スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部

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2章 王都編

王都へ 2

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 俺たちは王都へ向けて出発する。
 ちなみに王都まではリブロから馬車で5日かかると言われている。

「王都からリブロへ来る途中、モンスターに襲われることはなかったから、王都へ向かう道中にモンスターから襲われることはないと思う。だが盗賊に襲われる可能性はあるから油断しないようにしてくれ」

 基本的にモンスターはダンジョン以外に生息することはなく、街から街への移動の際にモンスターから襲われることはほとんどない。
 襲われる可能性があるのは、ダンジョンからモンスターが溢れ出すダンジョン崩壊を起こした周辺の道を通る場合のみ。
 そのため、街から街への移動時に注意しなければいけないのが盗賊や山賊などの人間となる。

「じゃあまずは俺が運転しますので皆さんは休んでください」

 馬車の運転は交代で行うとのことなので、最初に俺が運転を行い、女性陣は馬車の中で親睦を深めてもらう。

(クレアにとっては全員がほぼ初対面だ。いっぱい話して仲良くなってもらわないと)

 そんなことを思いつつ、俺は久々に賢者さんを呼び出す。

「賢者さん、外でもモンスターの位置や人間の位置って分かるのか?」

『解、半径200キロメートルなら把握可能です』

「おぉ!半径200キロメートルも分かるのか!なぜ分かるのかは知らないが、さすが賢者さんだ!」

『もっと褒めてください』

「よっ!さすが賢者さん!女の子っぽい声も素晴らしいよ!」

『ありがとうございます。そんなに褒められると半径500キロメートルまで索敵範囲を伸ばしたくなります』

「えっ、そんなことできんの!?」

『まぁ無理なんですが』

「できないのかよ!」

 賢者さんに向けて大声でツッコむ。

「お兄ちゃん、さっきから1人でなに話してるのー?」
「馬車の中まで聞こえてきましたよ」
「1人が寂しいならカミトくんの隣に行くよ?」
「だ、大丈夫!何でもないから!」

 賢者さんとの会話が聞こえたのか、クレアたちが馬車の窓から顔を出して聞いてくる。

「そう?何かあったらすぐに言ってね?」
「あ、あぁ」

 ぎこちない返答に疑問を感じただろうが、追求されることなく3人は顔を引っ込める。

「ふぅ。なんとか誤魔化せたか」

『全く、しっかりしてください』

「お前のせいだけどな」

『………?』

「分からんのかい。お前、賢者だろ」

 そんな会話をしながら馬車を走らせた。



 その後も賢者さんと話し合い、モンスターと人間が半径2,000メートル以内に来た時だけお知らせするようお願いする。
 そして暇なので馬車の中にいる4人の会話に耳を傾ける。

「クレアちゃんは本当にカミトさんのことが好きなんですね」
「うん!お兄ちゃんよりカッコいい男なんかいないと思ってるからね!ってそうだ!ソフィアさん!王都では一夫多妻制ってあるんですか?」
「あぁ。優秀な遺伝子を引き継ぐ子供は多くないと困るから、強い冒険者や貴族になれば一夫多妻制を王都では認めてるぞ」
「じゃあ、お兄ちゃんは最強の冒険者だから、たくさんの奥さんを貰えるってことですか?」
「そうだな。カミトくんはS級冒険者になる予定だから、本人が望めばたくさんの奥さんを貰えるぞ」
「おぉー!ってことはお兄ちゃんが望めばソラさんとルーリエさんはお兄ちゃんと結婚できるんだね!」
「ふえっ!」
「か、カミトさんのお嫁さん……」

(なんて事言ってんだよ!頭、大丈夫か!?)

 我が妹の脳内が心配になる。

「って、ソラさんたちと結婚するにはお兄ちゃんがS級冒険者にならないとダメなんだった!えへへ~気がはやかったよ!」

 そして1人だけテンションが高い。

(クレアがみんなと仲良くなれたことに対しては嬉しいが……少しは落ち着いてほしい!)

 そんなことを思った。



 その後も馬車の中では1人だけテンションが高いクレアのトークに3人が耳を傾けている。

「アイツ、ずっと俺の話してるやん。聞かされるソラさんたちのこと考えろよ……というより、恥ずかしいからやめてほしい!」

 そんなことを思いつつも、馬車を停めてまで注意することでもないので我慢する。

 しばらく馬車を走らせていると…

「お兄ちゃん!この辺りで休憩するって!」
「了解!」

 窓から顔を出したクレアに返事をした俺は馬車を止める。

「お兄ちゃん、半日運転してくれてありがと」
「カミトさん。お疲れ様です」
「カミトくん、お疲れー!」

 3人が長時間運転した俺を労ってくれる。

「気にするな。クレアがみんなと仲良くなれたようで良かったよ」
「ふふっ、カミトくんは良いお兄ちゃんだね!」
「そうですね。クレアちゃんのお話を聞いて、お兄ちゃんしてるなーって思いました」
「クレアの話は忘れてくれ……」

 そんな感じで揶揄われつつ、俺たちは休憩を挟んだ。
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