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新人くんと赤ワインの匂い
しおりを挟む「いらっしゃい、美優ちゃん(なんだこの状況)」
「修くん!」
私はテーブルから起き上がり、
修二の元へ行き抱き付いた。
「連絡くれれば空けといたのに(いつもいきなり来るからなー)」
「急に会いたくなったから」
「嬉しい、、、それよりライがごめんね、、、服弁償するから(ライ酷く遊ばれたな)」
「修二さん!俺が悪いので、俺が弁償します」
「いいんだよ、この店の責任者は俺だから」
「すみません」
「それより、、、修くんお腹すいたよ」
「そうだね。車と替わりの服見つけてくるから、少し待ってて?(この時間に開いてる服屋あるかな、、)」
「うん」
「じゃあライも来て」
修二はライを連れて外に出る。
部屋には、私とトオル二人が残された。
「トオルくんだっけ、、、」
「はい(一体この人何者なんだ)」
「入ってどの位?」
「まだ3ヶ月位です」
「ここのナンバーワンを目指してるの?」
「滅相も無いです、、ライさんには勝てませんよ(ナンバーワンか、、考えた事なかったな)」
「ライくんも、、初めは全然ダメだったよ?、、、身なりも言葉使いも、、女の扱い方も、、、」
「そうなんですか?」
「うん。だから、、、私が全部教えてあげたの」
「全部って、、」
「全部、、、ライくんの初めては全部私、、、意味わかる?トオルくんにはまだ早すぎたかな?」
トオルは顔を赤くした。
しばらくすると、修二が戻って来た。
「美優ちゃん、服と車の用意できたよ(お店開いてて良かった)」
「ありがとう、着替えるね」
修二とトオルが部屋から出ると
私は受け取った服に着替える。
シャネルの新作ワンピース。
私のご機嫌取りに修二くんが選んだ服。
”小笠原組の娘”
結局、この肩書きが無ければ私はただの女。
誰にも相手されないだろう。
自分の力無さに嫌気がさす。
そして肩書きを使ってしまう自分にも嫌気がさす。
「そうだ、、、忘れてた、、」
私は鞄から小型の盗聴器を取り出すと、
飾ってある絵画の裏に取り付けた。
今日ここに来たのは、修二に会うためと
もう一つ目的があったからだった。
「ここなら、、気づかれないかな」
私は鞄を持ち部屋を出た。
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