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貴方と過ごす最後の高校生活を-表-
しおりを挟む新しい制服を着た子たちを見つけると
なんだか一年前の自分を思い出す。
あの時は、伊織と付き合えるなんて
思ってもいなかった。
「葵!お待たせ」
「いえ、今来たところです」
今日は駅で待ち合わせをして
伊織と一緒に学校へと向かう。
「伊織も、ついに3年生ですね」
「そうだな」
「そういえばこの間また雑誌出てました?」
「あぁ、ちょっとしたバイトだよ」
「きっと新1年生の中にもいますよ、伊織目当てで高校入学してきた子が」
「いないって、そんな子、、、だけど嬉しいな」
「えっ?」
私たちは歩道橋で足を止める。
「葵がヤキモチやいてくれて」
「ひどい!真剣なのに」
「大丈夫だよ、、、俺は葵だけだから」
学校へ着くと、
校舎の入り口には人だかりが出来ている。
掲示板に新しいクラス分けの
紙が張り出されているのだ。
すると、私たちを呼ぶ声が聞こえる。
山下先輩と凪だった。
「おはよう!伊織、葵ちゃん」
「おはようございます」
「葵ー!!私たち一緒のクラスだったよ!」
「えっ、本当に?」
「俺と伊織も同じクラス!」
「結局3年間山下と一緒かよ」
私は凪と一緒のクラスで嬉しかった。
伊織も口ではあんな事言ってるけど、
多分実際は喜んでいると思う。
私にとってはまだ後2年だけど、
伊織と同じ高校に通えるのはもう1年しかない。
胸がぎゅっと痛くなる。
だから、
少し先の未来を私は考えるのをやめた。
今は少しだけ、
このまま。
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