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前日譚・自己開発編

2日目

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 ……あれほど準備が面倒だと感じていたのに、後片付けも面倒なのに。
何故俺はまた腸内を洗浄し、ケツにディルドを突っ込んでいるのだろう。
初回に感じた快楽は、忘れ難いほど強烈なものではなかったはずだ。むしろ前を弄らないとイけないほど微妙なものだったはずだ。
なのになぜか、俺はまたディルドで前立腺を責め立てている。
浅いところをくぽくぽと責めるのが心地よい。どうやらここが前立腺のいいところのようだ。

「~~~~っ!」

確かに快感は感じる。体内から竿の先端まで走るような快楽が、身体の中を走っていくのを感じている。
だが、イけない。それだけでは到底イけそうなほど強い快楽ではなかったのだ。

「もっと、もっと欲しい……」

ディルドに体重をかけ、身体の奥深くまで沈める。圧迫感と非支配感が脳天を支配する。だがそれはあくまで雰囲気であって、絶頂に達するほどの快楽を寄越してはくれないのだ。
もどかしい。もっと刺激の強いものが欲しい。
そう感じていた俺は、ベッドの上に固定していたディルドに対して、腰を振り始めていた。

ぬちゃぬちゃとローションが音を立てるのも構わず、俺は更なる快楽を求めてディルドに対して身体を上下させていた。
もっと欲しい。もっと強く責め立てて欲しい。もっと愛して欲しい。そんな思いから必死に腰を振るも虚しく、前立腺から与えられる快楽ではイけそうにない。

「……っ!ダメだ、もう我慢できない!」

俺は堪えきれずに男性器を掴み、ローションの残る手でそれを上下に擦らせる。
変わらず腰を振りながらも性器を掴む手も上下させ、前立腺と性器への刺激で、あっという間に射精へと至った。

「はぁ……やっぱり前立腺だけだと無理なのか……?」

ディルドからの刺激は確かに気持ちいい。けれど、イチモツへの刺激はわかりやすく快楽を与えてくれて、絶頂へと導いてくれるため、安易に手を伸ばしてしまいやすいのだ。それを我慢して前立腺だけでイこうとするには、まだ経験が足りないように思えた。
 精を吐き出したそれは、まだ精力を保っている。今日はこの調子でもう一回遊んでも問題なさそうだ。

「……もう少しだけ、続けてみるか。もう少しだけ……。」

そう呟いて、俺は再びディルドを身体の奥深くまで捩じ込んだ。
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