【完結】竜公子の婚約者

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王宮に着き手続きを済ませ
国王に面会出来る様になった

王座のある部屋の隣に通されて
暫く待たされた

「結構待ちますね」
メルベルが小さい声で ハリ―に話しかける

「そうだが
帝国では 面会を申し込んだら
2日は待たされるからな
それを考えたら 早いほうだな」
「まぁ そんなに!
それでしたら 我が儘ですわね
待ちますわ」

緊張しているのか 喉が乾いてきた

コンコン

「失礼いたします
お茶をお持ちしました」

皆に紅茶を配り始めた

「ハリ―様
まず 飲ませていただきます」
侍従の方一人が毒味を買ってでる

ゴクリ

「大丈夫です」

「うむ」
ゴクリ

それを見たメルベルも ゴクリ

喉を潤して暫くすると

「お待たせいたしました
陛下がお会いになります」

隣の部屋へと案内された
王座には
新国王陛下が座っている

「その方達が
帝国のハロルド皇太子と
帝国からの使者
リンド伯爵一行か」

「陛下にはお初にお目にかかります
本日は いきなりの会談をお許しいただき
ありがとうございます」
ハリ―が口上を述べた

「うむ 帝国の皇太子を立たせての会談は
申し訳ない 座って貰おう
掛けてくれ」

椅子が持ち込まれ 着席をうながした

「心遣いありがとうございます」

一礼して全員座る

「それで
 リンド伯爵のメルベル嬢との婚姻
それにともない リンド伯爵領の
帝国への合併
こちらへは 金でそれを補償すると
伺っているが 間違いないかな?」

「はい 間違い御座いません
皇帝よりの 親書に 全て書いております」

「ふむ 親書をこれに」

側近が 国王に捧げる

「ほう かなりの金額だな
それほどの価値が
メルベル嬢にあるということか
素晴らしい」

言い方に少し いやらしいなと
ハリ―達は思った


「成る程 そうだなぁ…」
考えていらっしゃるようだ

その時
メルベルの視界がぐらりとゆれた

「あれ?」
「どうした メル」
「いしき……が……は…り……ぃ…」
椅子から メルベルが倒れ
続いてリンド伯爵

「貴様 何を!」
「ふふふ ほざけ!」

ハリ―は立ち上がろうとしたが
立てなかった

「なんだ この椅子は!」

「知らんのか
教えてやろう
その椅子には
 竜の力 体力を奪う石が使ってある
お前達はもう 動けない
さあ 縛ってしまえ!」
「はっ!」
兵隊達が 石が混ぜられた縄で
竜人達は縛られた

「くそ!メル達に毒を盛ったな!」
「心配するな まだ死んでないからな
死なさんよ 大事な人質だからな
人間より強いと言われる竜も
笑えるわ!ざまぁない!アハハハハ」





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