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まだ気付かないフリしてあげる
しおりを挟む「今日は酷く荒れちゃって、学校でなんかあった?」
「、、、なにも」
私と修二は、高級ホテルのラウンジで
夕食を食べていた。
「ならいいけど。それより、いいのライの事?(無視しちゃって)」
「どうして?」
「だってライは美優ちゃんのお気に入りだろ」
「うん、、、ライくん大好き、、、でも最近連絡もくれなかったし、ちょっとお仕置き」
「ちょっとね~(大分だろ)」
「ふふっ」
「トオルの事もあんまり遊ばないように、新人なんだから」
「うん。だからライくんで接客の仕方を学んでもらおうとしたの」
「ワインぶっかけて?(普通かけないだろ)」
「うん」
「、、、、トオル、美優ちゃんに電話してくるかな」
「来ないよ」
「えっ?なんでわかるの?」
「どうせ、処分されちゃうでしょ。、、、ライくんに」
「確かにな(ライならやりかねないな)」
「うん」
メインのパスタを食べ終わると、
デザートが運ばれて来た。
「じゃあさ~、美優ちゃんは俺とライどっちが好き?(さてどっちを選ぶか)」
「、、、ライくんって言ったら?」
「俺って言うまでめちゃくちゃに抱く(ライを選ぶのかよ)」
「、、、修くんって言ったら?」
「一生俺しか言わないようにめちゃくちゃに抱く(やっぱり俺か)」
「ふふっ、、結局抱くんだ」
「そうだな(結局どっちなんだ)」
「ねぇ、修くん。父さんに結婚相手を決めろって言われちゃった、、、」
「えっ?(それで荒れてたのか)」
「、、、修くん、、、なってって言ったらなってくれる?」
私はニコっと笑い上目使いで修二を見つめる。
「美優ちゃん、、、俺は、、、(そろそろ正直に話さなきゃな)」
修二が言いかけたところで、
修二の携帯電話が鳴る。
「ごめん、、電話だ(自宅からだ)」
「出なよ」
ごめんと言うと、修二は席を離れて電話をとる。
修二の話す声がかすかに聞こえた。
「真里が熱?、、、ごめん今日は仕事があって帰れそうにないよ」
電話の相手は修二の奥さんであろう。
そう、修二は結婚していて子供もいる、それを私に隠してる。
私は数年前に修二の気持ちを読んで気づいてしまった。
もともとは遊び相手だし、その場だけ楽しめればいいと思ってた。
なのに、胸のあたりがザワザワする。
だから私は考えるのをやめた。
修二の嘘も。
私の心のザワザワも。
まだ、気づかないフリしてあげる。
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