異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
114 / 275
冥王の領域

108話 マーサの不安とセナの考え

しおりを挟む


セイが、セナと話す為に、診察室に行くと、一致団結して子供を育てる雰囲気がしていた

「え~と、何この雰囲気」

「あら、セイ来たの?」

「えっうん、気になるからね」

「ふふ、マーサちゃんは妊娠6ヶ月よ」

「それは知ってるよ」

「「えっ!」」

「どうやって知ったの!」

「いや、関係を持った日が俺の誕生日だよ?そこから半年経ったんだから、妊娠6ヶ月でしょ」

「そうね、考えれば当たり前の事よね」

「それで、子供の性別は?」

「あっ!私も気になるわ」

「マーサ様はどうかのぅ?」

「…私も気になります」

「子供の性別は男の子でしたぞ」

「男の子なのね!凄く楽しみだわ」

「絶対、セイにそっくりな子供が産まれるね」

「セイにそっくりな子供…」

マーサは、サラに言われ、赤ん坊の頃からのセイを思い出し、子供の将来が凄く不安になった

「何か、俺にそっくりな子供を考えたのか、凄い顔色が悪くなったんだけど」

「あれ?セイって赤ん坊の頃は、大人しい子供だったよね?」

「私も、マーサちゃんから、そう聞いているわ」

「俺も、そう聞いているから、不安に思う事なんて無いはずだ」

「あの~多分ですけど、マーサさんは、セイ様やセナ様の様に、心のままに生きた時の事を、考えているんだと思います」

「「「えっ!そうなの?」」」

「はい…」

「「あっはっはははは」」

「確かに、ハーデス家の子供は、心のままに生きるからね、不安に思って当たり前だよ」

「そうじゃな、坊もルイ坊も、心のままに生きたからのぅ」

「シスター、大丈夫だよ、ハーデス家の子供なんだから、心のままに生きていけるだけの、力を持って産まれるよ」

「そうね、魔法師になれる子供なんだから、不安に思う事はないわよ」

「…力を持って産まれる…魔法師になれる子供」

マーサは、セイとセナの言葉で、より不安が大きくなり、顔色がより悪くなってしまった

「あら?逆効果だったみたいね」

「う~ん、これは何言っても、逆効果になるね」

「しばらく時間が必要ですね」

「なら、私が部屋に連れて行くよ」

「グロリア、お願いね」

「任せときな!私はこういう経験が多いから、しっかり安心させてあげるよ!」

グロリアは、マーサを支えながら、診察室を出て行った

2人が出て行ってから、セイはセナに話を、聞き始めた

「それで、母様に聞きたいことがあるんだけどさ」

「何かしら」

「まさかだけど、孫を育てたいから、俺は旅に行けって言わないよね?」

「っ、何を言ってるの?」

「いや、サーシャさんが言ってたんだけど、母様は俺の代わりに、親として子供を育てたいって言ってたんでしょ?」

「ちっ、サーシャ話したわね」

「「「セナ様?」」」

「そうよ!私は、孫を育てたいの!」

「「「えっ!」」」

「なら、俺と一緒に育てればいいことだよね」

「それだと、私が面倒を見る時間が減るじゃない!」

「はぁ、やっぱりか」

「私が、マーサちゃんと子育てするから、セイは旅を続けなさい!」

「あの~セナ様、この城で育てるなら、セナ様が育てる時間はあまりないかと」

「うっ、でも一緒に散歩にしたり、お茶を飲んだり、遊んだりはできるわ!セイがいたら、3回に1回しかできないでしょ!私は孫に愛される祖母になりたいのよ!」

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

セナの言い分に、その場にいた、セイ以外の3人は、絶句していた

「それなら俺も、息子と遊んだりしたいし、愛される父になりたい!」

「でも、セイには夢があるでしょ!その夢を諦めるのは駄目よ!」

「なんで!子供が産まれるんだから、夢は諦めるしかないでしょ!」

「駄目よ!子供が大きくなった時に、父親が自分の為に、夢を諦めたんて知ったら、子供がショックを受けるでしょ!」

「逆に子供の為に夢を諦める程、父親に愛されていると思うかもしれないでしょ!」

「セイ様!セナ様!」

「「何、マイカ!」さん!」

「はぁ、マーサさんの意見を聞いてから決めてはいかがです?」

「っ、そうね、そうしましょう」

「はぁ、その方がいいよな」

セイとセナは、無言で睨み合いながら、マーサの意見を聞く為に、診察室を出て行った


「セイ様もセナ様も、似た者親子じゃな、2人共が似た事を考えておるのぅ」

「そうなの、2人が言い合う時は、自分がやりたくない事を、相手に押し付けるか、自分がやりたい事を、相手から奪う為に言い合いになるんだよ」

「そういえば、昔から、ハーデス家の者が言い合いになる時は、決まってお主が言った通りの時じゃな」

「「はぁ、困った一族」」





しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語

京衛武百十
ファンタジー
<メイトギア>と呼ばれる人型ホームヘルパーロボット<タリアP55SI>は、旧式化したことでオーナーが最新の後継機に買い換えたため、データのすべてを新しい機体に引継ぎ、役目を終え、再資源化を迎えるだけになっていた。 なのに、彼女が次に起動した時にいたのは、まったく記憶にない中世ヨーロッパを思わせる世界だった。 要人警護にも使われるタリアP55SIは、その世界において、ありとあらゆるものを凌駕するスーパーパワーの持ち主。<魔法>と呼ばれる超常の力さえ、それが発動する前に動けて、生物には非常に強力な影響を与えるスタンすらロボットであるがゆえに効果がなく、彼女の前にはただ面倒臭いだけの大道芸に過ぎなかった。 <ロボット>というものを知らないその世界の人々は彼女を<救世主>を崇め、自分達を脅かす<魔物の王>の討伐を願うのであった。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

異世界ライフの楽しみ方

呑兵衛和尚
ファンタジー
 それはよくあるファンタジー小説みたいな出来事だった。  ラノベ好きの調理師である俺【水無瀬真央《ミナセ・マオ》】と、同じく友人の接骨医にしてボディビルダーの【三三矢善《サミヤ・ゼン》】は、この信じられない現実に戸惑っていた。  俺たち二人は、創造神とかいう神様に選ばれて異世界に転生することになってしまったのだが、神様が言うには、本当なら選ばれて転生するのは俺か善のどちらか一人だけだったらしい。  ちょっとした神様の手違いで、俺たち二人が同時に異世界に転生してしまった。  しかもだ、一人で転生するところが二人になったので、加護は半分ずつってどういうことだよ!!   神様との交渉の結果、それほど強くないチートスキルを俺たちは授かった。  ネットゲームで使っていた自分のキャラクターのデータを神様が読み取り、それを異世界でも使えるようにしてくれたらしい。 『オンラインゲームのアバターに変化する能力』 『どんな敵でも、そこそこなんとか勝てる能力』  アバター変更後のスキルとかも使えるので、それなりには異世界でも通用しそうではある。 ということで、俺達は神様から与えられた【魂の修練】というものを終わらせなくてはならない。  終わったら元の世界、元の時間に帰れるということだが。  それだけを告げて神様はスッと消えてしまった。 「神様、【魂の修練】って一体何?」  そう聞きたかったが、俺達の転生は開始された。  しかも一緒に落ちた相棒は、まったく別の場所に落ちてしまったらしい。  おいおい、これからどうなるんだ俺達。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

死んでないのに異世界に転生させられた

三日月コウヤ
ファンタジー
今村大河(いまむらたいが)は中学3年生になった日に神から丁寧な説明とチート能力を貰う…事はなく勝手な神の個人的な事情に巻き込まれて異世界へと行く羽目になった。しかし転生されて早々に死にかけて、与えられたスキルによっても苦労させられるのであった。 なんでも出来るスキル(確定で出来るとは言ってない) *冒険者になるまでと本格的に冒険者活動を始めるまで、メインヒロインの登場などが結構後の方になります。それら含めて全体的にストーリーの進行速度がかなり遅いですがご了承ください。 *カクヨム、アルファポリスでも投降しております

パーティーを追放された落ちこぼれ死霊術士だけど、五百年前に死んだ最強の女勇者(18)に憑依されて最強になった件

九葉ユーキ
ファンタジー
クラウス・アイゼンシュタイン、二十五歳、C級冒険者。滅んだとされる死霊術士の末裔だ。 勇者パーティーに「荷物持ち」として雇われていた彼は、突然パーティーを追放されてしまう。 S級モンスターがうろつく危険な場所に取り残され、途方に暮れるクラウス。 そんな彼に救いの手を差しのべたのは、五百年前の勇者親子の霊魂だった。 五百年前に不慮の死を遂げたという勇者親子の霊は、その地で自分たちの意志を継いでくれる死霊術士を待ち続けていたのだった。 魔王討伐を手伝うという条件で、クラウスは最強の女勇者リリスをその身に憑依させることになる。 S級モンスターを瞬殺できるほどの強さを手に入れたクラウスはどうなってしまうのか!? 「凄いのは俺じゃなくて、リリスなんだけどなぁ」 落ちこぼれ死霊術士と最強の美少女勇者(幽霊)のコンビが織りなす「死霊術」ファンタジー、開幕!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

外道魔法で異世界旅を〜女神の生まれ変わりを探しています〜

農民ヤズ―
ファンタジー
投稿は今回が初めてなので、内容はぐだぐだするかもしれないです。 今作は初めて小説を書くので実験的に三人称視点で書こうとしたものなので、おかしい所が多々あると思いますがお読みいただければ幸いです。 推奨:流し読みでのストーリー確認( 晶はある日車の運転中に事故にあって死んでしまった。 不慮の事故で死んでしまった晶は死後生まれ変わる機会を得るが、その為には女神の課す試練を乗り越えなければならない。だが試練は一筋縄ではいかなかった。 何度も試練をやり直し、遂には全てに試練をクリアする事ができ、生まれ変わることになった晶だが、紆余曲折を経て女神と共にそれぞれ異なる場所で異なる立場として生まれ変わりることになった。 だが生まれ変わってみれば『外道魔法』と忌避される他者の精神を操る事に特化したものしか魔法を使う事ができなかった。 生まれ変わった男は、その事を隠しながらも共に生まれ変わったはずの女神を探して無双していく

処理中です...