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21話 ミリオンパーティーの行く末は 5
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「それじゃぁ、ティーン。薬草と素材の仕分けは頼むぞ」
「うん、わかったわ。任せて」
「じゃぁ、次は3日後にギルドだな」
「チッ、じゃぁな」
街に戻ってきたミリオンたちは、ギルドに報告したあと、まずは一晩ゆっくり休んだ。限界だったのだ。
その翌日の午後にギルドにある倉庫に集まって、それぞれ回収したものを持ち寄っていた。
討伐証明は受付へ、採取した薬草や回収した素材は倉庫へというのが討伐から戻ったハンターたちの流れだ。
トレットは野営の準備をしたし、サウザンは最初に火の番をしてほとんど眠っていなかったので、薬草と素材の仕分けはティーンが任命される。
「ふふん、こんなのすぐ終わらせて、次の討伐までのんびりしちゃおうっと」
ティーンは最初、余裕だと思ってた。
薬草の知識も少しはあるし、回収した素材だって魔法が得意だから、すぐに加工できると思ってた。
「ちょっと、これどっちなのよ!? さっきから似たようなのばっかり……アイツらごちゃ混ぜにしすぎなのよ!!」
ひとつひとつ選別して仕分けるのに、ものすごく時間がかかっていた。だが、これをやらないと売った時の査定額が、半分以下になってしまう。
つまりは、それほど骨が折れる作業だった。
「はーっ! もういいや、薬草はこのまま売っちゃえ。じゃぁ、次は素材ね。こっち……な……ら」
素材は回収の仕方が雑だから、まずは洗浄が必要だった。魔獣の血や泥がついていて、そのままでは使えない。
これまた洗浄するのに時間かかるし、このまま売ったとしても価値がほとんどない状態だ。
「こっ、これは……私、水魔法適性ないのに……」
他のパーティーメンバーは、そもそもここまで素材の汚れが酷くないし、水魔法が使えるハンターたちがサクサクと処理していってる。
(でも……私はSランクパーティーのハンターなんだし、あんな底辺のハンターにお願いなんてできないわ!)
仕方なくティーンはひとつひとつ洗浄して、処理を進めていった。
全ての処理が終わるのに、その日の夜までかかった。
ティーンがグッタリして部屋に戻ると、同棲中の恋人、ミリオンがいてくつろいでいる。
「随分遅かったな。なぁ、ティーン……」
といいながらミリオンは、帰ってきたばかりのティーンを抱き寄せだ。軽いキスを落としながら、ミリオンの手は怪しい動きで、ティーンの身体を撫でまわしている。
このままベッドに連れ込む気だ。
「ちょっと! 先にお風呂に入りたいし、すごく疲れてるから今日は気分じゃないの」
「風呂なんて気にすんなよ。ティーンはいつもいい匂いだよ」
「半日も立ちっぱなしで疲れてるの、ゆっくりしたいのよ」
そういうことじゃないと、ティーンはイライラし始める。たった今までくつろいでいたミリオンには、わからないのだろうか?
「いいじゃないかよ、ちょっとくらい。俺がその気にさせてやるよ」
そう言ってティーンの服の中に手を入れてきて、ハリのある豊満な胸を弄びはじめた。
「嫌だって言ってんじゃない!!」
思いっきり遠慮なしに、ミリオンに平手打ちをくらわせる。
ティーンは自分本位な恋人の振る舞いに我慢ならなかった。
カイトがいなくなったことにより、確実にメンバーの間に影が落ち始めていた。
「うん、わかったわ。任せて」
「じゃぁ、次は3日後にギルドだな」
「チッ、じゃぁな」
街に戻ってきたミリオンたちは、ギルドに報告したあと、まずは一晩ゆっくり休んだ。限界だったのだ。
その翌日の午後にギルドにある倉庫に集まって、それぞれ回収したものを持ち寄っていた。
討伐証明は受付へ、採取した薬草や回収した素材は倉庫へというのが討伐から戻ったハンターたちの流れだ。
トレットは野営の準備をしたし、サウザンは最初に火の番をしてほとんど眠っていなかったので、薬草と素材の仕分けはティーンが任命される。
「ふふん、こんなのすぐ終わらせて、次の討伐までのんびりしちゃおうっと」
ティーンは最初、余裕だと思ってた。
薬草の知識も少しはあるし、回収した素材だって魔法が得意だから、すぐに加工できると思ってた。
「ちょっと、これどっちなのよ!? さっきから似たようなのばっかり……アイツらごちゃ混ぜにしすぎなのよ!!」
ひとつひとつ選別して仕分けるのに、ものすごく時間がかかっていた。だが、これをやらないと売った時の査定額が、半分以下になってしまう。
つまりは、それほど骨が折れる作業だった。
「はーっ! もういいや、薬草はこのまま売っちゃえ。じゃぁ、次は素材ね。こっち……な……ら」
素材は回収の仕方が雑だから、まずは洗浄が必要だった。魔獣の血や泥がついていて、そのままでは使えない。
これまた洗浄するのに時間かかるし、このまま売ったとしても価値がほとんどない状態だ。
「こっ、これは……私、水魔法適性ないのに……」
他のパーティーメンバーは、そもそもここまで素材の汚れが酷くないし、水魔法が使えるハンターたちがサクサクと処理していってる。
(でも……私はSランクパーティーのハンターなんだし、あんな底辺のハンターにお願いなんてできないわ!)
仕方なくティーンはひとつひとつ洗浄して、処理を進めていった。
全ての処理が終わるのに、その日の夜までかかった。
ティーンがグッタリして部屋に戻ると、同棲中の恋人、ミリオンがいてくつろいでいる。
「随分遅かったな。なぁ、ティーン……」
といいながらミリオンは、帰ってきたばかりのティーンを抱き寄せだ。軽いキスを落としながら、ミリオンの手は怪しい動きで、ティーンの身体を撫でまわしている。
このままベッドに連れ込む気だ。
「ちょっと! 先にお風呂に入りたいし、すごく疲れてるから今日は気分じゃないの」
「風呂なんて気にすんなよ。ティーンはいつもいい匂いだよ」
「半日も立ちっぱなしで疲れてるの、ゆっくりしたいのよ」
そういうことじゃないと、ティーンはイライラし始める。たった今までくつろいでいたミリオンには、わからないのだろうか?
「いいじゃないかよ、ちょっとくらい。俺がその気にさせてやるよ」
そう言ってティーンの服の中に手を入れてきて、ハリのある豊満な胸を弄びはじめた。
「嫌だって言ってんじゃない!!」
思いっきり遠慮なしに、ミリオンに平手打ちをくらわせる。
ティーンは自分本位な恋人の振る舞いに我慢ならなかった。
カイトがいなくなったことにより、確実にメンバーの間に影が落ち始めていた。
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