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はじめての帰り道-裏-
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「家どっち?」
「あっ、、あっちです」
双葉は家の方向を指差す。
俺は先程双葉が凪ちゃんに
言おうとしていた言葉を
気にしつつ双葉の様子を伺った。
「じゃあ行こう、あっ鞄持つよ」
俺は双葉の鞄を掴むと、
双葉は渡すのを拒む。
「だ、、大丈夫です」
「いいから貸して」
双葉はすみませんと言い
俺に鞄を渡した。
「今日は疲れた?」
俺は双葉に問いかける。
「少し疲れました、、、最上先輩はどんな1日でした?」
「んー、、、ずっと双葉の事考えてた1日だった」
「えっ」
双葉は顔を赤らめた。
双葉にとっては恋人的な意味で
とらえたのだろうが、
悪いが俺は違う意味だった。
しばらく歩くと双葉が足を止めた。
「あの、、ここです」
「へぇ、いいマンションだね」
「はい、叔父の知り合いの方が経営しているみたいです」
「叔父さん?」
「はい、私の親代わりみたいな人で、今は仕事で海外に居るみたいです」
「今度いつ日本に帰ってくるかな?帰ってきたら事故の事も含め挨拶したい」
事故に遭って数日後、
事故の、聴取に警察署に呼ばれた俺は、
警察官の人たちが話してる言葉を聞いてしまった。
"事故でご両親を亡くしてる"
双葉に直接聞いたことは無かったが、
今までお見舞いに行っても誰にも
会うことはなかったという事は
そういう事なんだろう。
「じゃあ、送って頂きありがとうございました」
双葉が鞄を受取ろうとすると、
手を伸ばしたが、
俺は鞄を押さえた。
「あのさ、もう少し話したいんだけど、部屋あがっていってもいい?」
もしかしたら、家に帰ったら
先程の話の続きを凪ちゃんと電話で
話すのかもしれない。
俺は阻止したかった。
「、、ダメです、、部屋汚いので」
ここで引き下がる訳にはいかない。
「気にしないよ?」
「ダメ、、、」
警戒されているのかなんなのか。
普通恋人なら部屋に行きたいと
言われてら当然OKするだろう。
強情な双葉に俺はあきらめ、
携帯電話をポケットから取り出す。
「じゃあ番号とID教えて」
「あ、、、はい」
しょうがない、部屋がダメなら、
帰ってからすぐ電話して、
凪ちゃんと話す時間を失くせばいい。
双葉は鞄から携帯電話を取り出すと、
俺は絶句した。
出てきた携帯電話はからは、
事故の悲惨さがよみがえる。
「携帯、、画面バキバキじゃん」
「買いに行こうと思ったんですが行けなくて、かろうじて使えるんですけどね」
「じゃあさ、明日放課後見に行こうか」
「でも部活は、、、」
「明日は休み」
この状態じゃ電話もメールもしないだろう。
ひとまず安心だ。
だったらもうここにいる理由は無い。
じゃあまた明日と俺は軽く手をあげ家に帰った。
俺の長い1日が終わった。
「あっ、、あっちです」
双葉は家の方向を指差す。
俺は先程双葉が凪ちゃんに
言おうとしていた言葉を
気にしつつ双葉の様子を伺った。
「じゃあ行こう、あっ鞄持つよ」
俺は双葉の鞄を掴むと、
双葉は渡すのを拒む。
「だ、、大丈夫です」
「いいから貸して」
双葉はすみませんと言い
俺に鞄を渡した。
「今日は疲れた?」
俺は双葉に問いかける。
「少し疲れました、、、最上先輩はどんな1日でした?」
「んー、、、ずっと双葉の事考えてた1日だった」
「えっ」
双葉は顔を赤らめた。
双葉にとっては恋人的な意味で
とらえたのだろうが、
悪いが俺は違う意味だった。
しばらく歩くと双葉が足を止めた。
「あの、、ここです」
「へぇ、いいマンションだね」
「はい、叔父の知り合いの方が経営しているみたいです」
「叔父さん?」
「はい、私の親代わりみたいな人で、今は仕事で海外に居るみたいです」
「今度いつ日本に帰ってくるかな?帰ってきたら事故の事も含め挨拶したい」
事故に遭って数日後、
事故の、聴取に警察署に呼ばれた俺は、
警察官の人たちが話してる言葉を聞いてしまった。
"事故でご両親を亡くしてる"
双葉に直接聞いたことは無かったが、
今までお見舞いに行っても誰にも
会うことはなかったという事は
そういう事なんだろう。
「じゃあ、送って頂きありがとうございました」
双葉が鞄を受取ろうとすると、
手を伸ばしたが、
俺は鞄を押さえた。
「あのさ、もう少し話したいんだけど、部屋あがっていってもいい?」
もしかしたら、家に帰ったら
先程の話の続きを凪ちゃんと電話で
話すのかもしれない。
俺は阻止したかった。
「、、ダメです、、部屋汚いので」
ここで引き下がる訳にはいかない。
「気にしないよ?」
「ダメ、、、」
警戒されているのかなんなのか。
普通恋人なら部屋に行きたいと
言われてら当然OKするだろう。
強情な双葉に俺はあきらめ、
携帯電話をポケットから取り出す。
「じゃあ番号とID教えて」
「あ、、、はい」
しょうがない、部屋がダメなら、
帰ってからすぐ電話して、
凪ちゃんと話す時間を失くせばいい。
双葉は鞄から携帯電話を取り出すと、
俺は絶句した。
出てきた携帯電話はからは、
事故の悲惨さがよみがえる。
「携帯、、画面バキバキじゃん」
「買いに行こうと思ったんですが行けなくて、かろうじて使えるんですけどね」
「じゃあさ、明日放課後見に行こうか」
「でも部活は、、、」
「明日は休み」
この状態じゃ電話もメールもしないだろう。
ひとまず安心だ。
だったらもうここにいる理由は無い。
じゃあまた明日と俺は軽く手をあげ家に帰った。
俺の長い1日が終わった。
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