【完結】竜公子の婚約者

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一年後

満月の静かな夜

ハリ―とメルベルの結婚式が行われた


竜の国では
昼間ではなく 満月の夜に 結婚式が
行われる

月の力と 竜の力が 1番相性が良いときが
満月なのだ

国をあげての 
1年時間をかけて行われた結婚式

各国を招いて 盛大に行われた

もちろん王国からも
王妃 王太子 エドモンド そして第一王女が
出席した

第一王女とカイの婚約式は
昼間に行われた
余談である



「汝 メルベル リンドと その生涯を
共にすると誓えるか?」
「誓えます」
「汝 竜人である ハロルドと その生涯を
共にすると誓えるか?」
「誓えます」
「では ハロルドの血をメルベルに」
コクンと頷いたハリ―
綺麗な皿に乗せてあるナイフをとり
指を少し切り
小さなグラスに 1滴たらす

それをメルベルに差し出す
受け取ったメルベルが
口にグラスを持っていき
ハリ―の血で唇を湿らせ
体内に入れる

すると
ほんわりと メルベルが光る

それを見た 参列客は
割れんばかりの拍手

メルベルが半竜人

竜の力はないが つがいとして
ハリ―と同じ長さいきていける
事の 証が 光なのだ

「メル これで一緒に生きていける」
「はい ハリ―とずっと 一緒に生きれるのね
嬉しい」

そう言って 誓いのキスを


また 拍手が盛大に沸き起こった




式も終わり 
宴に移ったころ
抜け出した二人


「ねえ ハリ―
覚えてる?」

「ん?」

「1年前 
うちの 屋敷を 夜散歩してて
ハリ―が嬉しいから飛んでもいい?って
飛んでた姿を 見て
凄く綺麗で 私が感動したこと」

「うん 覚えてるよ」

「あのときと 同じように 飛んでくれる?
美しい姿をもう一度見たいわ」

「いいよ 奥様!」
チュ!

「じゃとぶよ!」

そう言ってハリ―が満月の夜に
竜の姿で飛んだ

「やっぱり 綺麗よ」
うっとりしながら 見つめるメルベル

それから 何年経っても
満月に竜が飛ぶ姿が見られた
その度に皆は
メルベル様の為にハロルド様が飛んでいるのだと 仲の良さを 微笑ましく思ったと言う






歩いてきた 鳥の首に手を回し
すりすり

「きゅ~~」
「とりさんもうれしい?
メルもうれしい!」






【完】






お読みいただきありがとうございました
_(._.)_
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