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ご主人が凄く興奮して
喋っているのを聞くと
どうやら 満足してもらえる出来だったようで カーラと二人で安心した

「これなら お任せ出来ますな」

カーラと二人で手を取って
ぴょんぴょん喜び

「ありがとうございます」


「ではドレスの工賃や お預かりしたハンカチも売れておりますので
ひとまず精算いたしましょうか?」
ご主人がニッコリと

「こちらにお掛けください」
とソファーをすすめる

「失礼いたします」

と女性の方がお茶を持ってきてくれて
「どうぞ」とすすめてくれ

興奮でのどの渇いていた二人は
「ありがとうございます」
といってすぐに飲んだ

カーラは一緒に座ったり
お茶を飲むのは
侍女だから駄目です!
と 反対していたが
私が泣き落としで頼んで
イヤイヤながら 了解した

「精算の方の確認をしていただいても
よろしいでしょうか?」

「はい」
カーラと頷いて
明細書を確認していく

「あ!」

「いかがなさいました?」

「いえ あの木綿のハンカチーフ
全て売れていたのですね」

「あぁ そちらですね
1人格好から推測するとかなり高位な
青年が全部買われていかれたのですよ」

「常連の方とかではなく?」

「ええ 初めて見かけた方でしたね」

「何か気に入って買われていったのなら
良いのです」

「あ!そう言えば
その方が  シルクのハンカチ
に 刺繍をしていただきたいと
申しつかっております
お名前もお伺いしておりますよ
只今は ご領主様の館に滞在されているとのことでした」

「まぁ リクエストされてますね
嬉しいですわ!」

とりあえず精算を済ませ
予想以上のお金が手に入り
自分で稼いた いえ カーラや
道具さん達 お父様とお母様
こちらのご主人にも チャンスを
いだいて 稼いだお金
嬉しかった

しかもハンカチのリクエストまで
いただいて

「図案はこちらになります
何枚でも 作っていただいてよろしい
そうですよ」

「ええ!
シルクのハンカチは1枚
10000リンにしようと思うのですが
どうしましょう
何枚ほど作れば……」

意外な上客に戸惑ってしまう

「とりあえずこちらの図案を元に
そうですね 5枚程でいかがですか?」

「そうね では出来たらお持ちします」

「分かりました お持ちいただくなら
今日みたいに午前中ならば 相手の方にも 当日にはお渡しできるのではと思います」

「分かりました」

「では またドレスや洋服での
ご注文があれば ご連絡いたします
次回も宜しくお願いいたします」

「こちらこそ」

そう言ってカーラと
馬車に乗り込む


走り出すと

「キャーカーラ!
凄いわねー!」
「お嬢様 少し羽目を外しすぎですわよ」
「だって!ハンカチも売れて
手袋も買い取ってもらって
今度はシルクのハンカチのご注文よ
凄いわ!」
「お嬢様のおかげですよ」
カーラはそう言ってニッコリと微笑む

ちょっと照れてしまって 外を見ると
超絶美形の男の人が 馬車の横を
馬で通り過ぎた

通り過ぎる瞬間に
お互い目が合い
私はその美しさに 
何も考えられなくなってしまい
不躾ながらに ずっと見つめてしまった

相手はというと
目があって ビックリしていたが
こちらにニコっと笑っていた

ほんの数秒の出来事


「……じょう……さ…」
「お嬢様 お嬢様?」

カーラが何度か呼んでいたのだろう
「え?え?なにかいった?」

「先程からどうされたのですか?
何度も呼んでいるのに固まったまんまで?」





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