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アンジェリカ ブレシア
16歳になりました
エドアルド ブレシア公爵の娘です
バイス兄様
ジアン兄様
4人家族になります
お母様は 6歳の頃に亡くなりました
家族で唯一の女の子です
それはそれは 溺愛されております
先程
3年間通っていた 学園の卒業式がありました
入学当時から卒業まで
首席を通してきた私が
答辞を読むことになっており
既に 先生方の添削は済んでおりました
楽しかったですわ
3年間
寮生活で
少ないですがお友達も出来ました
一生付き合っていけるほどの友情を
築けたと思います
本当はもう少し作れると思っておりましたが
私の日常と言えば
授業が終われば 王宮へ
そこから 3時間 お妃教育
帰ったら 当日の復習と翌日の予習
私が公爵令嬢と王太子の許嫁と言うこともあり
部屋は個室
余り他のかたとの交遊を深める時間がなかったのです
それでも 3人も作れたのは 嬉しい限りです
6歳の頃に
王太子のジュリアン様との婚約が結ばれ
そこから 10年間
今では 教えていただく事もなく
実務をさせていただいてます
申し訳ありません
話が少しずれました
卒業式のお話でした
式も終盤に差し掛かり
私は答辞を読むために 壇上へと上がりました
式のご来賓には
陛下 王妃様 筆頭公爵のお父様と
答辞を聞いていただきたかった方々でした
そちらの方に 会釈をすると
あることに気がつきました
そう 婚約者の王太子様の
お姿を確認出来ません
同じ卒業生ですので
式には出席されていると
勝手に思っており
確認はしておりませんでしたが……
また 取り巻きの方々とサボっていらっしゃるのでしょうか?
いけない!
答辞を読まなくては!
その時
バタ―――ン!
出鼻を挫かれた
そこまでは言いませんが
激しい音を立てて開かれた
入り口の扉を見てみると
王太子様と
あれは 髪が目立っておりますわね
ベビーピンクに毛先が緑の
キュ―トな 子爵令嬢
何か 流行りのお話に出てくる
お嬢さんみたいですが
フィ―ナ 様ですわ
噂になっていますわね
実際は 噂ではなく 本当の事なのですが
あとは 取り巻きの いつもの方々
でも 王太子様 ジュリアン様
宜しいのでしょうか
今日は 両陛下揃っておられますのに
遅刻&不貞の証拠を引き連れて
こちらに 来られる様です
来ましたわね
「アンジェリカ ブレシア!
偉そうに 私より高い所に立っているのか
まぁ お前には不敬罪など いつもの事だからな
何とも思わぬのであろう
そんなお前には
婚約破棄の辱しめと
国外追放の罰を与える!
処刑されないだけ
ありがたく思え!
今すぐ 立ち去れ!」
言ってしまわれましたね
「王太子様からのお言葉
慎んでお受けいたします
それでは 失礼致します」
「またぬか!」
あ 国王陛下 ちょっとタイミング遅い……
いえ わたしにとっては ナイスタイミング
「え!父上」
「ジュリアン! 貴方何を言っているの?」
「は?母上?お二人とも何故ここに?」
もしかして
卒業式だと 分かっていらっしゃらないのでしょうか?まさか!
いくら 留年スレスレとはいえ
先生方の恩情……王家への 媚びともいえますが
及第せずに 卒業出来るはずです
ただ単に 卒業式の時期すらも
忘れていたのでしょうか……
謎が増えるばかりです
「何故ここに?
では お前は
何故ここに最初からいなかったのだ?」
「え?今日は何かの集会をやっているでは?
私も参加しなくては いけなかったのですか?」
「普通は 自分の卒業式は出席 そうだな
参加するものではないのか?
私の認識がおかしいのか?
どうだろう 王妃」
「陛下のおっしゃる通りですわね」
「卒業式……!
そうです 僕は卒業するのでした!
今日なのですか?
申し訳ありません
分かっておりませんでした」
「そうか
そこの ピンクの子と忙しかったのであろう
報告はあがっておるからな」
「では アンジェリカの不貞の報告も
上がっておりますよね」
「何一つあがっとらん
あ~~1つある」
ザワザワ ザワザワ
皆さんが驚いてますけど
陛下それは 逆効果では?
「やはり!婚約破棄ですね!
ふふふふ あははは!」
「お前は 本当に救いようがない
アンジェリカが優秀過ぎて
なにもおしえることが無いと
教師達から あがっておる」
16歳になりました
エドアルド ブレシア公爵の娘です
バイス兄様
ジアン兄様
4人家族になります
お母様は 6歳の頃に亡くなりました
家族で唯一の女の子です
それはそれは 溺愛されております
先程
3年間通っていた 学園の卒業式がありました
入学当時から卒業まで
首席を通してきた私が
答辞を読むことになっており
既に 先生方の添削は済んでおりました
楽しかったですわ
3年間
寮生活で
少ないですがお友達も出来ました
一生付き合っていけるほどの友情を
築けたと思います
本当はもう少し作れると思っておりましたが
私の日常と言えば
授業が終われば 王宮へ
そこから 3時間 お妃教育
帰ったら 当日の復習と翌日の予習
私が公爵令嬢と王太子の許嫁と言うこともあり
部屋は個室
余り他のかたとの交遊を深める時間がなかったのです
それでも 3人も作れたのは 嬉しい限りです
6歳の頃に
王太子のジュリアン様との婚約が結ばれ
そこから 10年間
今では 教えていただく事もなく
実務をさせていただいてます
申し訳ありません
話が少しずれました
卒業式のお話でした
式も終盤に差し掛かり
私は答辞を読むために 壇上へと上がりました
式のご来賓には
陛下 王妃様 筆頭公爵のお父様と
答辞を聞いていただきたかった方々でした
そちらの方に 会釈をすると
あることに気がつきました
そう 婚約者の王太子様の
お姿を確認出来ません
同じ卒業生ですので
式には出席されていると
勝手に思っており
確認はしておりませんでしたが……
また 取り巻きの方々とサボっていらっしゃるのでしょうか?
いけない!
答辞を読まなくては!
その時
バタ―――ン!
出鼻を挫かれた
そこまでは言いませんが
激しい音を立てて開かれた
入り口の扉を見てみると
王太子様と
あれは 髪が目立っておりますわね
ベビーピンクに毛先が緑の
キュ―トな 子爵令嬢
何か 流行りのお話に出てくる
お嬢さんみたいですが
フィ―ナ 様ですわ
噂になっていますわね
実際は 噂ではなく 本当の事なのですが
あとは 取り巻きの いつもの方々
でも 王太子様 ジュリアン様
宜しいのでしょうか
今日は 両陛下揃っておられますのに
遅刻&不貞の証拠を引き連れて
こちらに 来られる様です
来ましたわね
「アンジェリカ ブレシア!
偉そうに 私より高い所に立っているのか
まぁ お前には不敬罪など いつもの事だからな
何とも思わぬのであろう
そんなお前には
婚約破棄の辱しめと
国外追放の罰を与える!
処刑されないだけ
ありがたく思え!
今すぐ 立ち去れ!」
言ってしまわれましたね
「王太子様からのお言葉
慎んでお受けいたします
それでは 失礼致します」
「またぬか!」
あ 国王陛下 ちょっとタイミング遅い……
いえ わたしにとっては ナイスタイミング
「え!父上」
「ジュリアン! 貴方何を言っているの?」
「は?母上?お二人とも何故ここに?」
もしかして
卒業式だと 分かっていらっしゃらないのでしょうか?まさか!
いくら 留年スレスレとはいえ
先生方の恩情……王家への 媚びともいえますが
及第せずに 卒業出来るはずです
ただ単に 卒業式の時期すらも
忘れていたのでしょうか……
謎が増えるばかりです
「何故ここに?
では お前は
何故ここに最初からいなかったのだ?」
「え?今日は何かの集会をやっているでは?
私も参加しなくては いけなかったのですか?」
「普通は 自分の卒業式は出席 そうだな
参加するものではないのか?
私の認識がおかしいのか?
どうだろう 王妃」
「陛下のおっしゃる通りですわね」
「卒業式……!
そうです 僕は卒業するのでした!
今日なのですか?
申し訳ありません
分かっておりませんでした」
「そうか
そこの ピンクの子と忙しかったのであろう
報告はあがっておるからな」
「では アンジェリカの不貞の報告も
上がっておりますよね」
「何一つあがっとらん
あ~~1つある」
ザワザワ ザワザワ
皆さんが驚いてますけど
陛下それは 逆効果では?
「やはり!婚約破棄ですね!
ふふふふ あははは!」
「お前は 本当に救いようがない
アンジェリカが優秀過ぎて
なにもおしえることが無いと
教師達から あがっておる」
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