上 下
31 / 85

拭われた涙

しおりを挟む





「大丈夫ですか?」

血まみれの手に冷水を当て血を流す。
あまり深くはなかったのか、しばらくすると血は止まった。


俺は泣いたままの美優さんを、
ベットに座らせ、指で涙を拭う。
俺は床に膝まついた。


「美優さんどうして泣いてるのか話てもらえますか?(どうして後を追ったんだろう)」



「私、絢斗の事、昔から好きなの、、、多分」
「薄々は気づいてましたけど(やっぱり)」
「でも、、、昔、さっきの場所で、絢斗とあの人がキスしてて、、、」
「そうなんですか(好きな人のそんな所見たかねーよな)」
「絢斗が、、、私よりあの人の方が、、、好きって言ってる所、、、聞いちゃったの」
「、、、(修羅場か、絢斗さん翠さんの事やっぱ本気なんだな)」
「それから、、、絢斗を見ると、、」
「見ると?」
「、、、その時の映像がフラッシュバック、、、する事がある」
「!?フラッシュバック?(まさか体調悪いって)」
「さっきも、起きそうな感じがして、他に意識が行けばと思ってナイフで切ったけど、やっぱり無理だった、、、」


美優さんは傷口を手で触った。


「フラッシュバックなんて、実際あるんですね(まさか美優さんが)」
「、、、絢斗には秘密ね」
「はい。なんとか克服できるといいですね」
「無理だよ、多分一生、、、」

美優さんはうつむく。
俺は隣に座り美優さんの手を握った。

「絢斗さんに正直に言ってみるのはどうですか?(克服させてあげたい)」
「正直にって?」
「好きだって、、、ぶっちゃけ美優さんが私の物になってって言えば、絢斗さんは翠さんと別れて美優さんとこに来ると思いますよ(若頭の件もありますし)」
「私が小笠原組の娘だから?」
「はい」
「そんな、関係なんていらない、、、私は、、、心から愛して欲しいの」


俺は美優さんが泣き止むまで頭を撫でた。

「今日はここ泊まってく」
「えっ、帰りましょうよ、親父も心配しますし」
「仕事で遅くなるって父さんには連絡すれば大丈夫よ、、、それに、、、こんな顔じゃ余計父さん心配するわ」
「、、、わかりました。親父には連絡しておきますので美優さんは先、シャワー使って下さい(確かに、目晴れてるしな、、、)」
「ありがと」

美優さんがシャワーを浴びている間、
俺は親父に連絡をした。
俺が居るならと、すんなり許可がおりた事に驚いた。



「おまたせ。次どうぞ」
「あぁ」


バスローブ姿で濡れ髪の美優さんはとっても色っぽく
かった。
俺もバスローブを着て部屋に戻ると、
美優さんは窓から外を歩く人の流れを見ていた。


「寝よっか」
「そうですね」
「なにしてんの?」
「えっと、ソファーで寝ようかと(一緒のベットに寝るわけにわ、、、)」
「こっち、来て」
「でも、、、」
「一人じゃ寒いよ、、、」
「、、、わかりました(しょうがないか)」



俺たちは一つの布団で眠りについた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

お隣さんはヤのつくご職業

古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。 残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。 元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。 ……え、ちゃんとしたもん食え? ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!! ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ 建築基準法と物理法則なんて知りません 登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。 2020/5/26 完結

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。

鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」 聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。 死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。 シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。 「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」 それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。 生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。 これは互いの利益のための契約結婚。 初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。 しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……? ……分かりました。 この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。 夫を好きになったっていいですよね? シェラはひっそりと決意を固める。 彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに…… ※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。 主人公が変わっているので、単体で読めます。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。 「別れよう。」 その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。 飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。 「男ならキスの先をは期待させないとな。」 「俺とこの先・・・してみない?」 「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」 私の身は持つの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。 ※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。

処理中です...