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夕飯を食べて お茶をいただいているときに
「アリス殿 今日は助かった これからは 領地も一緒に見てほしい 俺も」

「ジ―ク様 俺もとは?」
「文字通り 俺の事もずっと 見ててほしい」
「それは……」
「俺と結婚してくれないか?」
「ジ―ク様!私なんか無理です 出来ません!」
「そんなことない アリス以上の人なんて 居ない 俺じゃ駄目?」
「ジ―ク様は私には勿体ないです」
「アリスの方が 俺には勿体ないかも……」
「そんな事無いです!」
「じゃあ いい?」



「ジ―クよ はえぇんじゃね?まだ はえぇよ」
「フェン そんな事いっても アリスが誰かに取られるかもしんないだろ」
「お前 殿が抜けてるぞ」
「あ 手も繋いだから 恋人でいいかなって」
「んなわけ無いだろ 全く 今まで恋愛とかしたこと 無いくせに もう 恋人かよ」
「聞かせて?アリスは 俺の事嫌い?好き?」

質問をしながら アリスの横に座り手を握る

「ジ―ク様……近いのでは……」
真っ赤な顔で うつ向きながら 必死に伝えるアリス
こんなに近いのって ジェラルドでも無かったわ 恥ずかしい!

「俺は 是非こんな風にしたい」
そして ジ―クはアリスの肩を抱き寄せた
「ひゃ!」

もう心臓バクバク  
「ジ―ク様 お ね が いです 離れてもらえますか?」
「じゃ 横に座って 手だけは繋いどく いい?」
「は い…」

そう先に負荷をかけて 嫌だと言わせて その下の 基準ならオッケー承認を取り付けるなんとも いつの間に覚えたのか 既に他方面で身に付けていた処世術の応用か!


「アリス殿に伝えておくことがある」
「はい」

「今 子爵家と会長のいえの方には 何人か人をやって調べさせている  陛下の方にも報告をあげている  俺の考えでは アリス殿とセバスチャンを放逐した事で奴等が 商会の乗っ取りを実行すると思ってる 早急にだ  ここ1週間内に結果は出ると思う  アリス殿のショックは大きいと思うが 覚悟はしといてくれ 先に言っとく  そして辛い 悲しい 不安があったら 俺を頼ってくれ  俺は 守りたいから 少しでも俺が居ることで アリス殿の負担が減るなら……」

「ジ―ク様 お祖父様は 何かされているのでしょうか?」
「監禁 だろう 薬を使われているのでは ないかと セバスチャンがいたら 何かしらの手を使い邪魔される若しくは 暴かれるかもしれないから いままでは 生かされていたが セバスチャンが居なくなり アリス殿も居ないとなれば……」
「そんな……!お祖父様からは 子爵家に充分なお金も出ているのに…」
「だからじゃないか?アリスも居ないとなれば 全部自分達のものじゃないか 金に目が眩んだんだろうな」


「お祖父様……」
ジ―クは アリスの手を持ち上げ 指先に 軽く口づける

「大丈夫 必ず救うから  心配しないでって言っても心配するだろうけど 俺を信じて必ず救うから」

そして もう一度 指先に優しく 口づけをする

「ありがとうございます ジ―ク様  私 信じます ジ―ク様を  お祖父様を助けて下さい」

「勿論だよ 全て アリス殿を悲しませる事はないから」

「はい」
そして ジ―クは優しくアリスの肩を抱き寄せた


コンコン
「入れ」

「失礼します ジ―ク様 レイモンド様がいらっしゃいました」

立ち上がり 

「執務室で話を聞こう」
「畏まりました」



執務室で二人で話し出す
「セバスチャンも呼んだ方が 良くないですか?アリス殿には 聞かせなくても」
「そうだな セバスチャン!」


「お呼びでしょうか」
「側に」

三人での話し合いに


レイモンドが
「今 子爵家に潜入させた部下からの情報がきた これは 今朝の話だ  子爵が アリス殿の生存確認をしに 森に行くらしい  その足で 会長殺害に 会長の所に向かうと 連絡がきた  それを聞いた部下は 先に会長の方に向かわせた別部隊に合流するように 子爵家の周りの部隊3人を向かわせた 合わせて8人 そして 子爵は明日 出発するが 1日出発を遅らせるように手を尽くすらしい 我々が直ぐに動けば 1日は確実に相手より余裕がある」

「なんと あの馬鹿男  大恩ある 大旦那様に     狙いは お金ですね   分かりました こちらの領にもうちの 出先があるはず 会長のいらっしゃる所にも出先機関がございます 緊急の時にしか動かしませんが 今がその時でしょう  ジ―ク様レイモンド様にはお見せ致します アリス様には この存在を お教えしておりません ご内密にお願い致します」
「そこは 情報とか 流すだけなのか?」
「情報を伝える魔法がございます なんですか 魔法と異世界の技術を使っているとか 大旦那様が 若い頃各地を行商しているときに出会った青年が売り込んできたらしいのです  改良を重ね この国や 周りの商会の出先には必ず置いてあり 内乱 暴動 侵略等の情報が 一瞬で 伝えられます」
「え 隣国や ここから 一番遠い この国の領土とかでも?」
「はい ですから 国王陛下は それを有事の際は使う 対価として 男爵ではなく 子爵の爵位をくだされました」
「そういうことか おかしいと思ってた 商売で 成功して爵位を賜るなら 男爵だもんな それが 子爵?成る程 陛下もご苦労だな」
「はい なので ジ―ク様の部隊と 情報がやり取りできて 尚且つ うちの実力部隊を合わせれば 無事 お救いできて 奴等を捕まえる事が出来ると思います」
「それ 使う じゃあ その出先機関にいくか」
「畏まりました ジ―ク様 アリス様には……」
「内緒で動く  現状は説明してあるから まるきり知らない訳じゃないよ ただここからさきは 知らせないで 結果を教える方が 今はいいんじゃないか」
「ありがとうございます では 参りましょう」

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