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私と踊ってくれますか-裏-
しおりを挟む携帯出ない双葉を俺は探していた。
階段を上がっていると、
上から降りてくる人影があった。
岡崎先輩だった。
「岡崎先輩!」
「おっ伊織!」
「先輩今年もサボりですか?」
「まぁな、、そういえば凪の相手がお前で良かったよ」
「、、、なんで知ってるんですか」
岡崎先輩は上を指差す。
「図書室、待ってるから行ってやれよ」
俺はすぐに双葉の事だと
わかった。
「ありがとうございます」
俺が走り去ろうとすると、
岡崎先輩が俺の肩にぽんっと手をのせる。
「ごめん、少し手出した。でもお前も凪の手触ったからお互い様って事で」
そう言うと岡崎先輩は立ち去っていった。
図書室の扉を開けると
電気も付けない部屋で双葉は外を
眺めていた。
「双葉!」
「最上先輩」
俺は双葉の所まで歩くと
双葉も駆け寄り俺を抱き締めた。
「最上先輩、ごめんなさい。一緒に踊れなくて」
「大丈夫、凪ちゃんから話は聞いてるから。俺こそごめんちゃんと説明すれば良かったよな」
双葉は俺に胸に頭を押し付けながら首を降る。
「最上先輩、、、」
双葉は顔を上げ俺を見る。
「今から私と踊れてくれませんか?」
「双葉?」
「私、先輩と踊りたいです」
双葉に躍って欲しいと
言われて俺は嬉しかった。
もちろんと言って
俺は双葉に手を差しのべる。
俺たちは薄暗い中
ダンスを踊った。
双葉にカッコ悪い所を
見せないように少しだけ昨日、
家で練習した。
双葉、俺は上手く躍れてるな?
すると、双葉は俺に問う。
「最上先輩」
「んー?」
「凪と踊れて嬉しかったですか?」
やはり双葉には
俺は凪ちゃんが好きなように
見えているのかもしれない。
「嬉しかったよ、凪ちゃん可愛いからなー」
これは本心、
凪ちゃんは可愛い。
人気もある。躍ってる最中だって羨まし
がってる男もいた。
「先輩の意地悪」
だが俺は、少しだけ拗ねている
双葉が愛おしい。
「でも、俺は双葉じゃなきゃ嫌だ、、、双葉、口軽く開いて」
俺は軽く親指で
双葉の唇に触れる。
言われたまま不思議そうに、
双葉はそっと唇を開く。
「俺たち、もう少し進展してみようか」
「進展?」
「大人のキス」
そう言って俺はまず軽くキスを
すると、続けて舌を双葉の口に入れ、
互いの舌を絡める。
どうかな。
双葉にはまだ早すぎただろうか?
双葉は膝から崩れそうになる体を
俺のブレザーを掴み必死に耐えていた。
俺は双葉を見つめる。
「来年は皆の前で俺と躍ってくれますか?」
「はい」
俺たちは来年の、約束をした。
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