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幼少期

宴会

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「冒険者か…。ははっ…、人助けがしたいとか、ユリカらしいなぁ…」
よしよしと撫でられるのは一向にかまわないのだが、(実際まだ十歳だし)含みのある言い方はいやらしいというか、どうとらえればいいかわからないといか…、面倒なので嫌だ。
「そういう、ルキは教えてくれないのですか?」
「ああ」
元から教える気がないらしく、ためらう様子もなくすぐに返事が返ってきた。
少しは考えろよ!
一応、相方として、聞いてみたかったものだが、本人が言う気がないならば仕方がないとあきらめることにした。
「まあ、いいですよ…。それで、いつ出発するんですか?」
「―――んー、いつ出発しようか?」
「いや、質問を質問で返さないでくださいよ」
こんなやり取りも気兼ねなく出来るようになったくらいに仲良くなれたのに、勝手にいなくなられたら寂しい。
せめて、送り向かいだけでも…と思ったのは友達として当然ではなかろうか。
「………明日にでも出発しようと思っている」
「随分と早急ですね」
理由を知りたいところだが、聞いてもなにも言わなさそうなので、なぜとは言わない。
ルキは居ずらそうに机の上にあったエールをガバッと飲み干す。
おいおい、急性アルコール中毒になっても知らんぞと思いながら一気飲みの様子を見た。
「おお!威勢がいいなルキ!俺も飲むか、がはははは!」
と、オヴギガは酒樽を手に取る。
いや、酒ってそうやって飲むものじゃないでしょ!
「ちょっと、飲み過ぎですよオヴギガさん。今日はもう止めてください!」
最近加わったばかりの新人君25歳が持っている樽を取り上げるが、オヴギガは「まぁまぁ、固いこと言うなよ、若いなぁ」などと言っている。
「ははは、新人君は世話焼きなようだな。いいお嫁さんになれるぞ!」
「お婿さんです!!!」
突っ込むところそこかぁ。
お酒とはそこまで安いものでもないだろうにと呟けば、ルキは「キュリアスに国が無料タダで提供してるんだ」と教えてくれた。
え、無料?国?
再びルキに質問を投げかけようとするとさっきのでもう酔ってしまったのか、独り言をブツブツと呟いている。
そして、楽しそうにちびちびと酒を飲んでいる。
そういえば、ルキは酒にそこまで強くなかったよなぁと思い出した。
「…逃げたな」
これじゃあ、今日はもうなにも聞けないだろう。
私はため息と共に100セント果汁みかんジュースを飲んだ。
昼頃にはほとんどの人がぐったりとしており、夜まで起きていたのは酒を飲まなかった私と、いつまでも飲んでいるキュリアスだけだった。
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