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名前も場所も知らない海だけど
しおりを挟むここはどこなのだろう。
電車で見えた綺麗海につられて私は電車を降りた。
平日の昼間、ましてやこんな冬に
海にいる人はほとんどいない。
私は浜辺を歩いた。
「静かだ。私しかいないみたいに、ただ波の音しか聞こえない」
私は浜辺に寝そべった。
普通の女子高生なら、髪に砂が付くのは嫌だろうが、
今の私にとってはそんなのどうでもいいことだった。
「疲れた、、、眠い、、、」
波の音を聞きながら、私は眠ってしまった。
何時間たったのだろうか。
私は遠くの方で声が聞こえた気がして起きた。
携帯で時間を確認するのも、
ましてや目を開けることさえも面倒だった。
そして私を呼ぶ声はどんどん大きくなった。
「美優さん!美優さん!、、、この糞ガキさっさと起きろ!(いつまで寝てんだよ)」
声の持ち主は私の脇腹を足で蹴った。
「いっ、、、痛ったぁ」
「どんだけ探したと思ってんだよ!(この糞ガキが)」
声の正体は颯だった。
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