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カラオケ-外-
しおりを挟む「ぞつ、、卒業、、あおめでとうございます」
「凪、、、泣くか笑うかどっちかにしろよ」
「だって、、、嬉しいけど寂しい」
私は夜、岡崎先輩と
カラオケに来ていた。
二人だけの、
岡崎先輩卒業おめでとうパーティー。
今日で岡崎先輩は高校を
卒業した。
一緒に過ごした時間は
一年間だけだったけど、
岡崎先輩と少しでも
一緒に居れたことが嬉しかった。
「先輩、ボタン一個もないじゃないですか」
「あー、、、俺モテるからねー」
「先輩の第二ボタン欲しかったのに、普通彼女の分で取っておくでしょ」
私は少し怒りながら、
曲を入れる。
「寂しい?俺がいなくなって」
曲が流れ、私は歌う。
間奏が入ったと同時に、
私はマイク越しでしゃべる。
「寂しくなんてない!」
「そっか」
再び歌い出すと、
私はしばらく歌った所で
歌うのを止める。
「嘘、嘘ですよ、、、寂しいに決まってるじゃないですか」
「凪、、、」
「もう高校行っても先輩は居ないんだから」
岡崎先輩は私の頭を撫でる。
「俺も、寂しい」
「本当?」
「うん、もっと高校生活を共に過ごしたかった」
「うん」
「でもこればっかしはしょーがない」
「、、、うん」
「送る側も、送られる側も、寂しいよな、、、だからさ俺なりに考えた、手だして」
「?」
私は手を差し出すと、
岡崎先輩は手のひらに物を乗せる。
「これ、、、」
そこには鍵とボタンがぶら下がった
ストラップが付いていた。
「俺、春から一人暮らしすんの」
「!!」
「いつでも来ていいから」
「先輩」
「それとこれ」
そう言って、岡崎先輩は私の制服の
リボンを取ると、
自分のネクタイ外し私へと付ける。
「ネクタイ?」
「男避け、これは俺のわがまま」
私は再び涙がでる。
そして我慢出来ずに岡崎先輩へと抱きつく。
「先輩!」
「んー?」
「先輩!」
「なんだよ?」
「大好きです」
寂しいのは私だけじゃない。
岡崎先輩も同じ。
だから、笑顔で岡崎先輩を送り出したい。
「本当に卒業おめでとうございます!」
私は自分のできる最高の笑顔で笑った。
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