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前日譚・自己開発編
???日目
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ばちゅばちゅと淫猥な水音が、部屋に響き渡る。そのような行為を繰り返して、何日、何年経っただろうか。
雌の快楽を知って以来、自分を弄ぶ道具は日に日に増え、身体は回を重ねるごとに敏感になり、得られる快楽は初めの頃よりもずっと大きくなり、それを喜んで受け入れる、淫乱な自分がそこにはいた。
「イく、イくっーーー!!♡♡♡♡♡」
何度口走ったかわからない言葉と共に、今日何度目かわからない絶頂を迎える。快楽に全身を支配される感覚はすっかり俺を虜にし、俺はとうの昔に快楽の奴隷になっていた。
多幸感に浸るまま、絶頂したばかりの身体を再び弄ぼうとする。するとふと━━電源の消えたタブレットに映った、自分の顔が目に入った。
そこには一人で快楽を貪る者がいた。たった一人で身体を淫乱にし、誰にも愛されていないのに、愛欲を満たそうとする者がいた。
そう、気づいてしまったのだ。俺が本当に欲しかったのは、肉体的な快楽だけではなかった。
誰かに愛して欲しかった。その愛の営みを得られない寂しさを埋めるために、肉欲を満たし続けていたのだと。
その歪んだ欲を自分の身体にぶつけ続けた結果がこの、淫猥な身体なのだと、すっかり緩んだ後孔が示していた。
「━━っ!!!!!」
気づいてしまった途端に、胸の中が冷たい感情で満たされる。今まで見ないふりをしてきた寂しさは決壊し、俺はディルドを放り出してわんわんと泣き出していた。
誰にも愛されないから自分一人で満足しようと思っていたのに、それでは寂しさが増すだけだと理解してしまったら、俺は一体どうすればいいのか。
暗い井戸の中に一人取り残されたような、寒さと絶望感に、泣き疲れるまで泣き喚いて、そのまま体力を失い、意識が落ちた。
振り返って思えば、主は俺の内心を全てご存知だったのだろう。俺が自慰に耽っていることも、それだけでは満たされないことも。
だからその翌日に、俺が雷に打たれ、後の生涯のパートナー、紺碧さんと出会ったことは、全て主のご意志だったのだろう。
雌の快楽を知って以来、自分を弄ぶ道具は日に日に増え、身体は回を重ねるごとに敏感になり、得られる快楽は初めの頃よりもずっと大きくなり、それを喜んで受け入れる、淫乱な自分がそこにはいた。
「イく、イくっーーー!!♡♡♡♡♡」
何度口走ったかわからない言葉と共に、今日何度目かわからない絶頂を迎える。快楽に全身を支配される感覚はすっかり俺を虜にし、俺はとうの昔に快楽の奴隷になっていた。
多幸感に浸るまま、絶頂したばかりの身体を再び弄ぼうとする。するとふと━━電源の消えたタブレットに映った、自分の顔が目に入った。
そこには一人で快楽を貪る者がいた。たった一人で身体を淫乱にし、誰にも愛されていないのに、愛欲を満たそうとする者がいた。
そう、気づいてしまったのだ。俺が本当に欲しかったのは、肉体的な快楽だけではなかった。
誰かに愛して欲しかった。その愛の営みを得られない寂しさを埋めるために、肉欲を満たし続けていたのだと。
その歪んだ欲を自分の身体にぶつけ続けた結果がこの、淫猥な身体なのだと、すっかり緩んだ後孔が示していた。
「━━っ!!!!!」
気づいてしまった途端に、胸の中が冷たい感情で満たされる。今まで見ないふりをしてきた寂しさは決壊し、俺はディルドを放り出してわんわんと泣き出していた。
誰にも愛されないから自分一人で満足しようと思っていたのに、それでは寂しさが増すだけだと理解してしまったら、俺は一体どうすればいいのか。
暗い井戸の中に一人取り残されたような、寒さと絶望感に、泣き疲れるまで泣き喚いて、そのまま体力を失い、意識が落ちた。
振り返って思えば、主は俺の内心を全てご存知だったのだろう。俺が自慰に耽っていることも、それだけでは満たされないことも。
だからその翌日に、俺が雷に打たれ、後の生涯のパートナー、紺碧さんと出会ったことは、全て主のご意志だったのだろう。
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