154 / 277
トーカス王国
147話 ハメられた理由
しおりを挟むセイとクロスは、朝早くから準備をして、王都に向けて歩き始めた。暫く道を歩いていると、クロスがセイに話を聞き始めた
「なぁ?セイさん」
「何だ?」
「王都に着いたら何をするんだ?」
「そうだな、ハンターとして生活をしつつ、王家が隠している戦力を探す」
「王家が隠している戦力って何だよ!俺は聞いたこともねぇぞ!」
「俺もヒナイトから聞いた話だが、トーカスの英雄と呼ばれた、モンズ ディカンを殺した5人組がいるらしい」
「はぁ!?なに言ってだよ!モンズ ディカンは病死だろ!」
「それが違うらしい、ヒナイトが言うには、王家がモンズの名声と人気を恐れて殺害したらしい」
「あの英雄の殺せる奴が、王家に仕えてるなんてあり得ねぇ」
「だが事実だ、ヒナイトは兄が殺される所を見ていたんだからな」
「なら、なんでディカン家は、ヒサカ様を王妃に出したんだ?普通は兄を殺した奴の所に娘を嫁がせないだろ」
「ヒサカが望んだからだろ」
「ヒサカ様が望んだ?何か目的があったのか?」
「へぇ~流石は文官だな。その通りだ、ヒサカは王家の中から、人類至上主義の考えを変えようとしていた」
「なるほどな、ヒサカ様なら、そのぐらい事を考えそうだ」
「まぁ、それは無理だと諦めて、滅ぼす事にしたんだけどな」
「そうだな、中から変えようとしても、裏では、人類至上主義を無くさない様、動く奴が必ず現れるからな」
「っ!クロスお前、本当に頭が切れるな。そんなお前が、何故簡単にハメられたんだ?」
セイは、クロスの頭の切れに驚き、何故簡単にハメられたのか、クロスに聞いた
「うっ、仕方ねぇだろ、まさかあのクソ野郎が、俺をハメるなんて、考えてもなかったんだから」
「まぁ、普通は役職が違う近衛騎士団長が、宰相直属の文官をハメるなんてことは、まずしないからな」
「そうなんだよ、普通俺をハメる人間は、同じ文官ぐらいの筈なんだよ、なのに近衛騎士団長が、いきなり俺をハメにきたから、簡単にハメられたんだよ」
「ん~もしかしたら、文官の誰かが近衛騎士団長と手を組んで、お前をハメたんじゃないか?」
「あり得ねぇ事もねぇけど、あのクソ野郎は,周りからすげぇ嫌われているんだよ、そんな奴と手を組む奴は、城に居ない思うんだけどなぁ」
「なら宰相はどうなんだ?お前恨まれるような事したんじゃないのか?」
「いや、宰相には、恨まれるどころか、文官の中で1番気に入られてたぞ」
「もしかして、それが原因で他の文官にハメられたんじゃないのか?」
「うっ、無いとは言い切れねぇな、他の文官には宰相のお気に入りって事で、嫌われてたし」
「お前、頭は切れるけど、変な所が抜けてるな」
「し、仕方ねぇだろ!貴族の裏取引なんて、平民出身の俺が分かるわけないだろ!」
「それでよく、宰相直属の文官になれたもんだな」
「それは宰相のお陰だ、あの方が新米だった俺を態々部下に迎え入れてくれたんだ」
「はぁ、絶対にそれもハメられた原因の1つだろ」
「それは無いな!」
「どうしてそう言い切れる?」
「宰相は他にも平民出身の文官を部下に迎え入れていたからだ」
「でもお前は、その中で1番のお気に入りなんだろ?」
「ああ!俺が1番の…っ!」
「はぁ、ようやく気付いたか、1番のお気に入りって事は、1番邪魔な存在でもあるんだぞ」
「っ!クソ!誰だ!誰が俺をハメた!?こんな所を歩いてなんていられねぇ、セイさん走っていくぞ!」
「あっ!おい!まだ無理だろ!おい!」
クロスは、セイの言葉を無視して、王都に向かって走り出した
「はぁ、仕方ない【魔装】!クロスおぶってやる!後ろに乗れ!」
「セイさん!ありがとう!ちょ!早い!どうなってんだ!」
セイはクロスを背負い、一気に道を走り出した
287
お気に入りに追加
1,283
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる