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覚悟

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颯はああ見えて勘の鋭い奴だ。

ただ単に世話係を引き継いだ訳では
ないこと、俺が美優さんと距離を
おいてた事にもちろん気付いている。

俺ははじめから親父の
跡継ぎ候補からは外されていた。
親父も翠さんの事に気付いてたからだ。

だから俺は、跡継ぎの素質がある男を
探していた。
そして出会ったら跡継ぎになる男を
鍛えようと思った。


ライ。

俺も、颯も、もう検討がついている。

小笠原組の跡継ぎが誰かを。

















だから、





















覚悟を決めろ。























翌朝、集合時間は夕方だったが、
俺は美優さんの病室へと向かった。

ポケットには、
数日前から用意したプレゼントを持っていた。

病室のドアを開けると、
颯さんが病室の花瓶の
水を変えていた。

「あれ?ライくん、早いね集合は夕方なのに」

美優さんは、学校に登校できない分
病室で勉強をしていた。


「ちょっと集合前に話があったので」
「話?なに?」

美優さんが俺を見つめる。


「あー美優さん、俺、ちょっと出掛けて来ますよ。親父の頼まれ事がありますので」
「わかった」


颯さんが俺の横を通りすぎた時、
すれ違いざまに俺の肩をぽんっと叩いた。

そして呟く。


"覚悟はできたか?"


俺は頷いた。
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