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ネックレスはなく
その首の周りにはチョーカー これも同じく
ピジョンブラッドが中央に

「これ……二度目なんですが…お高い……ですよね…」

「似合ってるよ……」
(主様 どれだけですか……?)


お風呂を上がったあとに
軽食をいただいたので お腹は空いていない 少しダンスとマナーのおさらいをして
安心したいところだったが

コンコン
「どうぞ」

レイモンドが入ってきた

「しつ……れい……」

シャルの姿をみて

「これは……驚いた……
流石 奥様とかの方のセンスの
素晴らしい事……」

「あの~レイモンドさん」

ボーッとしているレイモンドに
シャルが声をかける


「あ!シャル 素晴らしく綺麗だよ」
サラリと口に出せるあたり タラシですか……アイラの心の声

「あ…ありがとうございます」
綺麗なんて言ってもらったことが無いので
照れまくり
それがまた かわいらしく見えるので

「照れるシャルもいいね」
この人 本物のタラシだ……アイラの心の声

「それで?」
アイラの突っ込み

「あーゲフンゲフン」

「レイモンドさん どこかお悪いのですか?」
「シャル その人は病気の方が逃げていく」
「アイラ!失礼だぞ!」

「左様でございますか」

「クッ!あ~シャル もう少しで
今日のダンスのお相手の方がいらっしやる」
(全く我慢しきれない方だ)

「え!もういらっしゃるのですか?」
鼓動が早くなる

「うむ ダンスの練習を終えられたら
昼食を一緒にとの事だ
緊張するなという方が難しいだろうが
シャルは以前のシャルではない
貴族のご令嬢と言っても大丈夫
自信を持って行きなさい」

「ありがとうございます 頑張ります」

レイモンドにお辞儀をして返事をする


「さあ お出迎えに行こうか」

「はい」

揃って部屋を出て 玄関に向かう







一台の馬車が走っている
綺羅びやかな装飾等なく 質素に作られた馬車


「いよいよだ シャーロット」
いわゆる かの方だ

「リチャード様 シャーロット様は
今迄孤児院におられて 平民の孤児とご自分の事を思われておりますから そこの所をご配慮下さいますよう」
男爵が かの方に話しかける

「分かっている だが15年の年月
ずっとこの手から離れていたシャーロットに やっと やっと会えるのだ
少しくらい喜んでも良いだろう?」

「それは勿論でございます
分かっておりますよ」
そう言って 淡いブロンドの髪に
ピジョンブラッドの様な目の青年を見やる

「私の送ったドレスをきて 踊ってくれるのだな」

『我も姿を変えて見る事にしようぞ』

「くれぐれも 私の邪魔はするなよ」

『さて どうかな……ふっ』 
口角を少し上げる

「ふん シャルに嫌われれば良いのに」

こんな調子たが 馬車は男爵家に到着したようだ



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