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16ですわ
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こちらは ヨロレイ公爵家
王宮の陛下からの急な呼び出しに
「何があったのだ?」
公爵家当主
「あなた 心当たりはないの?」
当主夫人
「無いこともないが…何かの間違いだろう 兎に角呼び出されたからには 行かないとな ところで ロイはいつ戻るか 連絡はあったのか?」
「それが 何処にいるかも分からなくて…国には戻ってきていると そこまでは
分かっているのですけど どうも女に引っかかったらしくて…」
「なに?女?全く…側室にするなら良いが そこは注意しておくように 女の身元を調べておくんだぞ」
「わかりましたわ」
「では 私はもうしばらく寝ることにする」
「お休みなさいませ」
登城の知らせは まだ夜明け前にきたのだった
「私も寝ましょう こんな時間に起こされて お肌が荒れちゃうわ」
夫人も再びのお休み
そして指定された時間に間に合うように
公爵は登城し ユアンと宰相のいる部屋に通された
時を同じくして
「旦那様に……旦那様にご報告です!」
と肩で息をしている使用人 ロイにつけていた使用人が戻ってきたのだ
玄関の方で騒がしいのが気になり
「何事なの?」
主人が登城して留守になった為
一人のんびりとお茶とを飲んでいた夫人が
眉をひそめて 侍女に聞くと
「確かめてまいります」
と部屋を出ていった
暫くして
バタバタと走る足音が聞こえ
バタンと 扉まで音を立てて開ける様子に
「あなたは公爵家に仕えていると自覚があるのかしら?」
と 侍女に嫌味を告げる不機嫌な夫人
「お…奥様!その様な事より
坊ちゃまが……ロイ様が……!」
こちらも 息を切らしながら
「ロイが?ロイがどうしたの?」
一瞬で顔色が変わり
駆け寄り侍女の肩を揺らす
「ロイ様が 不敬罪にて 拘束された様です!」
目をつむり叫ぶ侍女
「ロイが?不敬罪?公爵家子息のロイが不敬罪なんてあり得ないわ 何かの間違いでしょ?」
そう国内で最高位の公爵家
自分達より高い貴族はこの国に居ない
「そ…それが……」
侍女が真っ青で告げてくるが
最後まで言わない
「何よ!間違いでしょ?早く執事に言って受け取りに行きなさい こちらこそ
相手を訴えるわ その準備もしておくように 旦那様がお帰りになったら 直に裁判所に手続きをしてもらわないと」
安堵と微かな面倒だという気持ちで
椅子に座る
「お茶が冷めてしまったわ
いつまでも突っ立ってないで
取り替えて頂戴」
蒼白な面持ちの侍女に伝えるが…
「奥様……お相手は 元王妃様でございます」
やっと聞こえるかどうかの小声で
ただし ハッキリと聞こえた言葉が吐かれた
「な?なんですって……元王妃様ですって…?」
「はい……ババアと何度も言われたそうです……」
「ババア……あの子…王妃様の顔を知らない訳ではないわよね……何度もご挨拶してるはず そんな…馬鹿な事……」
でも そんな馬鹿な事をよくしでかすからこそ いつも目を光らせてきたのじゃなかったっけ……
うっすらとそんな思考も出てきて
「だ…旦那様に~~~!
お城に行って頂戴!クロウ!」
呼ばれた執事のクロウ
「畏まりました!直にご主人様に
お伝えいたします!」
慌てて出ていく
既に立てる気力もなく
スッと力が抜け倒れる夫人
「誰か~誰か来て!奥様がお倒れに!」
侍女の叫びが響き渡った
王宮の陛下からの急な呼び出しに
「何があったのだ?」
公爵家当主
「あなた 心当たりはないの?」
当主夫人
「無いこともないが…何かの間違いだろう 兎に角呼び出されたからには 行かないとな ところで ロイはいつ戻るか 連絡はあったのか?」
「それが 何処にいるかも分からなくて…国には戻ってきていると そこまでは
分かっているのですけど どうも女に引っかかったらしくて…」
「なに?女?全く…側室にするなら良いが そこは注意しておくように 女の身元を調べておくんだぞ」
「わかりましたわ」
「では 私はもうしばらく寝ることにする」
「お休みなさいませ」
登城の知らせは まだ夜明け前にきたのだった
「私も寝ましょう こんな時間に起こされて お肌が荒れちゃうわ」
夫人も再びのお休み
そして指定された時間に間に合うように
公爵は登城し ユアンと宰相のいる部屋に通された
時を同じくして
「旦那様に……旦那様にご報告です!」
と肩で息をしている使用人 ロイにつけていた使用人が戻ってきたのだ
玄関の方で騒がしいのが気になり
「何事なの?」
主人が登城して留守になった為
一人のんびりとお茶とを飲んでいた夫人が
眉をひそめて 侍女に聞くと
「確かめてまいります」
と部屋を出ていった
暫くして
バタバタと走る足音が聞こえ
バタンと 扉まで音を立てて開ける様子に
「あなたは公爵家に仕えていると自覚があるのかしら?」
と 侍女に嫌味を告げる不機嫌な夫人
「お…奥様!その様な事より
坊ちゃまが……ロイ様が……!」
こちらも 息を切らしながら
「ロイが?ロイがどうしたの?」
一瞬で顔色が変わり
駆け寄り侍女の肩を揺らす
「ロイ様が 不敬罪にて 拘束された様です!」
目をつむり叫ぶ侍女
「ロイが?不敬罪?公爵家子息のロイが不敬罪なんてあり得ないわ 何かの間違いでしょ?」
そう国内で最高位の公爵家
自分達より高い貴族はこの国に居ない
「そ…それが……」
侍女が真っ青で告げてくるが
最後まで言わない
「何よ!間違いでしょ?早く執事に言って受け取りに行きなさい こちらこそ
相手を訴えるわ その準備もしておくように 旦那様がお帰りになったら 直に裁判所に手続きをしてもらわないと」
安堵と微かな面倒だという気持ちで
椅子に座る
「お茶が冷めてしまったわ
いつまでも突っ立ってないで
取り替えて頂戴」
蒼白な面持ちの侍女に伝えるが…
「奥様……お相手は 元王妃様でございます」
やっと聞こえるかどうかの小声で
ただし ハッキリと聞こえた言葉が吐かれた
「な?なんですって……元王妃様ですって…?」
「はい……ババアと何度も言われたそうです……」
「ババア……あの子…王妃様の顔を知らない訳ではないわよね……何度もご挨拶してるはず そんな…馬鹿な事……」
でも そんな馬鹿な事をよくしでかすからこそ いつも目を光らせてきたのじゃなかったっけ……
うっすらとそんな思考も出てきて
「だ…旦那様に~~~!
お城に行って頂戴!クロウ!」
呼ばれた執事のクロウ
「畏まりました!直にご主人様に
お伝えいたします!」
慌てて出ていく
既に立てる気力もなく
スッと力が抜け倒れる夫人
「誰か~誰か来て!奥様がお倒れに!」
侍女の叫びが響き渡った
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