マイフェアレディ〜♪拗らせ公爵と精霊王に溺愛されてます。

20

翌日
バーンと扉が空き
「シャル！
お風呂に入るよ!」
アイラが入ってきた
「え？　アイラさん？」
ガバッとベッドの上で半身だけ起こし

部屋のドアを見る

（鍵をかけていたはずなのに？？
掛けてなかったかしら？？）

「ん？鍵の事？」

「え？ええ　掛けてたと思うのですが……」

「あぁ　何度か声かけたんだけどね
起きなかったから　悪いけど開けちゃったよ」

「え？開けれるですか？」

「色々とね～教えられて」

「今度……」

「時間があったらね
とにかく　お風呂に入って
マッサージもやるから　時間がかかるよ」

「マッ…マッサージ？」

「そうだよ～」

「なぜそこまで　私なんかに？
あっ！今日のダンスの練習相手の方って
そんなに上の貴族の方なんですか？」

アイラは相手の名前も知っている
自分の仕える方だから

「えっと……そうね　
あんまり　アタシもよく知らないんだけど　リカルドさんからの　指示なのよ」

「リカルドさんからの？」

「うんうん」

「そうなんですか……アイラさんも
詳しくは知らないんですね……」

「ごめんねぇ」

「どうしよう　足なんか踏んだりしたら……」

「頑張れとしか……」

「そうですね……頑張ります!」

「それでこそ！
じゃお風呂にいこうか」

「はい」




アイラともう一人に
隅から隅まで　ピカピカにしてもらい
爪の先まで整えられて

「次いくよ！」
の　声でドレスアップが始まった


「ふん！これでどうだ！」
アイラの一声

「さあ　見てみて」
耳元で囁かれて　目の前の鏡を見てみると

「え？こ…これが…私？」


鏡に写っているのは……
この間までは　すすけた髪だったのが
艶のある銀糸の髪
後ろで編み込みをされて
綺麗な髪留めも使われ　残った部分は
そのままにおろされてる

メイクは派手でなく　自然にほんのり
チークの　健康でかわいらしく
ブルーアイズがよく目立つ

元々白磁のような肌あいなので
特に何かを施すことなく

そしてドレスといえば
素晴らしい光沢を湛えながらも
レースもふんだんに使われ

メインは金色で差し色で赤が入っている
一見派手に見えるものが
レースと差し色の赤で　高貴なイメージしか出てこない


それを着ている自分が信じられず

私じゃ無いみたい……

それしか思い浮かばなかった

イヤリングも高いのだろう
余り大きくはないが
ピジョンブラッドの周りをダイヤが
沢山囲んでいる

「これって　初めての見たけれど
お高い……ですよね……」

「そ…そうかな……似合ってるよ」
引きつりながらアイラがフォローする