異世界転生漫遊記

しょう

文字の大きさ
上 下
110 / 277
冥王の領域

104話 マナーの大変さ

しおりを挟む


セイ達が、薔薇で作られた紋章について話していると、セバスが執事とメイドを連れ食事の準備にやって来た

執事達は、テラスにあったテーブルに布ををかけ、メイド達はその上に食器を準備し、全ての作業を終わらせた

「準備が出来ました、どうぞ席にお座りください」

冥王が上座に座り、セイとセナが横に座り、下座にサラ、マイカ、マーサ、サーシャの順番で座った

「料理をお持ちします」

メイド達は料理を運び、セイ達に出していった

「前菜は、グリーンポークの生ハムとトマトと玉ねぎ、きゅうり、レタスのマリネです」

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

「…まさかと思うけど、コース料理が昼ご飯なの?」

「そうじゃが、なにか問題があったか?」

「俺や母様、サーシャさんはテーブルマナーを知ってるけど、サラとシスター、マイカさんは知らないはずだよ」

「っ!そうなのですか!」

「私は元王妃だから、マナーを知っているけど、サラちゃんとマーサちゃんに、マナーを教えてないわ」

「…そういえば、教えている所を見てません」

「逆によくセイは知っているわね」

「俺は前世で覚えたから、でも同じマナーか分からないから、少し不安だね」

「そうなのか、では今回サラ達は練習と思って食べるしかないの」

「それしかないよね」

「「はぁ、可哀想に」」

セイと冥王がサラ達を見て、哀れんでいると、サラがマナーについて聞き始めた

「そんなにマナーって難しいの?」

「それが、結構大変なのよ」

「ナイフとフォークの持ち方から置き方、使い方、ナプキンの広げ方に使い方、後置き方、他にもパンの食べ方、前菜の食べ方、スープの食べ方、魚料理の食べ方、肉料理の食べ方、デザートの食べ方、最低でもこれぐらいは覚えないといけないんだよ」

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

「それに、ウエイターを呼ぶ方法や椅子に座る方法、覚えることは多いわよ」

「覚えられる?」

「…無理かも」

「私も自信がないです」

「でも、ちゃんと覚えなきゃいけないんですよね」

「そうよ、これから先いつ必要になるか分からないもの、だからしっかり覚えましょ」

「「「はい!」」」

「まあ、覚えた後も大変だしね」

「「「えっ…」」」

「セイ!なんで言っちゃうの!」

「だって事実でしょ?」

「はぁ、事実だけど、マナーを覚えてから教えようと思ってたのよ」

「覚えた後に何が大変なんですか?」

「まだ知らない方がいいわ」

「凄い気になるんですけど」

「それよりご飯を食べましょ」

「そうじゃな、料理が冷めてしまうからの」

「では、私がマナーを教えます」

「「「お願いします」」」

サラ、マイカ、マーサは、セバスからマナーを教えられながら食べていたが、少しでも間違えると、すぐに注意され、食事が終わるまでに50回以上注意された

「凄く美味しいかったわね」

「そうだね、初めて食べたお肉や野菜も出てきたし、俺は満足したよ」

「私もです、今まで使った事のある食材にも違う使い方がある事が知れてよかったです」

「…サラ達はどうだった?」

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「…全く味が分からなかった」

「「私もです」」

「あれだけ注意され続けたら、誰でもそうなるわね」

「覚えるのが多いと、聞いていましたが、あれほど細く注意されるとは思ってなかったです」

「仕方ないわよ、テーブルマナーは少しの違いで、上品にも下品にもなるんだから」

「それは、セナ様は達を見て、違いが分かりました」

「あら、どう違ったの?」

「セナ様は上品で優雅さがあって、セイ様は上品ですが、セナ様と違い優雅さはなかったです」

「ふふ、良く分かってるわね、それが分るなら、すぐにマナーを覚えられるわ、頑張りなさい」

「はい!」

「サラちゃんとマーサちゃんもね」

「「はい!頑張ります!」」


しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています

もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。 使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...