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疲れていたのか 短い時間だったが
よく眠れた
そんな自分に驚いて
「んー私は繊細なお姫様では……?」

喉が乾いたのとお腹が空いたので
厨房に行こうと ワンピースに自分で着替えて ドアを開けようとするが…開かない
鍵がかかるわけでもないのだが
少し力を入れて押すと

「ん……!ソフィア様!」
「ルイス!あなた 一晩そこに?」
「はい!お話がしたくて……一秒でも長く……」

「ふう 厨房に行こうと思うのだけど
護衛をお願いできるかしら」
「畏まりました」
そういった途端
何故か抱きかかえられた

「あの……ルイス?
何故か抱きかかえられているのだけれども……」

「起きてすぐですから
足に力が入らなくて 転ばれてしまわれるかもしれません」
「それは 無いと思うけれども
それを言うなら 貴方も起きたばかりでしょう?」
「日頃鍛えておりますし 大丈夫です」

「………そう?」

「……はい」

残りの時間が少ないことを知っている二人
恥ずかしさを何処かに置いてきたらしく

ルイスの首に手を回すソフィア
黙ってソフィアを抱きかかえるルイス

喋ることもなく 厨房へ到着

「これは!ソフィア様!
いかがなさいました?」

料理長がソフィアの姿を確認して
飛んできた

「少し喉が乾いたのと お腹がすいたの
何かあるかしら 簡単なもので」

「畏まりました すぐ用意いたします」

「ありがとう
あぁあと ルイスの分もお願いできるかしら」

「畏まりました お二人分ですね」

「えぇお願いね」

待つこと 5分

「ソフィア様 此方に用意いたしました」

料理長がやや大きめのバスケットを
持ってきてくれた

「此方に お二人分の軽食と飲み物を入れております」

ルイスが預かる
「料理長 いつもありがとう!」

料理長や皆に話は伝わっているのだろう
みんな集まってきて

「姫様 俺たちも最後まで考えますからね 姫様もあきらめないでくださいね」
「そうてすよ!姫様の加護のついた
おくるみで うちの赤ちゃんは ハッピーになるんですから あと半年後の話ですからね」
と言って 少し膨らんだお腹のキャリーが近づく

「俺も…!」「あたしも姫様に加護付きのハンカチ縫ってもらうんだから」
「私も…!」
それぞれが話しかけてくる

「みんな ありがとう
忘れないわね!」
寂しくなってルイスの手を引き
厨房を出た


「何処か 食べるところはないかしら」

「それならソフィア様も知らない所へご案内いたします」
ルイスは片手でバスケットをもち
空いた手でソフィアの手を引く

途中 低い木のあたりから
(ガサガサッ)
ビク!となるルイス

それを見て

「クスッ」

「笑いましたね」

「だって あの時と同じ……プッ」

「ソフィア様!………やっと笑ってくださいましたね 目的地はすぐそこです」
ソフィアに優しく微笑むルイス

その笑顔にドキドキしながら
素知らぬ顔で

「そうなの」

素っ気なくかえすのだった

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