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41話 とにかく寝かせてください

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「リナ……生きてるか?」

「うん、なん……とか。カイトの作った回復薬のおかげ……」

「よし、じゃぁ……ギルドに行こう」


 とても国王からの指名を受けたハンターとは思えないほどゲッソリしたまま、集合場所のギルドへとむかう。
 今回のハンター派遣に参加するものは、ギルドから転移魔法で次の集合場所にむかうことになっていた。

 最終的には180名ほどのハンターと国王軍で討伐して帰ることになっている。





 ギルドに着くと、すでに何人か集まっていた。その中にエリアさんたちがいる。数名のお守り役のSランクハンターが一緒に参加することになっていて、今回はエリアさんたちが担当らしい。

「おはようございます。エリアさんたちも参加するんですか?」

「おはよう! そうなんだ、今回は僕とディーノ、セシルも参加なんだ」

「それは頼もしいです。よろしくお願いします」

 大体いつもは1匹か2匹のSランクの魔獣が対象なので、Sランクハンターがこれだけいれば、よっぽどの事でない限り問題はない。

 そこへミリオンたちが時間ギリギリでやってきた。

「っ! 何でカイトがいるんだよ!?」

 ミリオンは忌々しげに吐き捨てる。他の3人もカイトを睨みつけていた。

「国王に参加しろって言われたから、来ただけだ。ていうか、お前らには興味ないからオレに関わるな」

「はぁ!? 国王だって? 嘘つくんじゃねぇ! カイトのくせに生意気だ!!」

 ミリオンは顔を真っ赤にして、怒鳴り散らしてくる。
 なんだその言い草。どこのガキだよ。お前いくつだよ。

「嘘じゃないよ。僕が実際に手紙を届けたから」

 呆れて何も言えないでいると、エリアさんが助けに入ってくれた。プロキオンのギルドでナンバー2のハンターからいわれれば、ミリオンも反論できない。チッと舌打ちして、離れていった。

「すみません、エリアさん。ありがとうございます」

「ああ、僕は何もしてないよ。事実しか言ってないから」

 イケメンの爽やかな笑顔が目に染みる。何でこの人が、惚れた女に振られるのか本当にわからない。
 ミリオンたちに一ミリも興味のないカイトは、和気あいあいと次の合流地点へとむかったのだった。



     ***



 次の合流地点は王都やプロキオンから遠く離れた、アルマクという街だった。プロキオンよりは小さいがハンターたちがよく立ち寄るのか、オレたちの興味をそそる店がたくさん並んでいる。

 街の外にはテントがずらりと並んで貼ってあり、ハンター派遣で集められた者たちが自由に過ごしていた。



 オレとリナは寝てた。とにかく寝てた。
 本当にさ、あの人たち容赦ないんだよ。リナもセシルさんとリュカオンにしごかれて、フラフラだったんだ。
 どう考えても、Sランクの魔獣の方が簡単だったな。
 そこへディーノさんがテントに駆け込んできて、叩き起こされた。


「カイト!! 寝てる場合ですか!? 起きてください!!」

「う……ん、なんです……か?」

「これ! これです!! この回復薬をカイトが作ったって本当ですか!?」

 ディーノさんが手にしているのは特訓のお礼としてあげた、リジェネ効果のあるオレ特性の回復薬だ。

「そうですけど……それがどうかしたんですか?」

 こんなの誰でも作れるだろ? レシピなら教えてやるから寝かせてほしい。

「これ……これ、どうやって作ったんですか……?」

「えーと、材料はシグラシ草、マナ草、海珠の粉と水です」

「何だと……そんな調合でこの回復薬が……?」

「あ、最後に融合魔法です。それで作れます。じゃ、おやすみなさい」

 なんか騒いでたけど、もう知らん。あと30分でいいから、寝かせてください。


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