き込まれて異世界へと行く羽目になった。しかし転生されて早々に死にかけて、与えられたスキルによっても苦労させられるのであった。
なんでも出来るスキル(確定で出来るとは言ってない)
*冒険者になるまでと本格的に冒険者活動を始めるまで、メインヒロインの登場などが結構後の方になります。それら含めて全体的にストーリーの進行速度がかなり遅いですがご了承ください。
*カクヨム、アルファポリスでも投降しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる