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少しの間があって
「あともう少しだ 男爵 もう少し待ってくれ」
絞り出すようなリチャードの声
「分かっております
リチャード様
余りご無理 無茶はされませんように
トップが居なくなっては
進みませぬゆえ こちらの部隊もまだまだ余力は御座いますので 遠慮なくお使いになられますよう レイモンドも出番を待っております エドワード様とロゼリアの幼馴染なれば あやつも気持ちは同じでございます」
「すまない 助かる」
「ただそれと ダンスの件は別でございますから」
「まぁそう思っておくがいい ははは」
「それはそうと 精霊王様の猫はどうされたのですか?」
「ふん シャルの元におる」
「あちら様も 聞かぬ御方ですからの~」
「 も とは何だ 同じにするな!」
そんな二人が乗った馬車はリチャードの屋敷に向かっていく
男爵家では
「さあ シャルも疲れただろう?
午後は何も予定は入っていないから
服を着替えてゆっくりした格好で過ごそうか」
アイラが普段着のワンピースを取り出し
着替えたあとに 髪をほどいて
髪留めをつけてくれただけで
「後は何して過ごす?」
「そうですね 座学の予習で…」
「勉強は今日はやめといた方がいいかもしれないよ ほら倒れたじゃん」
「あ…そうですね じゃあ 侍女の…」
「それもなし 旦那様からさせないようにと言われてるからね」
(主様からもね)
「それじゃ 何をしましょうか……」
「うーん 天気もいいから 窓辺で本でも読んだら?」
「本ですか……」
「男爵家の図書室には行った?」
「いいえ まだです」
「じゃあ行ってみたら?
本を読まない私ですら 惹かれる本あるから シャルはもっと見たいのが見つかると思うよ」
「そうなんですか!
じゃあ 図書室に行ってみます」
二人は連れ立って 図書室に
扉の前に立って 開けてみると
綺麗に整理されて 棚にビッシリと本が並んでいる
「うわぁ 本がいっぱいですね~」
見るとカウンターがあり
一人座っている方が……
「いらっしゃい」
眼鏡をかけた女性の方で
男爵様達と同じ位の年代だろうか
「あの 入っても宜しいでしょうか?」
おそるおそるシャルが尋ねると
「どうぞ~ 大歓迎よ」
と カウンターから出てこられた
「いらっしゃい 新しい侍女の方ね」
「はい シャルと申します」
ちょこんとお辞儀をした
「シャルさんね 私はティナ 宜しくね」
「ティナさんですね
ティナさんは こちらでお仕事されているのですか?」
「ええ 男爵家が昔からの集めていらっしゃる本を駄目にならないように 修理したり 貸出の作業をしたりと 本にまつわる仕事をずっとしてるわ」
「お一人なのですか?」
重そうな本ばかりだし 脚立に乗ったりしたら危なそうたけど…
「今 本が重そうだからなんて
思ったでしょ」
「わかったんですか??」
「アハハハ みんな同じ事聞いてくるからね」
「ニヤ~」
「「「え?」」」
3人で下を見たら
白猫様がいらっしゃった……
「あともう少しだ 男爵 もう少し待ってくれ」
絞り出すようなリチャードの声
「分かっております
リチャード様
余りご無理 無茶はされませんように
トップが居なくなっては
進みませぬゆえ こちらの部隊もまだまだ余力は御座いますので 遠慮なくお使いになられますよう レイモンドも出番を待っております エドワード様とロゼリアの幼馴染なれば あやつも気持ちは同じでございます」
「すまない 助かる」
「ただそれと ダンスの件は別でございますから」
「まぁそう思っておくがいい ははは」
「それはそうと 精霊王様の猫はどうされたのですか?」
「ふん シャルの元におる」
「あちら様も 聞かぬ御方ですからの~」
「 も とは何だ 同じにするな!」
そんな二人が乗った馬車はリチャードの屋敷に向かっていく
男爵家では
「さあ シャルも疲れただろう?
午後は何も予定は入っていないから
服を着替えてゆっくりした格好で過ごそうか」
アイラが普段着のワンピースを取り出し
着替えたあとに 髪をほどいて
髪留めをつけてくれただけで
「後は何して過ごす?」
「そうですね 座学の予習で…」
「勉強は今日はやめといた方がいいかもしれないよ ほら倒れたじゃん」
「あ…そうですね じゃあ 侍女の…」
「それもなし 旦那様からさせないようにと言われてるからね」
(主様からもね)
「それじゃ 何をしましょうか……」
「うーん 天気もいいから 窓辺で本でも読んだら?」
「本ですか……」
「男爵家の図書室には行った?」
「いいえ まだです」
「じゃあ行ってみたら?
本を読まない私ですら 惹かれる本あるから シャルはもっと見たいのが見つかると思うよ」
「そうなんですか!
じゃあ 図書室に行ってみます」
二人は連れ立って 図書室に
扉の前に立って 開けてみると
綺麗に整理されて 棚にビッシリと本が並んでいる
「うわぁ 本がいっぱいですね~」
見るとカウンターがあり
一人座っている方が……
「いらっしゃい」
眼鏡をかけた女性の方で
男爵様達と同じ位の年代だろうか
「あの 入っても宜しいでしょうか?」
おそるおそるシャルが尋ねると
「どうぞ~ 大歓迎よ」
と カウンターから出てこられた
「いらっしゃい 新しい侍女の方ね」
「はい シャルと申します」
ちょこんとお辞儀をした
「シャルさんね 私はティナ 宜しくね」
「ティナさんですね
ティナさんは こちらでお仕事されているのですか?」
「ええ 男爵家が昔からの集めていらっしゃる本を駄目にならないように 修理したり 貸出の作業をしたりと 本にまつわる仕事をずっとしてるわ」
「お一人なのですか?」
重そうな本ばかりだし 脚立に乗ったりしたら危なそうたけど…
「今 本が重そうだからなんて
思ったでしょ」
「わかったんですか??」
「アハハハ みんな同じ事聞いてくるからね」
「ニヤ~」
「「「え?」」」
3人で下を見たら
白猫様がいらっしゃった……
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