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「我が国は武力では 負けてしまいますし 人が一人動けば良い話です
政略結婚となんら変わりはございません
王族の努め…義務でございますから」

「なんて事……早まってしまったのね
私が持っていれば それだけで……ソフィアの将来が……あぁ!」
お祖母様がお泣きになってしまった
お祖母様を助けるようにお祖父様が
抱きしめている

「ソフィア 何か交渉する物がないか
探してみる 早まるな!」
「お父様 良いのです
ただ……」
「ただ なんだね?言ってごらん」

ルイスの事が胸を熱くも痛くもさせるが

「女神様に靴を差し上げる約束をしております 2日程猶予をいただきたいのです」

「女神様に……わかった
その間私達も何か案を考えてみよう」
「ありがとう存じます」

そのままソフィアは部屋へ戻った
今はソファに座っているが
どうやって歩いてきたか 何も覚えていない……

「政略結婚と同じよ
何を悲しむことがあるの?
今初めて分かったことじゃないわ……」

自分に言い聞かせる

「ソファ様……」
カーラがハンカチを差し出している
「カーラ ハンカチなんて 要らないわよ?」

「ソファ様 涙を拭くのに必要なのですよ?」

「涙なんて流してないわ」

「失礼いたしますね」
そう言ってソフィアの手を取り
指を目尻につけると
「濡れておりますよ……」

泣いていた
気が付かないうちに
涙が溢れて 頬をぬらしていたのだ

「やだ……気が付かなかったわ
少し ホコリが入って痛かったのね」

「ソフィア様 どうぞお泣き下さい
私がそばにおります
扉の外にも誰も置きませんから
声をあげてお泣きになっても 大丈夫です」

「くっ…っ……かぁら……折角お祖母様に頂いた加護なのに……うっ………っ」
受け取ったハンカチがもう水分を含まなくなるまで泣いた……


数時間たって
「もう 今はお眠りになりますか?」

目が腫れてしまっているが
「いいえ 女神様の靴を作るわ
昔からの夢ですものね
あと2日しかないもの」

「そうでございますか
では カーラもお手伝いいたしますわ
思い出します アイリーン様のお手伝いを初めてやったときのことを ふふふ」
初めて裁縫の加護を見て
勝手に動く針やハサミ達
そして その出来栄えの良さと言ったら

「また 見せていたたくとは
光栄……いえ 僥倖ですわね」

「カーラ……ありがとう
さぁ 作りましょ!」

「はい!」
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