【完結】竜公子の婚約者

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空に上がると
恐怖よりも
楽しさが先にきた

「凄い!
あんなにちっちゃい!

『メル 乗り出しちゃダメ』

「あ はい 気を付けます
でも ハリ―様
あんなに
 家とかちっちゃいんですよ
畑も
可愛いです!」

『いつも 見てるから 
でも 良かった
メルが 高いところ怖いって
そればっかりなら どうしようって
思ってたから』

「背中に乗るにはやっぱりちょっと怖いけど
篭なら大丈夫みたいです」

『でも 暴れたりとか 乗り出したりは
ダメ』

「はい どれくらいでつくんですか?」

『飛んでるから 1時間ちょっとかな?』

「そんなに早いんですか?」

『馬より早いし 
目的地に真っ直ぐ飛べるから
これが馬車だと余計に遅くなる
だから メルの存在に気がついたときは
ようやく 長い距離が飛べるようになったばっかりで 
ここまで 飛んでこれたのを
皆 ビックリしてた 
それくらい つがいの意味も大きいんだけどね』

「そうなんですね」

『昨日も言ったけど
メルは狙われる可能性が高いから
絶対 1人にならないで
僕と一緒にいて
こんな事は伝えたくないけど
2番目の 兄が 多分狙ってくる』

「皇帝の椅子をめぐっての争いですか
他のご兄弟の公子様達は 
大丈夫なのですか?」

『うん 他は 凄く仲がいいし
つがいを 見つける前の魔力でも
全然よわいから
それに 
皇帝になりたくないんじゃないかな?』

「え!そうなんですか?」

『僕もならないなら なりたくないけど
魔力が強いから
 義務は果たさなきゃと思うし
2番目の兄は 
兄弟の中で 僕に次いで 魔力が強いんだ
だから 
諦めきれないのかもしれない』

「分かりました
1人にならないように 気を付けます」

『うん お願いする』

「皇帝陛下と皇后様は 
どんな方なのですか?」

『心配はないよ
あ~1つ 先に言っとくね』

ドキドキ
厳しくていらっしゃるのかしら
気を引き締めていかなくちゃ


『あのね 凄く……』

ドキドキドキドキ

『イチャイチャするんだ
子供の前でもお構いなしで』

「はぁ……イチャイチャですか」

『うん 
竜ってそこまで 子供を産まないんだ
平均的には2人 
母上は 5人
何代か前に人間の血が混ざっているから
普通より多いと思いたいんだが
イチャイチャが 過ぎるからとか
思ってしまう』

そんなに イチャイチャなのね
つがいって 本能的な物だから
抑えられないのかも


『でも メルの事は歓迎してるから
心配しないで
叔父上達も 会いたがってる』

「そうなんですね
でも 
ドキドキは止まらなそうです」

『そうだね
メル
可愛い』

また そんな事をさらりと言うんだから
もう 心臓がもたないわ
大丈夫かしら


『もうすぐで 着くよ
ほら 前に建物がみえてきた』

確かに 建物が沢山
奥には
大きな宮殿が
キラキラ輝いていた
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