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アイリスとアクアの話を見えない所で聞いている女がいた

「クリストファー様と婚約式……
お嬢様にお伝えせねば」
館の侍女かと思われたが 微妙に服装が違う 階段を登り招待客の泊まっている階へ
その一室に入っていく

「お嬢様 実は……」
先程耳にした話をお嬢様に伝えていく
「なんですって!あの女 まだ生きていたのね!しかもクリストファー様と婚約式ですって!」
イライラしながら 手に持っていた扇子を投げつける
パリン
花が活けてあった花瓶が割れた

その音を聞いた フロアの警備の者が
なんの因果か あの
ジャン ブルーム

「ん?何か割れる音が……確かこの部屋か?」

コンコン
「このフロアの警備の者ですが
お困りの事はございませんか?」
すると 扉の向こうから
「はい 何もございません」
と返答がきた
「畏まりました 何かございましたら
お声をおかけ下さい」
「ありがとう存じます」

扉を離れて 警備の場所に戻ろうとしたが
返答した女の声にも引っかかるところもあり 1度オスカーか元帥に報告に行こうと
もう一人の警備の騎士に

「済まない オスカー様の所に行ってくる ここを頼む すぐ戻るよ」
「あぁ 分かった 早く頼むな」
「ああ」


嫌な予感が拭えない
オスカーの居場所を聞き 駆け足で向かう

「ハァハァハァ オスカー様」
ようやく見つけて 声を掛ける
「どうした ジャン
今は警備の時間じゃないのか?
何かあったのか?」
招待客の安全は絶対条件
ここに居る自国の騎士は ほぼ警備のシフトが組まれている

「いえ 特に何かがあったわけではないです ですが俺の持ち場の階の1部屋で
何かが割れた音がしたんです
それで 手を貸すことは無いかと聞いたんですが 何も無いと言われて……
ただそれだけなんですが なんか…なんかおかしいんです」
「ふむ 確かに何も無いと言われればだが…何か割ったのなら 普通は申し出るな」
「そうでしょ 普通は申し出ますよ
破片が危ないですしね
それと…もう1つ こっちが重要かなと」
真剣にオスカーを見ると
「どうした 何が気になる」
「俺がアクア嬢を拐かしたのは ご存知ですよね」
「あぁ 知っている」
「何も無いって 扉の向こうで返事した女の声が 俺に依頼してきた女の声とソックリなんですよ」

「何?」
オスカーの目が鋭くなる
「それで 確認するにも俺じゃ役不足だし なんか嫌な予感が拭えないんで
オスカー様に伝えに来たんです」
「そうか」
少し考えた後
「誰か クリストファーを呼んできてくれ あと王室とネルソン公爵と元帥」

「畏まりました」
1人の侍従が数人に声を掛けて散っていく

「あと 誰かジャンの代わりに
警備に立つように手配してくれ」

「畏まりました」
別の侍従が手配に向かう



暫くして 呼ばれた全員が集まった

「お呼びだてして すみません」

「どうした 何かあったか」
元宰相
「ちょっとジャンが気になることを言ってきたので 皆さんにご意見と
クリストファー」
「何 オスカー兄さん」
「お前が宰相とあぶり出しをしている
貴族達の中に 今招待で来ている客が居るか確認したい」
「分かった 招待客のリストをくれる?」
「これだ」
1冊のリストを渡すと
1枚ずつめくっては ジット確認している

「オスカー 何かあったの?」
今度はアイリスが聞き出すと

「ジャン 説明してくれ」
「はい 実はさっき……」
と オスカーな説明したことと同じ事を
皆に伝えた

「あったよ オスカー兄さん
こいつが ジャンの警備の階にいる」

指さしたのは






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