81 / 86
【外伝】隠しダンジョン
妖精の森 1
しおりを挟む
※ゲームをノベライズしたような小説ですので、隠しダンジョンが存在します※
イベント発生条件:
メネ・ウロスをクリア後、コルヴァ東側の森のある座標に行く。
時折、耳にする噂話。この世界のどこかに、妖精が暮らす森があるという。かれらは町に住む妖精とは相容れず、人の住む場所には近寄らないそうだ。
北方の国コルヴァには、東西ふたつの森がある。ライカ達が東側の森を探索していると、こういう場でよく感じるのと違うざわめきが気になった。最も旅の経歴が長いヴァルの頭には、噂がよぎる。なんとなく、獣でも魔物でもない何かがいるように思った。
「そういや、ここって幻覚系の魔物が出るんだよな」
「あ。私も前に遭ったなあ、猫っぽいやつ。他にもいるの?」
「本体は見てねえが、ぐるぐる同じ所を歩かされた。引き返せばすんなり帰れたから、魔物以外に何かいるのかも……例えば、妖精とか」
ヴァルの読みにライカは納得の表情だが、他の皆は意外そうだ。首を傾げる者もいる。
「妖精って、町の工房で細工師とかやってる? どうして森にいるんだい」
「染め物の材料集めをする姿なら、神殿の記録にあった気がするぞ」
キョウネとセルが口々に言うのは、住居が町にある、いわゆる町妖精のことだ。ヴァルはくすりと笑って肩をすくめた。
「妖精だけの集まりで暮らす場所が、どこかにあるって噂なんだよ。あくまで噂、だけどな」
人里を離れれば魔物が増える。体の小さな妖精達が、果たして無事に暮らせるのだろうか。言葉の裏にはそんな疑問が見えた。
(私達とは違った力があるのかな? でないと、森で暮らすのは大変だもの)
コリトの暮らしと重ねあわせて、ユニマが考えこんだ時、不自然な風が吹いた。
「ひゃっ」
彼女の髪を揺らした「それ」は、悲鳴が終わらないうちにライカの短い後ろ髪も掠める。ユニマと自分の立ち位置から風の動きを予測して、ライカは空中に左手を伸ばした。が、何も捕まえることはできない。代わりに尖ったものが指を傷つけていた。
「う~ん、何者だろうね?」
血がにじんだ親指をなめてから広げた掌には、小さな小さな笛がある。
「あれれ、こういうの取っちゃうつもりなかったんだけど……まだ近くにいるかな」
「じゃあ、どういうつもりなんですかっ! 脅かさないでほしいです!」
聞き慣れない声がして、皆の目線は一カ所に集まった。
(さっきまでは、見えなかった。どうなっている?)
セルが顔をしかめるのは、半分は目の前に現れた者の声が甲高いせいだ。手の上にすっぽり収まるほどの身長から考えると当然だが、どうにも耳が痛い。笛の持ち主は、透き通った羽を素早く動かして空中に浮かぶ人だった。羽と体の大きさ、尖った耳の他は人間と大差ない。弓を構えているものの、つがえる矢は菓子を食べるピックほどだ。
「いたいた、妖精さん? 私達もびっくりしたんだよ、お互い様でしょ」
妖精の剣幕と比べたら大人しいが、ライカも頬を膨らませている。
「妖精って呼ばないで!」
「よく分かんないけど……これは返すから、脅かしたわけを教えてよ」
「ふん!」
差し出された掌の笛をひったくると、妖精はまた姿を消した。そして何も言わずに、気配は茂みの向こうに遠のいて行く。
「何だったんだ、今のは。見た所、町の妖精と変わらないぞ」
「さあ? でも悪気はなさそう」
ライカは茂みに目を凝らしながら、ついさっきの情景を思い浮かべる。笛を取る時、妖精はライカの指の傷に気付き、しまったという顔をした。あちらも、怪我をさせるつもりはなかったのかもしれない。
「飛んで行ったのは向こうだな。どうする、追いかけてみるか?」
ヴァルが顎で指す茂みに、皆の目線が集中する。
「まあ……何か、煮え切らねえよな」
トラメの態度は曖昧だ。妖精の言う事は気になるが、追われては困るように感じられた。どんな芸当か、姿を隠して暮らしているようでもある。
「妖精って呼ぶな、ってのは気になるけどねぇ……ヴァル、あんたが一番追っかけたいんだろ?」
「冒険大好き知りたがり兄貴だもんね。すぐ見つけたらラッキー! ってことで、少し探してみようか?」
キョウネとライカの言葉に、セルが小さく溜め息をつく。パーティの年長者として道を示すことの多いヴァルも、好奇心には勝てないらしい。
(もとより、彼は冒険者だからな。あの意味深長な台詞を聞けば、惹かれもするか)
「おー、ばれてる。実は前々から、妖精の町を探してみたくてさ。悪ぃけど付き合ってくれな」
浮かべる笑みは普段より幼く、無邪気な少年を思わせた。この好奇心に任せて、各地を旅して来たのだろう。
茂みを分けて、そっと森の奥に入って行く。魔物に対して出遅れてはまずいが、各々の武器は収めて歩いた。妖精達がピリピリしているせいか、空気がしんと静まり返って風が止んでいる。物音に気を配れば不意打ちを食らうこともないだろう。
「────」
小鳥が揺らした葉の擦れ。自分達の靴が土を踏む。あとは静かで、しん、と音がするようだ。そこに微かな揺らぎを聞き取り、キョウネの歩みが瞬間止まる。
(近くにいる。が、敵意は無しか。ここはひとつ、向こうから声がかかるまで黙っておこうかね)
やがて他の皆も違和感を持って周囲を見たり、首を傾げたりしたが、キョウネと同じく何も言わなかった。
「まだ進むの?」
「帰らないの?」
「命があるうちに引き返せばいいのに」
聞こえ始めたのは高音のざわめき。四方八方から囁かれるそれは、妖精のものと知らなければさぞ不気味だろう。ライカ達は立ち止まり、各々の死角を補うようにあちこちを向いた。
「ねえ、帰ったほうがいいよ」
「ほらほら、こわーい魔物が来るよ」
「みんな、やめて!」
ひとりが声を張り上げると、不穏なざわめきは止んだ。木の葉の間から、先程の妖精が姿を表す。今は、笛を細長い鞄に入れている。それを手に持つことで姿を隠しているのかもしれない。
「あなたたち、何をしにここへ来たんです?」
緊張感を持った妖精に、まずライカは名乗ってから話し始めた。
イベント発生条件:
メネ・ウロスをクリア後、コルヴァ東側の森のある座標に行く。
時折、耳にする噂話。この世界のどこかに、妖精が暮らす森があるという。かれらは町に住む妖精とは相容れず、人の住む場所には近寄らないそうだ。
北方の国コルヴァには、東西ふたつの森がある。ライカ達が東側の森を探索していると、こういう場でよく感じるのと違うざわめきが気になった。最も旅の経歴が長いヴァルの頭には、噂がよぎる。なんとなく、獣でも魔物でもない何かがいるように思った。
「そういや、ここって幻覚系の魔物が出るんだよな」
「あ。私も前に遭ったなあ、猫っぽいやつ。他にもいるの?」
「本体は見てねえが、ぐるぐる同じ所を歩かされた。引き返せばすんなり帰れたから、魔物以外に何かいるのかも……例えば、妖精とか」
ヴァルの読みにライカは納得の表情だが、他の皆は意外そうだ。首を傾げる者もいる。
「妖精って、町の工房で細工師とかやってる? どうして森にいるんだい」
「染め物の材料集めをする姿なら、神殿の記録にあった気がするぞ」
キョウネとセルが口々に言うのは、住居が町にある、いわゆる町妖精のことだ。ヴァルはくすりと笑って肩をすくめた。
「妖精だけの集まりで暮らす場所が、どこかにあるって噂なんだよ。あくまで噂、だけどな」
人里を離れれば魔物が増える。体の小さな妖精達が、果たして無事に暮らせるのだろうか。言葉の裏にはそんな疑問が見えた。
(私達とは違った力があるのかな? でないと、森で暮らすのは大変だもの)
コリトの暮らしと重ねあわせて、ユニマが考えこんだ時、不自然な風が吹いた。
「ひゃっ」
彼女の髪を揺らした「それ」は、悲鳴が終わらないうちにライカの短い後ろ髪も掠める。ユニマと自分の立ち位置から風の動きを予測して、ライカは空中に左手を伸ばした。が、何も捕まえることはできない。代わりに尖ったものが指を傷つけていた。
「う~ん、何者だろうね?」
血がにじんだ親指をなめてから広げた掌には、小さな小さな笛がある。
「あれれ、こういうの取っちゃうつもりなかったんだけど……まだ近くにいるかな」
「じゃあ、どういうつもりなんですかっ! 脅かさないでほしいです!」
聞き慣れない声がして、皆の目線は一カ所に集まった。
(さっきまでは、見えなかった。どうなっている?)
セルが顔をしかめるのは、半分は目の前に現れた者の声が甲高いせいだ。手の上にすっぽり収まるほどの身長から考えると当然だが、どうにも耳が痛い。笛の持ち主は、透き通った羽を素早く動かして空中に浮かぶ人だった。羽と体の大きさ、尖った耳の他は人間と大差ない。弓を構えているものの、つがえる矢は菓子を食べるピックほどだ。
「いたいた、妖精さん? 私達もびっくりしたんだよ、お互い様でしょ」
妖精の剣幕と比べたら大人しいが、ライカも頬を膨らませている。
「妖精って呼ばないで!」
「よく分かんないけど……これは返すから、脅かしたわけを教えてよ」
「ふん!」
差し出された掌の笛をひったくると、妖精はまた姿を消した。そして何も言わずに、気配は茂みの向こうに遠のいて行く。
「何だったんだ、今のは。見た所、町の妖精と変わらないぞ」
「さあ? でも悪気はなさそう」
ライカは茂みに目を凝らしながら、ついさっきの情景を思い浮かべる。笛を取る時、妖精はライカの指の傷に気付き、しまったという顔をした。あちらも、怪我をさせるつもりはなかったのかもしれない。
「飛んで行ったのは向こうだな。どうする、追いかけてみるか?」
ヴァルが顎で指す茂みに、皆の目線が集中する。
「まあ……何か、煮え切らねえよな」
トラメの態度は曖昧だ。妖精の言う事は気になるが、追われては困るように感じられた。どんな芸当か、姿を隠して暮らしているようでもある。
「妖精って呼ぶな、ってのは気になるけどねぇ……ヴァル、あんたが一番追っかけたいんだろ?」
「冒険大好き知りたがり兄貴だもんね。すぐ見つけたらラッキー! ってことで、少し探してみようか?」
キョウネとライカの言葉に、セルが小さく溜め息をつく。パーティの年長者として道を示すことの多いヴァルも、好奇心には勝てないらしい。
(もとより、彼は冒険者だからな。あの意味深長な台詞を聞けば、惹かれもするか)
「おー、ばれてる。実は前々から、妖精の町を探してみたくてさ。悪ぃけど付き合ってくれな」
浮かべる笑みは普段より幼く、無邪気な少年を思わせた。この好奇心に任せて、各地を旅して来たのだろう。
茂みを分けて、そっと森の奥に入って行く。魔物に対して出遅れてはまずいが、各々の武器は収めて歩いた。妖精達がピリピリしているせいか、空気がしんと静まり返って風が止んでいる。物音に気を配れば不意打ちを食らうこともないだろう。
「────」
小鳥が揺らした葉の擦れ。自分達の靴が土を踏む。あとは静かで、しん、と音がするようだ。そこに微かな揺らぎを聞き取り、キョウネの歩みが瞬間止まる。
(近くにいる。が、敵意は無しか。ここはひとつ、向こうから声がかかるまで黙っておこうかね)
やがて他の皆も違和感を持って周囲を見たり、首を傾げたりしたが、キョウネと同じく何も言わなかった。
「まだ進むの?」
「帰らないの?」
「命があるうちに引き返せばいいのに」
聞こえ始めたのは高音のざわめき。四方八方から囁かれるそれは、妖精のものと知らなければさぞ不気味だろう。ライカ達は立ち止まり、各々の死角を補うようにあちこちを向いた。
「ねえ、帰ったほうがいいよ」
「ほらほら、こわーい魔物が来るよ」
「みんな、やめて!」
ひとりが声を張り上げると、不穏なざわめきは止んだ。木の葉の間から、先程の妖精が姿を表す。今は、笛を細長い鞄に入れている。それを手に持つことで姿を隠しているのかもしれない。
「あなたたち、何をしにここへ来たんです?」
緊張感を持った妖精に、まずライカは名乗ってから話し始めた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる