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いざというときの就職先はこれに決まり!
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懺悔室にいらっしゃるのだろう神父様の
声が導く
ああ 気が休まる
ここ数年 オリオン陛下のなさる事で
国は盛り返してきたものの 全盛期には
いまだ及ばず 原因といえば 先の国王陛下達の婚姻からの こだわり
それで 主要貴族たちがサウル王国へと
移ってしまった
それでもなお ブレシア公爵家の女性に拘るのか
今回もブレシア公爵からサウル王国のレイン公爵へと嫁いだ リザ様のお子様クリスティーナ様への婚姻のお話だ
はぁやれやれ
肩を落とし ため息を付く私を見て
「何か お気になさることがあるようですね」
神父様が 優しく聞いてくださる
「はい 実は……」
ポツポツと話し始めた私の話を
静かに聴いてくださる
「懺悔と言うよりは 愚痴になってしまいました」
「構いませんよ 貴方の御心のままに
お話ください ここで貴方がお話されたことも何かを行ったとしても 私の口が語ることはありません」
「神父様……ありがとうございます」
「どうですか?お心は軽くなりましたか?」
「そうですね ただやはり 任務は行わないといけないので……」
「そうですね 根本から解決せねば
ずっとそのままでしょうから 貴方には
ご家族は?」
「いえ もう誰もおりません 両親も早いうちに亡くなり 兄弟はおりません」
「そうですか」
「何故です?」
「私のつぶやきです これは…」
「?呟き?」
少しの間があり
「グリド王国に 肉親が居ないのであれば そんな納得できない任務は 放りだして
別の国に行ってもいいんじゃないのかな? ねえ 女性にこだわって 国を衰退させて それなのにまた 同じことを繰り返す 王族の我儘にこれ以上付き合うこともない筈だよ 馬も逃げちゃったことだし 服も着替えて 着ていた服もビリビリにしちゃったら 獣に襲われちゃったって 思ってくれるかも」
「!」
「呟きじろーでした…」
「神父さ……ま……」
その呟きは 神からの啓示だったのでしょう
私の心は 重荷から解き放たれたのです
その後は 早かった
すぐに 服を用意されて 着替えた後に
何故か用意されていたのか 血糊を 着ていた服につけられ 獣に襲われたかのように
ビリビリと破かれました
フードを深く被った神父様は
「さぁ これで貴方は自由です」
「ありがとうございます 何から何まで…感謝いたします」
「いいえ 神の思し召しです」
「あっ」
「どうされましたか?」
カバンの中から 書状を取り出し
「これは どうしましょう」
困りました
「ちょうど裏で焚き火をしておりますよ」
「ああ それは良いですね」
裏の方に回ったら 焚き火をされていたので ポイッと書状を投げ入れました
「もう 思い残すことはなかったようですね」
「えぇ これで身軽になれました
神父様 ありがとうございます」
「いいえ ほんの少しの呟きでございます あぁ 馬を探しにどなたか いかれておりましたね 戻られたらお話しておきましょう 馬は何処かに放しておきましょう」
「何から何まで 本当にありがとうございます ではこれにて」
「お気をつけて 貴方に幸あらんことを祈っております」
私は 一歩歩きだすことが出来た
声が導く
ああ 気が休まる
ここ数年 オリオン陛下のなさる事で
国は盛り返してきたものの 全盛期には
いまだ及ばず 原因といえば 先の国王陛下達の婚姻からの こだわり
それで 主要貴族たちがサウル王国へと
移ってしまった
それでもなお ブレシア公爵家の女性に拘るのか
今回もブレシア公爵からサウル王国のレイン公爵へと嫁いだ リザ様のお子様クリスティーナ様への婚姻のお話だ
はぁやれやれ
肩を落とし ため息を付く私を見て
「何か お気になさることがあるようですね」
神父様が 優しく聞いてくださる
「はい 実は……」
ポツポツと話し始めた私の話を
静かに聴いてくださる
「懺悔と言うよりは 愚痴になってしまいました」
「構いませんよ 貴方の御心のままに
お話ください ここで貴方がお話されたことも何かを行ったとしても 私の口が語ることはありません」
「神父様……ありがとうございます」
「どうですか?お心は軽くなりましたか?」
「そうですね ただやはり 任務は行わないといけないので……」
「そうですね 根本から解決せねば
ずっとそのままでしょうから 貴方には
ご家族は?」
「いえ もう誰もおりません 両親も早いうちに亡くなり 兄弟はおりません」
「そうですか」
「何故です?」
「私のつぶやきです これは…」
「?呟き?」
少しの間があり
「グリド王国に 肉親が居ないのであれば そんな納得できない任務は 放りだして
別の国に行ってもいいんじゃないのかな? ねえ 女性にこだわって 国を衰退させて それなのにまた 同じことを繰り返す 王族の我儘にこれ以上付き合うこともない筈だよ 馬も逃げちゃったことだし 服も着替えて 着ていた服もビリビリにしちゃったら 獣に襲われちゃったって 思ってくれるかも」
「!」
「呟きじろーでした…」
「神父さ……ま……」
その呟きは 神からの啓示だったのでしょう
私の心は 重荷から解き放たれたのです
その後は 早かった
すぐに 服を用意されて 着替えた後に
何故か用意されていたのか 血糊を 着ていた服につけられ 獣に襲われたかのように
ビリビリと破かれました
フードを深く被った神父様は
「さぁ これで貴方は自由です」
「ありがとうございます 何から何まで…感謝いたします」
「いいえ 神の思し召しです」
「あっ」
「どうされましたか?」
カバンの中から 書状を取り出し
「これは どうしましょう」
困りました
「ちょうど裏で焚き火をしておりますよ」
「ああ それは良いですね」
裏の方に回ったら 焚き火をされていたので ポイッと書状を投げ入れました
「もう 思い残すことはなかったようですね」
「えぇ これで身軽になれました
神父様 ありがとうございます」
「いいえ ほんの少しの呟きでございます あぁ 馬を探しにどなたか いかれておりましたね 戻られたらお話しておきましょう 馬は何処かに放しておきましょう」
「何から何まで 本当にありがとうございます ではこれにて」
「お気をつけて 貴方に幸あらんことを祈っております」
私は 一歩歩きだすことが出来た
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