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39話 国王からご指名いただきました
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ハンセンたちがプロキオンの街から追放されて、2ヶ月ほど経ったていた。カイトたちも謹慎期間が終わったあとは、魔獣討伐に精をだしてパーティーランクもどんどん上がっている。
一方、ミリオンパーティーは相変わらずの状態だった。
「おい、聞いたか? カイトのパーティーもうAランクだってよ!」
「マジかよ!? え、ついこの前Bランクに上がらなかった?」
「やっぱりさ、SSSランクって本当なんじゃねえ?」
「そうだよな。だってさ、カイトが抜けた途端ミリオンパーティーがAランク落ちしたもんな」
「その情報古いよ。ミリオンたちは今Bランクだし」
「え、それって、今までカイトで持ってたってことじゃん」
「それなのに、あんな仕打ちしてたの?」
「えええ……それって……」
ギルドの食堂ではこんな話がハンターたちの間で広まっていた。
ミリオンたちはギルドに来たくはなかったが、討伐をこなさなければ食うにも困る状況だった。
Sランクパーティーなら月に一度の討伐でも、遊んで暮らせるくらいの報酬がもらえる。それを見越して、あるだけ使ってきていたのだ。
度重なる失敗で報酬はなく、薬草や素材を売っても値段がつかない。みるみるハンターカードの残額は減っていった。
「クソッ! さっさと依頼を受けて行くぞ!」
「わかってるわよ、いちいち怒鳴らないで!」
「朝っぱらから喧嘩してんじゃねぇよ、ウゼェな」
「チッ、こいつらと組んだのが失敗だったか……」
ミリオンパーティーの空気はいつもギスギスしていてお互いにけなし合うばかりだ。討伐のために目的地についても口論ばかりで、結局魔獣は倒せず報酬ももらえない。
反対にカイトたちには魔獣討伐も順調で、他のハンターたちもカイトに対する評価を見直している。そのことが余計にミリオンたちを苛立たせていた。
クソッ! なんで俺たちが、こんな惨めな思いをしなきゃならないんだ! なんで! なんで!!
全部アイツのせいだ……カイトとパーティーなんて組んだから、こんな事になったんだ!! カイトのせいだ!!
ミリオンが足早に受付にむかおうとした時に、一枚のポスターが目に留まる。
毎年この時期に来る、ハンター派遣の募集のポスターだった。国王によって執り行われる大規模な魔獣討伐に参加できるのだ。
ここで国王に認められれば、国王軍所属のハンターになることも夢ではない。
「これだ……おい! これだよ!!」
「はぁ? 何だよ……て、ハンター派遣か?」
「チッ! こんなのボランティアみたいなもんじゃねぇか」
「えー、こんなの参加したくないわよ」
「ここで参加して、国王に認められれば国王軍に行けるんだぞ! 俺たちには、もうこれしかない!」
全員このギルドでの居心地の悪さには嫌気がさしていた。街を出るにもまずは資金が必要だが、討伐は失敗続きでうまくいっていない。
ここで国王に認められれば、一気に未来が開けるのだ。
「この討伐で、国王に認めてもらうんだ……!」
ミリオンパーティーは、すがるような気持ちでハンター派遣に参加の申し込みをした。
***
オレたちはこの日もギルドに来ていた。今日はどんな討伐依頼を受けようかと、リナと相談していると後ろから声をかけられた。
「カイトくんとリナさんって、君たちのことだよね?」
声をかけてきたのは、ギルド長の次に強いSランクハンターのエリア・ガルディナだった。金髪に翡翠色の瞳でイケメン、なのに惚れた女には振られるという謎のスペックの持ち主だ。
「はい、そうですけど……」
「じゃぁ、はい、これ」
一通の封書を渡される。宛名はたしかにプロキオンのギルド所属、カイト・シーモアとなっている。裏を見ると封蝋がされていて、その紋章に見覚えがあった。
2本の剣がクロスして、さらに炎をまとっている。
「国王からの討伐への招待状だよ。断るっていう選択肢はないから、参加一択で頼むね」
「は? 国王? 討伐? 参加って?」
あ、そうだ。この紋章、王家の紋章だ!! え、この手紙、マジで国王からなのか!?
「あれ? ギルド長から何も聞いてない? 君たちギルド長の推薦で、国王主催の討伐隊に強制参加になったんだよ。ほら、あのポスターのヤツ」
そういってエリアさんが指さした先には、ハンター派遣の募集のポスターがあった。毎年恒例のヤツだ。
報酬は出るものの、通常の依頼よりも少額なため参加者は少なかった。ただ経験を積みたいハンターや、国王に認めてほしいハンターが参加するものだ。
「え……アレに強制参加……ですか?」
「うん、そう。出発は明後日だから、準備しておいてね。よろしく」
そういってエリアさんはヒラヒラと手を振りながら去っていった。
一方、ミリオンパーティーは相変わらずの状態だった。
「おい、聞いたか? カイトのパーティーもうAランクだってよ!」
「マジかよ!? え、ついこの前Bランクに上がらなかった?」
「やっぱりさ、SSSランクって本当なんじゃねえ?」
「そうだよな。だってさ、カイトが抜けた途端ミリオンパーティーがAランク落ちしたもんな」
「その情報古いよ。ミリオンたちは今Bランクだし」
「え、それって、今までカイトで持ってたってことじゃん」
「それなのに、あんな仕打ちしてたの?」
「えええ……それって……」
ギルドの食堂ではこんな話がハンターたちの間で広まっていた。
ミリオンたちはギルドに来たくはなかったが、討伐をこなさなければ食うにも困る状況だった。
Sランクパーティーなら月に一度の討伐でも、遊んで暮らせるくらいの報酬がもらえる。それを見越して、あるだけ使ってきていたのだ。
度重なる失敗で報酬はなく、薬草や素材を売っても値段がつかない。みるみるハンターカードの残額は減っていった。
「クソッ! さっさと依頼を受けて行くぞ!」
「わかってるわよ、いちいち怒鳴らないで!」
「朝っぱらから喧嘩してんじゃねぇよ、ウゼェな」
「チッ、こいつらと組んだのが失敗だったか……」
ミリオンパーティーの空気はいつもギスギスしていてお互いにけなし合うばかりだ。討伐のために目的地についても口論ばかりで、結局魔獣は倒せず報酬ももらえない。
反対にカイトたちには魔獣討伐も順調で、他のハンターたちもカイトに対する評価を見直している。そのことが余計にミリオンたちを苛立たせていた。
クソッ! なんで俺たちが、こんな惨めな思いをしなきゃならないんだ! なんで! なんで!!
全部アイツのせいだ……カイトとパーティーなんて組んだから、こんな事になったんだ!! カイトのせいだ!!
ミリオンが足早に受付にむかおうとした時に、一枚のポスターが目に留まる。
毎年この時期に来る、ハンター派遣の募集のポスターだった。国王によって執り行われる大規模な魔獣討伐に参加できるのだ。
ここで国王に認められれば、国王軍所属のハンターになることも夢ではない。
「これだ……おい! これだよ!!」
「はぁ? 何だよ……て、ハンター派遣か?」
「チッ! こんなのボランティアみたいなもんじゃねぇか」
「えー、こんなの参加したくないわよ」
「ここで参加して、国王に認められれば国王軍に行けるんだぞ! 俺たちには、もうこれしかない!」
全員このギルドでの居心地の悪さには嫌気がさしていた。街を出るにもまずは資金が必要だが、討伐は失敗続きでうまくいっていない。
ここで国王に認められれば、一気に未来が開けるのだ。
「この討伐で、国王に認めてもらうんだ……!」
ミリオンパーティーは、すがるような気持ちでハンター派遣に参加の申し込みをした。
***
オレたちはこの日もギルドに来ていた。今日はどんな討伐依頼を受けようかと、リナと相談していると後ろから声をかけられた。
「カイトくんとリナさんって、君たちのことだよね?」
声をかけてきたのは、ギルド長の次に強いSランクハンターのエリア・ガルディナだった。金髪に翡翠色の瞳でイケメン、なのに惚れた女には振られるという謎のスペックの持ち主だ。
「はい、そうですけど……」
「じゃぁ、はい、これ」
一通の封書を渡される。宛名はたしかにプロキオンのギルド所属、カイト・シーモアとなっている。裏を見ると封蝋がされていて、その紋章に見覚えがあった。
2本の剣がクロスして、さらに炎をまとっている。
「国王からの討伐への招待状だよ。断るっていう選択肢はないから、参加一択で頼むね」
「は? 国王? 討伐? 参加って?」
あ、そうだ。この紋章、王家の紋章だ!! え、この手紙、マジで国王からなのか!?
「あれ? ギルド長から何も聞いてない? 君たちギルド長の推薦で、国王主催の討伐隊に強制参加になったんだよ。ほら、あのポスターのヤツ」
そういってエリアさんが指さした先には、ハンター派遣の募集のポスターがあった。毎年恒例のヤツだ。
報酬は出るものの、通常の依頼よりも少額なため参加者は少なかった。ただ経験を積みたいハンターや、国王に認めてほしいハンターが参加するものだ。
「え……アレに強制参加……ですか?」
「うん、そう。出発は明後日だから、準備しておいてね。よろしく」
そういってエリアさんはヒラヒラと手を振りながら去っていった。
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