88 / 277
冥王の領域
82話 ハーデス家の偉業
しおりを挟む会議室に入り、ルージュは理由を説明し始めた
「エルフはハーデス家に、返しても返しきれぬ恩があるの、だから全てのエルフはハーデス家だけは、敬愛し信頼しているのよ」
「エルフがそこまで言うなんて、ハーデス家ってそんなにすごいの?」
「ハーデス家は、最初の王族なの、世界で始めて国を作った一族なのよ」
「初めて聞いたわ」
「俺も初めてだな」
「遥か昔、魔獣の祖が、生まれるより、前の時代、エルフは絶滅の危機にあったのよ」
「えっ!そうなの?」
「エルフは、他種族から奴隷として狙われてたの」
「あり得ないわ、エルフは強い種族じゃない」
「でも、他の種族より成長が遅くて、出生率も少ないのよ」
「数の暴力だな」
「そう、徐々に追い詰められ、このままでは滅びると考えていた時、ハーデス王国に助けられたのよ」
「でも、なんでハーデス王国は、もっと早く助けなかったの?」
「当時、エルフが住んでいる森は、ハーデス王国から3カ国離れていたのよ」
「なら、どうやって助けに来たのよ」
「3カ国と戦争をして、3カ国とも滅ぼしたのよ」
「えっ…」
「だろうと思ったよ」
「エルフを助けるためだけに、3カ国と戦争し、数多くの犠牲者を出してまで、助けてくれたの」
「怪しいとは思わなかったの?」
「当時は、何故助けるのか、何が狙いなのか、凄く怪しんだらしいわ」
「なら、どうして信頼することになったの?」
「ハーデス家は、捕われ奴隷にされていた、数多くのエルフを解放した後に、森に返してくれたのよ」
「でも、敬愛するほどじゃないでしょ」
「その時に、ハーデス王家から私達エルフに、手紙が届いたのよ」
「手紙?内容は何だったの?」
「『この度は、我ら人間がエルフの皆様に、多大な御迷惑と、恐怖を与えてしまい、誠に申し訳ありませんでした
我らハーデス家は、国が続く限り、エルフの皆様を、他種族から護り続けることを、ここに誓わせてもらいます』」
「これが、手紙の内容だったわ、そして魔獣の祖に国が滅ぼされるまで、何千年も誓いを護り続けてくれたの」
「そんなにも、誓いを護ったのね」
「それだけじゃないわ、エルフが食糧難になった時も、流行り病で薬がなくなった時も、ずっと無償で助けてくれたの」
「すごい一族なのね」
「だから、ハーデス家の名前を穢す事は、絶対に許せないのよ!」
「それは、許せないわね」
「だから、俺もハーデス家なんだよ!」
「証拠はあるの!」
「この魔剣が…あれ?魔剣がない、やばい宿に置いてきた!」
「やはり嘘なのね!」
「…ハーデス家には、一族だと分かる首飾りがある!」
「よく知ってるわね!今持ってるのかしら?」
「今はない、だが母様が持っている!」
「なら、確かめることが出来ないじゃない!」
「だけど、冥王様がその首飾りは、一族の証と認めたぞ!」
「えっ…」
「なんで冥王様が出てくるのよ」
「マスターは、知ってるみたいだぞ」
「ルージュ、知っているのか?」
「…冥王様が認めた?…なら本当に…」
「ルージュ!聞いてるの!」
「本当に、冥王様が認めたのね?」
「当たり前だろ、でなきゃ、名乗ることを許されるはずないだろ」
「ルージュ、教えてちょうだい、何故冥王様が出てくるの?」
「…ハーデス家は、冥王様の血筋なの」
「そんな…なら魔獣の祖に滅ぼされたハーデス王国の国王が冥王様なの?」
「そうよ」
「だからこの街はエルフが多いのね」
「エルフは、今も冥王様の近くにいたいのよ、偉大な一族の王の下で…」
「なら、貴方がメイトのギルドマスターになったのも」
「私が、ここのギルドマスターになったのは、エルフの悲願を叶えたいからよ」
「エルフの悲願?」
「エルフは、もう一度ハーデス王国を建国させたいの」
「でも、魔獣に子孫は…」
「だから呪いが解けるのを近くで待っているの」
「だけど、この子がその一族なら」
「建国ができるわ」
「いや、俺は国王になる気ないぞ」
「ちょ!そこはなる気に、なるところでしょ!」
「俺は、世界を旅したいの、国王になったらできないだろ!」
「いいのよ、ハーデス家の一族が生きているなら、いずれ建国できるわ」
「でもエルフの悲願でしょ?」
「もう、1万年以上も待ったのよ、少しぐらい待てるわ」
「貴方がそう思うならいいわ」
132
お気に入りに追加
1,283
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる