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第一章★
021:大技の発動。
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――戦闘開始から15分後
■大凶高校_地下施設
(由川)
肩からはおびただしい量の血液が流れてくる。かなりの深手。傷跡は残りそう。
嫁入り前なのにどうしてくれるの。
こんなに血を流すのははじめてですの。
「……由川大丈夫か? 」
「大丈夫ですの。とにかくあなたはニシノを倒すことだけを考えるべきよ」
「……分かってるが奴は警戒してて、今はちっとも近づけないぞ」
ギターの攻撃は完全に相手にとって予想外だったのですね。ロックを感じますわ。
ある程度の手裏剣なら私の弓矢で弾けるけど大きすぎるともはや歯が立たない。それに大量だと捌ききれない。相性が悪い。
だけど、草野のギターアタックは実はとても使える。
ギターには大した感じはしないけど、
草野のもともとある高い身体能力とLvからさらなる身体能力の向上。
それを生かしたい。
私は頭をフルに回転させ考える。
その間にもニシノは次々と手裏剣をどこからか作り出している。
そろそろ一気に来るわ。
どうしよう。いや、そういえば……。
「草野!」
「……なんだ?俺がそろそろ手裏剣を弾きに行かないと由川が危ないぞ? 」
「違うわ。奴の手裏剣を弾くのは私がやります」
「いや、無理……なんじゃないのか?その怪我じゃ……」
「聞いて!ニシノの手裏剣はてっきり新しく産み出されていっているのかと思ってたけど違うみたいですわ」
「どういうことだ? 」
草野は疑問を持ち私に聞いてくる。
「手裏剣はリサイクルされてるのよ。だから一旦壊してしまえば再生に時間がかかるのよ」
「……本当か!? 」
「信じなさい!大丈夫ですの。そしてそれは私がやりますの。あなたはニシノにもっと接近してですの! 」
草野は頷く。
「……お前らは死ぬ。この大量の手裏剣はさすがに対処できまい」
手裏剣がうねりを上げ高速回転し始める。今までより遥かに多い手裏剣が奴の周りを浮遊している。
私は弓矢を構えた。
手に矢を出現させようとするが弓矢から音声が流れた。
━━━━━━━━━━━━━━━━
※技の発動の準備が整いました。発動しますか?★
【Yes 】【No 】
━━━━━━━━━━━━━━━━
私はいきなり出た音声にすぐさま答えた。
「使うですの! 」
技はLvが上がっていくと解放されていく。私は最初からこの技だけは取得できていた。
技というだけあって、かなりの存在の力を消費するようですけど勝つ可能性があるなら試す価値がある。
「行きますわよ草野!!! 」
「……ああ!しっかり頼む由川! 」
痛む肩の痛みに耐える。左手が青白く発光し、現れた矢を弓に装填しする。
━━━━━━━━━━
※技発動
―――――――――
★天の豪雨★
━━━━━━━━━━
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁっ! !!!」
私は矢を指から離す。
矢は轟音を放ちながらニシに向かっていく。大気を切り裂くように鋭くうねりを上げ突き進む。
「――!!! 」
刹那、異変が起こる。
矢は途中から方向転換をする。地下の天井へと向かい……そしてパンッと弾けた。
天井付近には、
大量の矢が出現した。
大量の矢は輝きながらニシノに降り注ぐ。それはまるで豪雨のようだった。
「があぁあァァァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァ!!!! 」
ニシノの周りに浮遊していた手裏剣は力をなくし地面にポトポトと落ちていく。
「 草野ぉ!今ですの!!! 」
草野は駆け出していた。
もはや手裏剣のコントロールどころではない大ダメージを受けたニシノは草野の接近にも気づけない。
「…………!?!? 」
草野はニシノの頭上を飛び越えた。
背後に回りまたギターを振り下ろす。
「……おぉォォごぶっ」
ニシノの頭からは血が吹き出す。
そのまま草野は蹴り飛ばす。
同時に爆弾を添えて。
爆発が起きる。
ニシノはまともに食らってしまう。
右半身の一部が吹き飛び血が吹き出している。
地面に落下する。
もはや立ち上がる気力もないようですの。
草野はそんなニシノに近づいていく。
「来るなぁぁあぁあァァァぁあァァァぁあァァあァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァ!!!来ないでくれェ!!!!嫌だァァ!!!!」
ニシノは叫ぶ。必死に逃げようとしている。だが、ダメージが大きすぎて身体がもう動かないようだ。
私も死にたくない気持ちは分かる。
草野はゆっくりとニシノに向かって歩み、右手にはまた爆弾。
草野は躊躇わず放り投げた。
轟音が地下に響き渡る。
ドサッと倒れる音がする。
ニシノはピクリとも動かなくなる。
それもそうだ。
黒く焦げた物体になっていた。
もはや誰なのかもわからない。
辺りには静寂が訪れる。
「………………」
「…………」
私は膝が震え疲労感がこみ上げてくる。
なるほど、これが存在の力を使った後の反動…。
「……大丈夫か? 」
「あなた……こそ大丈夫ですの? 」
「……まあな」
「ひとまず勝てましたですの」
「……なかなか強い相手だったな。
二人じゃなければ正直勝てなかっただろう…」
私はニシノを確認しに行く。
…どうやらもう死んでいるみたいだ。
吹き飛んだ右半身からは体からはおびただしい量の血が出ていた。
「うっ………… 」
生の死体を見るのは初めてだ。
しかも自分たちが殺したのだ。
同じ高校生を。
「…………」
ニシノの死体からはやがて白い煙が出始める。徐々に存在をなくすように半透明になっていく。
殺し合いに勝ったのになんか嫌な感覚だった。勝ったのにちっとも嬉しくない。
私達は固まっていた。
途方に暮れているのかもしれない。
ニシノは徐々に半透明になり消えていく。まるで…元々存在していなかったかのように……
■大凶高校_地下施設
(由川)
肩からはおびただしい量の血液が流れてくる。かなりの深手。傷跡は残りそう。
嫁入り前なのにどうしてくれるの。
こんなに血を流すのははじめてですの。
「……由川大丈夫か? 」
「大丈夫ですの。とにかくあなたはニシノを倒すことだけを考えるべきよ」
「……分かってるが奴は警戒してて、今はちっとも近づけないぞ」
ギターの攻撃は完全に相手にとって予想外だったのですね。ロックを感じますわ。
ある程度の手裏剣なら私の弓矢で弾けるけど大きすぎるともはや歯が立たない。それに大量だと捌ききれない。相性が悪い。
だけど、草野のギターアタックは実はとても使える。
ギターには大した感じはしないけど、
草野のもともとある高い身体能力とLvからさらなる身体能力の向上。
それを生かしたい。
私は頭をフルに回転させ考える。
その間にもニシノは次々と手裏剣をどこからか作り出している。
そろそろ一気に来るわ。
どうしよう。いや、そういえば……。
「草野!」
「……なんだ?俺がそろそろ手裏剣を弾きに行かないと由川が危ないぞ? 」
「違うわ。奴の手裏剣を弾くのは私がやります」
「いや、無理……なんじゃないのか?その怪我じゃ……」
「聞いて!ニシノの手裏剣はてっきり新しく産み出されていっているのかと思ってたけど違うみたいですわ」
「どういうことだ? 」
草野は疑問を持ち私に聞いてくる。
「手裏剣はリサイクルされてるのよ。だから一旦壊してしまえば再生に時間がかかるのよ」
「……本当か!? 」
「信じなさい!大丈夫ですの。そしてそれは私がやりますの。あなたはニシノにもっと接近してですの! 」
草野は頷く。
「……お前らは死ぬ。この大量の手裏剣はさすがに対処できまい」
手裏剣がうねりを上げ高速回転し始める。今までより遥かに多い手裏剣が奴の周りを浮遊している。
私は弓矢を構えた。
手に矢を出現させようとするが弓矢から音声が流れた。
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※技の発動の準備が整いました。発動しますか?★
【Yes 】【No 】
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私はいきなり出た音声にすぐさま答えた。
「使うですの! 」
技はLvが上がっていくと解放されていく。私は最初からこの技だけは取得できていた。
技というだけあって、かなりの存在の力を消費するようですけど勝つ可能性があるなら試す価値がある。
「行きますわよ草野!!! 」
「……ああ!しっかり頼む由川! 」
痛む肩の痛みに耐える。左手が青白く発光し、現れた矢を弓に装填しする。
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※技発動
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★天の豪雨★
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「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁっ! !!!」
私は矢を指から離す。
矢は轟音を放ちながらニシに向かっていく。大気を切り裂くように鋭くうねりを上げ突き進む。
「――!!! 」
刹那、異変が起こる。
矢は途中から方向転換をする。地下の天井へと向かい……そしてパンッと弾けた。
天井付近には、
大量の矢が出現した。
大量の矢は輝きながらニシノに降り注ぐ。それはまるで豪雨のようだった。
「があぁあァァァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァぁあァァ!!!! 」
ニシノの周りに浮遊していた手裏剣は力をなくし地面にポトポトと落ちていく。
「 草野ぉ!今ですの!!! 」
草野は駆け出していた。
もはや手裏剣のコントロールどころではない大ダメージを受けたニシノは草野の接近にも気づけない。
「…………!?!? 」
草野はニシノの頭上を飛び越えた。
背後に回りまたギターを振り下ろす。
「……おぉォォごぶっ」
ニシノの頭からは血が吹き出す。
そのまま草野は蹴り飛ばす。
同時に爆弾を添えて。
爆発が起きる。
ニシノはまともに食らってしまう。
右半身の一部が吹き飛び血が吹き出している。
地面に落下する。
もはや立ち上がる気力もないようですの。
草野はそんなニシノに近づいていく。
「来るなぁぁあぁあァァァぁあァァァぁあァァあァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァぁあァァァ!!!来ないでくれェ!!!!嫌だァァ!!!!」
ニシノは叫ぶ。必死に逃げようとしている。だが、ダメージが大きすぎて身体がもう動かないようだ。
私も死にたくない気持ちは分かる。
草野はゆっくりとニシノに向かって歩み、右手にはまた爆弾。
草野は躊躇わず放り投げた。
轟音が地下に響き渡る。
ドサッと倒れる音がする。
ニシノはピクリとも動かなくなる。
それもそうだ。
黒く焦げた物体になっていた。
もはや誰なのかもわからない。
辺りには静寂が訪れる。
「………………」
「…………」
私は膝が震え疲労感がこみ上げてくる。
なるほど、これが存在の力を使った後の反動…。
「……大丈夫か? 」
「あなた……こそ大丈夫ですの? 」
「……まあな」
「ひとまず勝てましたですの」
「……なかなか強い相手だったな。
二人じゃなければ正直勝てなかっただろう…」
私はニシノを確認しに行く。
…どうやらもう死んでいるみたいだ。
吹き飛んだ右半身からは体からはおびただしい量の血が出ていた。
「うっ………… 」
生の死体を見るのは初めてだ。
しかも自分たちが殺したのだ。
同じ高校生を。
「…………」
ニシノの死体からはやがて白い煙が出始める。徐々に存在をなくすように半透明になっていく。
殺し合いに勝ったのになんか嫌な感覚だった。勝ったのにちっとも嬉しくない。
私達は固まっていた。
途方に暮れているのかもしれない。
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